はぴテク相談室:最高の自分ワークにおける西洋東洋の違い
最近、自分の将来についてなんとなく不安で、何かポジティブになれるワークをやってみたいなと思っているんですけど、なかなか続かなくて。何かおすすめはありますか?
それは気になりますよね!実は「最高の自分ワーク(ベスト・ポッシブル・セルフ)」という、研究でも効果が確認されているシンプルなワークがあるんです。やり方はこんな感じです。まず1分間、自分の最高な未来をとにかく自由に妄想する。次に15分間、その妄想した内容をできるだけ詳しく書き出す。そして最後に5分間、書いたことをありありと頭の中でイメージする。これを数日おきに3回やるというものです。シンプルでしょう?
えっ、それだけですか?なんか簡単そうですね。でも本当に効果あるんでしょうか?私、日本人なんですけど、こういうの西洋向けのものが多いイメージがあって、自分にも合うのかなって少し心配で…
すごく鋭い視点ですね!実はまさにそこを調べた最新の研究があるんです。2025年にマーストリヒト大学のウー先生らが「Journal of Happiness Studies」という学術誌に発表した研究で、オランダ(西洋)と中国(東洋)の大学生を比較したものです。結論から言うと、どちらの文化圏でも効果はあるんですが、効果の出方に違いがあることがわかりました。
どんな違いがあったんですか?
オランダの参加者は、ワークを1回やった直後からポジティブな気持ちが高まるという即効性が見られました。一方、中国の参加者は、1回目の直後は大きな変化がなかったんですが、3回のワークを終えて1週間後には「抑うつ感が下がった」「目標に対してモヤモヤしていた気持ちが減った」「将来への期待が上がった」という変化が出てきたんです。
なるほど、東洋は時間がかかる感じなんですね。でもそれって、ちょっとがっかりしてしまいそうです。最初に効果を感じられないと、やめてしまいそうで…
そのお気持ち、すごくよくわかります!ただ、「モヤモヤが減って、将来への期待が上がる」というのって、不安を感じている方にとってはとても大事な変化だと思いませんか?西洋の参加者のようにポジティブがぐっと上がるのとは違う形だけれど、「ネガティブが減る」という変化も確かな効果なんですよね。
言われてみれば、不安が減るだけでもだいぶ楽になりそうです。でもなんで文化によってこんなに違いが出るんでしょう?
研究では、東洋と西洋で「ものの見方の文化的な違い」が関係していると考察されています。西洋では「ポジティブな方向を一直線に目指す」という考え方が根強いのに対して、東洋では「ポジティブとネガティブ、どちらも含めてバランスよく捉える」という思考の傾向があると言われています。だから、最初からポジティブだけをぐっと上げるよりも、ネガティブな感情が和らいでいくという形で効果が表れやすいのかもしれないんですね。ただ、これはあくまで研究の考察であって、確定的な原因として証明されているわけではありません。
なるほど、文化的な背景まで影響するんですね。ちなみに、このワーク、やるときに何かコツはありますか?
研究や実践の経験から言うと、特に大事なのは最後の「ありありとイメージする5分間」です。書き出しただけで終わらせず、その場面を頭の中で映画のように鮮明に思い描くことがポイントです。また、東洋の文化的背景を考えると、「なぜこのワークをやるのか」という目的をしっかり自分に納得させてから始めると、効果が出やすいかもしれません。研究でも、3回続けることで効果が積み重なっていくことが示されているので、1回で判断せずに続けてみることも大切ですね。
1回じゃなくて3回続けるのが大事なんですね。それなら最初に効果を感じられなくても、もう少し続けてみようと思えます。ちなみに、書く内容ってどんなことを書けばいいんですか?仕事のこととか、家族のこととか、何でもいいんでしょうか?
はい、特定のテーマに限定する必要はありません。仕事でも、人間関係でも、趣味でも、自分が「最高の未来」としてイメージできることなら何でもOKです。大切なのは、自分が心からワクワクできる、または「こうなれたらいいな」と思える未来を、できるだけ具体的に書くことです。研究では500ワード以上(日本語なら1000〜1500文字くらいのイメージ)を目安にしていましたが、最初はもっと短くても、書き続けることのほうが大事だと思いますよ。
わかりました!なんだか難しく考えすぎていたかもしれません。まず3回チャレンジしてみます。ありがとうございました!
ぜひやってみてください!最初に大きな変化を感じなくても、「ああ、東洋ではこういうものなんだな」と焦らず続けてみてください。1週間後に「なんとなく気持ちが軽くなったかも」「将来のことが少し楽しみになってきた」という変化に気づける可能性がありますよ。応援しています!
■ 今日のまとめ
- 「最高の自分ワーク」は、自分の最高な未来を妄想して書き出し、ありありとイメージする3ステップのシンプルなワークで、東洋・西洋どちらの文化圏でも効果が確認されています。
- 西洋(オランダ)では1回目から即効性があるのに対し、東洋(中国)では初回は変化が小さく、3回を経た1週間後にネガティブな気持ちの減少や将来への期待の向上という形で効果が表れる傾向が見られました。
- 東洋の文化的背景を踏まえると、ワークの目的をしっかり理解してから始めること、そして最後の「ありありとイメージする」ステップを丁寧に行いながら、1回で判断せず3回続けることが大切です。
■ 出典・注意事項
- Wu et al. (2025). The Effectiveness of the Best-Possible-Self Intervention in College Students from China and the Netherlands: A Cross-Cultural Study. Journal of Happiness Studies. https://link.springer.com/article/10.1007/s10902-024-00855-3
- 【注意事項】本研究は中国(61名)とオランダ(48名)の大学生を対象としており、サンプルサイズが比較的小さく、日本人への直接の一般化には限界があります。
- 【注意事項】東洋・西洋の効果の違いについては、文化的な思考様式の違いが考察として挙げられていますが、因果関係として証明されたものではありません(相関・考察レベルの知見です)。
- 【注意事項】元々のベースラインスコアがオランダの参加者は高め、中国の参加者は低めであったという差があり、この点も結果の解釈に影響する可能性があります。
研究自体の紹介はこちら😊
最高の自分ワークにおける西洋東洋の違い
https://wellbeing-archive.pages.dev/posts/2025-02-23-1740279181/