はぴテク相談室:デュアル成長マインドセットが幸せにつながる
最近、仕事がつまらなくて…。毎日同じことの繰り返しで、成長してる実感もないし、なんか停滞してる感じがして、気持ちが沈んでいます。
それはしんどいですね。毎日同じ景色が続く感じ、じわじわ消耗しますよね。少し聞かせてもらいたいんですが、「自分はもっと成長できるはず」という気持ちは、今もありますか?
成長したい気持ちはあります!でも、たとえ自分が成長しても、仕事自体は変わらないし…って思うとなんか虚しくなっちゃうんですよね。
すごく鋭い直感ですよ!実はその「虚しさ」の正体、最新の研究がちゃんと言語化してくれています。スタンフォード大学やエール大学、Googleなども関わった研究なんですが、「自分が成長できる」という信念だけあっても、職場での幸福感はなかなか持続しないという結果が出ているんです。
え、そうなんですか?「成長マインドセットを持とう!」ってよく聞くのに、それだけじゃダメなんですか?
そうなんです。「自分は変われる・成長できる」という信念、これはセルフ成長マインドセットと呼ばれていて、確かに大切です。でも研究では、これ単独では幸福感の持続的な向上には結びつかなかった、という結果が出ました。片方の翼だけでは飛べない、みたいなイメージです。
じゃあ、もう片方の翼って何なんですか?
それが「仕事自体も変えていける」という信念なんです。研究ではこれを「ジョブ成長マインドセット」と呼んでいます。仕事のやり方や内容、関わり方って、実は自分である程度変えていける余地がある、と信じることですね。この2つが揃った状態を「デュアル成長マインドセット」と呼んでいます。
デュアル成長マインドセット…。両方あると何が変わるんですか?
この研究では、デュアル成長マインドセットを持つ人は、少なくとも6ヶ月間にわたって幸福感が持続的に向上していたんです。しかも、周りの人からの評価でも幸福感が高まっているのが確認されています。自己申告だけでなく、傍から見ても変化がわかる、というのがポイントです。
6ヶ月も!でも「仕事を変えられる」って信じるのって、難しくないですか?実際に権限もないし…。
おっしゃる通り、大きく変える必要はないんです。研究では「ジョブ・クラフティング」という言葉が出てきます。仕事の小さな部分、例えばタスクの順番、誰と関わるか、仕事にどんな意味を見出すか、といった範囲で少しずつ自分なりに仕事を形作っていくことです。デュアル成長マインドセットを持った人は、そういう「ちょっとした仕事の工夫」をより積極的に計画するようになったことが、幸福感の向上につながっていたと分析されています。
なるほど!「大きく変える」じゃなくて「工夫できる余地がある」と思えるだけでいいんですね。ちょっと見方が変わった気がします。
そうです!まず「自分は成長できる」に加えて「この仕事にも、自分なりに手を加えられる部分がある」という視点を持つことが、幸福感を持続させるうえで大事なポイントだと、この研究は示唆しています。どんな小さな工夫でも「仕事を自分で育てている」という感覚が、じわじわ効いてくるみたいですよ。
両方の信念を持つことが大事なんですね。今日、話してみてちょっと気持ちが軽くなりました!さっそく、自分の仕事でどこか変えられるところを探してみます。
それは素晴らしいですね!「変えられるとしたらどこかな?」って考え始めること自体が、もうデュアル成長マインドセットの第一歩だと思いますよ。小さくていいので、ぜひ試してみてください。応援しています!
■ 今日のまとめ
- 「自分は成長できる」という信念(セルフ成長マインドセット)だけでは、職場での幸福感の持続的な向上には不十分だという研究結果があります。
- 「仕事自体も変えていける」という信念(ジョブ成長マインドセット)を加えた〈デュアル成長マインドセット〉を持つことで、少なくとも6ヶ月にわたる幸福感の持続的な向上が確認されました。
- デュアル成長マインドセットは、仕事を小さく自分なりに工夫する「ジョブ・クラフティング」を促すことで、幸福感の向上につながったと考えられています。
■ 出典・注意事項
- 【出典】Berg, J. M., Wrzesniewski, A., Grant, A. M., Kurkoski, J., & Welle, B. (2022). Getting Unstuck: The Effects of Growth Mindsets About the Self and Job on Happiness at Work. Journal of Applied Psychology. https://faculty.wharton.upenn.edu/wp-content/uploads/2016/11/Getting-Unstuck.pdf
- 【注意事項①・相関と因果】実験デザインが用いられていますが、介入効果の一般化には限界があります。「デュアル成長マインドセットを持てば必ず幸福になる」と断言できるものではありません。
- 【注意事項②・対象集団の限界】研究対象はフォーチュン500のテクノロジー企業従業員と多様な職業の従業員であり、すべての職種・文化・環境に同様の効果があるとは限りません。
- 【注意事項③・自己報告の限界】幸福感の測定には自己報告と観察者評価が用いられていますが、測定方法による誤差がある点にご留意ください。
研究自体の紹介はこちら😊
デュアル成長マインドセットが幸せにつながる
https://wellbeing-archive.pages.dev/posts/2025-04-27-1745791210/