どうしたら、人の行動は変わるのか?
ペンシルベニア大学のドロレス・アルバラシン先生らの研究😊
どうしたら、人の行動が変わるのか?について整理頂いた大注目されている論文です。
昨年公開された論文なのですが、めちゃくちゃ面白いです。
(先日のウェルビーイング学会でも、引用させて頂きました。)
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ずばりウェルビーイングの研究ではないのですが、
ウェルビーイングを育むのに行動変容は不可欠であることから、
ウェルビーイングな行動につなげるには、という観点で超重要です。
論文をAI(genspark)さんに資料化して頂いたので、添付します。
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行動の変容につながる要因を、
個人的決定要因(自分の行動を変える)と
社会構造的決定要因(誰かの行動を変える)に分けて、
それぞれ、どのくらい効果が大きいのか。
を整理頂いています。
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全体的には、
知識やスキルを身につけるだけでは効果はあまり無かったり、
信念を変えようとするような取り組みも難易度が高い。
一方で、
①望ましい行動を実現する障壁を取り除いたり、アクセスしやすくする、
②周りでサポートをする、
③習慣化する、
などが有効でした😊
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ウェルビーイングと掛け合わせれば、
①ウェルビーイング情報にアクセスしやすくする
→職場だと紙に貼りだすとかも、結構有効なんですよね😊
→アプリやウェルビーイング情報にアクセスしやすくする。
(まさにこのFacebookグループとか、あと幸福度診断Well-Being Circleなんかも、コレですね。)
②ウェルビーイングの向上を周りでサポートする
→ウェルビーイングを促進しよう!という人やリーダーがいると、かなり効果的。
→コミュニティも良いですね。
③ウェルビーイングを習慣化する
→日々の小さな習慣にウェルビーイングを組み込む
(弊社で言うと、良かった事日記アプリのはぴトレ)
などでしょうか。
さぁ、ここら辺とウェルビーイングを組み合わせて行きましょう😍
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行動の決定要因と行動変容介入の目標としてのその有効性
Determinants of behaviour and their efficacy as targets of behavioural change interventions
2024/5/3,nature phychology
**Dolores Albarracín, Bita Fayaz-Farkhad & Javier A. Granados Samayoa **
https://www.nature.com/articles/s44159-024-00305-0
DL用↓
パンデミックや伝染病、環境悪化、地域社会における暴力といった、前例のない社会的、環境的、政治的、経済的課題は、個人と社会全体に利益をもたらす行動をどのように促進するかを再考することを求めています。本レビューでは、行動の個人的および社会構造的決定要因(例えば、それぞれ信念と規範)と、それらを対象とする行動変容介入の有効性に関する学際的なメタ分析を統合します。領域全体にわたって、個人の決定要因を変えるための介入は、影響の大きい順に、知識、一般技能、一般態度、信念、感情、行動技能、行動態度、習慣を対象とする介入の順に並べることができることがわかりました。社会構造的決定要因を変えるための介入は、影響の大きい順に、法的および行政的制裁、制度の信頼性を高めるプログラム、差止命令的規範を変えるための介入、監視とリマインダー、記述的規範介入、物質的インセンティブ、社会的支援の提供、特定の行動へのアクセスを増やす政策の順に並べることができます。健康と環境に関する行動変容についても、特に同様のパターンが見られる。したがって、政策立案者は、知識や信念といった、顕著ではあるものの効果のない行動決定要因を標的とするのではなく、個人が望ましい行動をとる上での障害を回避できるようにする介入に重点を置くべきである。
■研究の背景
行動変容研究の発展と本研究の位置づけ
ドロレス・アルバラシン教授らの研究「行動の決定要因とそれらを行動変容介入の対象とした場合の有効性」は、数十年にわたる行動変容研究の蓄積を踏まえた総合的なメタ分析です。この研究を理解するには、これまでの行動変容研究の流れを知ることが重要です。
行動変容研究の歴史的背景
1970年代以降、特に健康行動や環境保全行動を促進するための理論や介入方法が多数開発されてきました。アルバラシン教授らは、これらの既存研究を整理し、様々な介入アプローチの相対的な効果を体系的に比較しました。
研究の土台となる主要な行動変容理論
アルバラシン教授らの研究では、以下の主要な行動変容理論が前提となっています:
1. 合理的行動理論と計画的行動理論(Fishbein & Ajzen, 2011)
合理的行動理論(Theory of Reasoned Action)と計画的行動理論(Theory of Planned Behavior)は、人の行動は「行動意図」によって予測され、その意図は「態度」「主観的規範」「行動統制感」によって形成されるとする理論です。
出典: Fishbein, M., & Ajzen, I. (2011). Predicting and Changing Behavior: The Reasoned Action Approach. Psychology Press.
2. 情報-動機-行動スキルモデル(Fisher et al., 1992, 2006)
このモデルでは、行動変容には「情報」「動機」「行動スキル」の3要素が必要だとしています。例えば、健康行動を促進するには、正確な情報提供、行動変容への動機づけ、そして具体的な行動スキルの訓練が必要とされます。
出典:
3. 社会的認知理論(Bandura, 1997)
アルバート・バンデューラの社会的認知理論では、「自己効力感」(特定の行動を成功させられるという信念)が行動変容の中心的な要素だとしています。また、他者の行動を観察する「モデリング」も重要な行動変容メカニズムだとしています。
出典: Bandura, A. (1997). Self-Efficacy: The Exercise of Control. Macmillan.
4. 規範焦点理論(Cialdini et al., 1991)
この理論では、行動に影響を与える社会的規範を「記述的規範」(多くの人がしていること)と「指示的規範」(多くの人が正しいと思っていること)に区別しています。
出典: Cialdini, R. B., Kallgren, C. A., & Reno, R. R. (1991). A focus theory of normative conduct: A theoretical refinement and reevaluation of the role of norms in human behavior. Advances in Experimental Social Psychology, 24, 201-234.
行動変容技法の分類研究
行動変容技法をどう分類するかについても、重要な先行研究があります:
1. ナッジ理論(Thaler & Sunstein, 2008)
選択アーキテクチャ(選択肢の提示方法)を変えることで、人々の行動を予測可能な形で変化させる「ナッジ」の概念を提唱しました。
出典: Thaler, R., & Sunstein, C. (2008). Nudge: The Gentle Power of Choice Architecture. Yale University Press.
2. 行動変容技法分類(Michie et al., 2011, 2013)
ミシーらは「行動変容ホイール」と「行動変容技法分類法」を開発し、93の異なる行動変容技法を体系的に整理しました。
出典:
特定分野での行動変容研究
アルバラシン教授らが指摘するように、これまでの行動変容研究は特定の行動領域に集中していました:
1. 健康行動(Wilson et al., 2015)
健康行動(例:HIV予防、禁煙)に関する介入研究が多数行われてきました。
出典: Wilson, K., et al. (2015). When it comes to lifestyle recommendations, more is sometimes less: a meta-analysis of theoretical assumptions underlying the effectiveness of interventions promoting multiple behavior domain change. Psychological Bulletin, 141, 709-725.
2. 環境保全行動(Bergquist et al., 2023)
気候変動緩和行動などの環境保全行動に関する介入研究も盛んに行われています。
出典: Bergquist, M., Thiel, M., Goldberg, M. H., & van der Linden, S. (2023). Field interventions for climate change mitigation behaviors: a second-order meta-analysis. Proceedings of the National Academy of Sciences, 120, e2214851120.
アルバラシン教授らの研究の新規性
これらの既存研究を踏まえ、アルバラシン教授らの研究の新規性は以下の点にあります:
領域横断的アプローチ: 健康行動、環境行動など特定領域を超えた包括的な分析
介入対象の相対的効果の比較: 様々な介入対象(知識、信念、規範など)の効果を直接比較
相関研究と介入研究の区別: 決定要因と行動の相関と、その決定要因を変える介入の効果の違いを明確化
個人的要因と社会構造的要因の両方の検討: 個人の内面だけでなく社会環境も含めた総合的分析
これらの特徴により、アルバラシン教授らの研究は、「何が効果的か」という単純な問いを超え、「どの対象への介入が最も効果的か」という実践的な問いに答えることを可能にしました。パンデミックや気候変動など現代の社会的課題に対応するための、科学的根拠に基づいた行動変容戦略の構築に貢献する重要な研究と言えるでしょう。
■論文の内容と、その他情報も併せて、職場のウェルビーイングを育む取り組み by AI
職場でウェルビーイングと幸せを育むための効果的な取り組み
アルバラシン教授らの行動変容研究の知見と、ウェルビーイング研究の成果を組み合わせると、職場で幸せとウェルビーイングを効果的に育むための方法が見えてきます。
最も効果的なアプローチ
1. アクセス向上(環境整備)
2. 社会的サポートの強化
3. 習慣形成の支援
効果が期待できる補完的アプローチ
4. 記述的規範とロールモデル
5. モニタリングとリマインダー
6. 有意義な参加と貢献の機会
実践のための統合的アプローチ
1. POSITIVEフレームワークの活用
ウェルビーイングを育む取り組みを組織的に展開するための統合的枠組み:
2. 組織レベルのシステム的アプローチ
注目すべき職場ウェルビーイングの事例
いくつかの組織では、上記のアプローチを統合することで顕著な成果を上げています:
マイクロソフト: 「ウェルビーイングデイ」の設定と、柔軟な働き方オプションの提供
パタゴニア: 自然との接点、家族サポート、意義ある仕事を統合したアプローチ
グーグル: データ駆動のウェルビーイングプログラムと、個人のニーズに対応した多様な支援
これらの取り組みに共通するのは、単なる「プログラム」ではなく、ウェルビーイングを組織文化と日常の実践に統合するシステム的アプローチです。行動変容研究の示すように、知識提供や一時的な介入ではなく、持続的な環境整備と習慣形成のサポートが、真の変化をもたらします。
■職場改善に応用するには? by AI
職場改善のための効果的なアプローチ:行動変容研究からの示唆
アルバラシン教授らの行動変容研究の知見を職場改善に応用すると、以下のような方法が特に効果的だと考えられます。
最も効果的な職場改善アプローチ
1. アクセス向上(社会構造的要因として最も効果的)
2. 社会的サポート(高い効果)
3. 習慣形成の促進(個人的要因として最も効果的)
中程度の効果が期待できるアプローチ
4. 物質的インセンティブ
5. 記述的規範の活用
6. モニタリングとリマインダー
効果が限定的なアプローチ(単独では不十分)
7. 知識提供のみに頼るアプローチ
8. 信念や態度の変容のみを目指すアプローチ
実践のためのポイント
複合的アプローチ: 単一の方法ではなく、複数の効果的な方法を組み合わせる
段階的導入: 大きな変化を一度に求めるのではなく、小さな改善を積み重ねる
個別化: 組織や部門の特性、社員のニーズに合わせたカスタマイズを行う
継続的評価: 効果を定期的に測定し、アプローチを調整する
参加型プロセス: 改善プロセスに社員を積極的に参加させ、オーナーシップを育む
行動変容研究の知見によれば、知識や態度といった内面的要因よりも、環境調整や社会的支援などの外部要因を整えることが、より効果的な職場改善につながります。職場改善を計画する際は、「望ましい行動を容易にする」ことに焦点を当てたアプローチが最も成功する可能性が高いでしょう。