迷ったら、コイン投げで決めると幸せ
2016年のシカゴ大学スティーブン・レビット先生の研究。
昔のですが、とても好きな論文なのでシェアします😊
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端的に言えば、**人生の選択で迷ったら、コイントスで決めると幸福度が高まるよ!**という話。
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・コイントスで、やっちゃおう!と出た人は、現状維持と出た人に比べて、やっちゃう率が25%高かった。
(やっちゃおう!と出た人63%が実行、現状維持と出たけど実行した人が37%)
・やっちゃう!人は、2ヶ月後、6ヶ月後に幸福度向上。
特に重要な決断をした人は、10〜20%くらい幸福度が向上していた。
とのこと。
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基本的には、
コイントスが迷った時の後押しになる
+結局、やっちゃった人は幸せになる
とも言えますね。
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そもそも人間には現状維持バイアスがあって、やらない方を選びやすい、
かつ、悩んでいるということは、やりたい気持ちとやりたくない気持ちが同じくらい。
なので、現状維持バイアス分をさっ引くと、
悩んだら、やっちゃう!というのが良いんだろうなぁと推察しています😊
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私も手元に10円玉を置いていて、迷ったら、コイントスするようにしています😊
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Steven D. Levitt (2016), Heads or Tails: The Impact of a Coin Toss on Major Life Decisions and Subsequent Happiness, NBER Working Paper No.22487
https://papers.ssrn.com/sol3/papers.cfm?abstract_id=2819892
重要な意思決定に直面した際、人が適切な選択を行うかどうかについては、ほとんど知られていません。
本研究では、意思決定に困難を抱える被験者が、選択を助けるためにコインを投げる大規模なランダム化フィールド実験の結果を報告します。
重要な意思決定(例:仕事を辞める、関係を終わらせるなど)において、コインの表裏に関わらず変更を行った被験者は、2ヶ月後と6ヶ月後に大幅に幸福度が高いと報告しています。
ただし、この相関関係は因果関係を反映しているとは限りません。因果関係を評価するため、私はコイン投げの結果を使用します。コイン投げの結果で変化を起こすように指示された人は、現状を維持するように指示された人よりも、6ヶ月後に変化を起こす可能性がはるかに高く、かつ幸せだと報告しています。
本研究の結果は、人生を変えるような選択に直面した際、人々は過剰に慎重になる可能性があることを示唆しています。
※参考
矢沢永吉 cm やっちゃえ日産
https://www.youtube.com/watch?v=AXXSozqg6m0
■研究の背景
意思決定研究の文脈
経済学では伝統的に、人々は「期待効用最大化」(expected utility maximization)という考え方に基づいて合理的に意思決定を行うと考えられてきました。これは簡単に言えば、「選択肢ごとの結果の価値とその確率を掛け合わせて期待値を計算し、最も高い期待値を持つ選択肢を選ぶ」という考え方です。
しかし、行動経済学は人間の意思決定が必ずしも合理的ではないことを示す代替モデルを多数提案してきました:
プロスペクト理論(prospect theory):Kahneman と Tversky により提唱され、人々は損失を利得よりも強く感じる傾向があることを示しました(Kahneman & Tversky, 1979)。
双曲割引(hyperbolic discounting):人は将来の報酬を非一貫的に割り引く傾向があります。つまり、近い将来の選択では即時満足を求め、遠い将来の選択では忍耐強くなります(Ainslie, 1975; Laibson, 1997)。
サンクコスト効果(sunk cost fallacy):すでに投資したコストを回収しようとして、合理的ではない選択をする傾向(Arkes & Blumer, 1985)。
実験的アプローチの限界
論文では、経済学における意思決定実験の限界についても言及しています:
実験室実験(laboratory experiments):Fox & Tversky (1995)、Becker & Brownson (1964)、Gneezy, Imas, & List (2015)などの研究がありますが、これらは実験者が作り出した低リスクの意思決定(小さな賭けを受け入れるかどうかなど)にのみ焦点を当てています。
フィールド実験(field experiments):Smith (1994)、Camerer (1995)、Chaudhuri (2011)などの研究があり、実際の環境での意思決定を調査していますが、やはり比較的小さな決断(チャリティへの寄付など)に限られています(Levitt & List, 2009; DellaVigna, 2009)。
幸福度研究
この研究は、自己報告による幸福度(self-reported happiness)の測定にも依存しています:
Easterlin (1974)は、経済学で初めて自己報告による幸福度データを広く使用した研究者の一人です。
Dolan, Peasgood, & White (2008)とFrey & Stutzer (2002)は、経済学における自己報告幸福度データの使用について概説しています。
自己報告幸福度データの有効性については研究者間で見解が分かれています:
因果関係の研究
人生の大きな決断(離婚など)が幸福度に与える影響を調査する際、実験的に「ランダムに500組のカップルに離婚を強制する」ことはできません。そのため、これまでの研究は:
相関研究(correlational studies):Kalmijn, Liefbroer, & Soons (2009)、Pedersen & Schmidt (2014)など。
自然実験(natural experimental variation):Gruber & Mullainathan (2005)、Meier & Stutzer (2007)などがありましたが、因果関係の推論には通常の課題がありました。
Levittの研究の独創性は、コイントスという偶然の要素を取り入れることで、重要な人生の決断における「限界的な意思決定者」(marginal decision maker:決断の境界線上にいる人)の行動と、その結果としての幸福度への因果的影響を測定できる点にあります。
この研究は、これまでの研究の限界を乗り越え、現実の重要な人生の決断における因果関係を測定する新しいアプローチを提供しています。