はぴテク相談室:謙虚なリーダーが心理的安全性をもたらす😊
最近、職場の雰囲気がギスギスしていて、何か意見を言おうとすると怖くて言えなくなってしまうんです。上司に質問するのも緊張するし、ミスを報告するのも怖い…。こんな状態が続いていて、仕事へのやる気もどんどん落ちてきています。
それは本当につらいですね。「何か言ったら怒られるかも」「評価が下がるかも」と感じながら働くのは、すごくエネルギーを消耗しますよね。実は、その状態には「心理的安全性」というキーワードが深く関わっているんです。東京大学の研究で、職場の心理的安全性がメンタルヘルスや仕事へのやりがいに関係していることが分かってきています。
心理的安全性って最近よく聞くんですが、具体的にどういう意味なんですか?
簡単に言うと、「自分のイメージやキャリアへの悪影響を恐れずに、自分の意見や気持ちを表現できる状態」のことです。ミスを正直に言えたり、「これって変じゃないですか?」と率直に質問できたりする雰囲気ですね。相談者さんの職場は、今まさにその心理的安全性が低い状態かもしれません。
そうなんです…。では、心理的安全性が高い職場だと、何が変わるんでしょうか?
東京大学の松尾先生・熊谷先生たちが中央省庁の職員1,000人以上を対象に調査した研究では、心理的安全性が高まると、メンタルヘルスの状態が良くなることと、仕事への熱意・関与度(エンゲージメントと呼びます)が高まることが分かりました。ただし、これはあくまで関連性が見られたということで、「必ずこうなる」という因果関係を断言するものではありませんが、無視できないつながりですよね。
なるほど。でも、心理的安全性って自分一人でどうにかできるものじゃないですよね?上司や組織の問題な気がして…。
鋭い指摘です!この研究では、心理的安全性に大きく影響しているのが「リーダーの謙虚さ」だということが分かったんです。つまり、上司の姿勢がチームの心理的安全性を左右しているという結果でした。
リーダーの謙虚さ、ですか?謙虚って具体的にどういうことを指すんでしょう?
研究では謙虚なリーダーには3つの要素があるとされています。一つ目は「自分の限界や失敗をきちんと認識できること」。二つ目は「チームメンバーの強みや貢献を積極的に認め、多様な意見を歓迎すること」。三つ目は「部下からも学ぼうとする姿勢・柔軟性があること」です。この3つが揃っているリーダーのもとでは、メンバーが安心して発言しやすくなるんですね。
うちの上司はまさに逆で、失敗を認めないし、部下の意見もあまり聞いてくれないんです。そういう上司のもとで働いている場合、私にできることって何かありますか?
直接コントロールできないことも多くて、もどかしいですよね。この研究の対象はあくまで中央省庁の職員で、民間企業の職場にそのまま当てはまるかどうかは慎重に考える必要があります。ただ、研究の中では「知識共有」という要素も注目されていました。チーム内でお互いの知識や経験を共有し合う文化があると、職場環境にプラスに働く可能性が示されています。同僚と情報や経験を気軽に共有し合える関係を少しずつ作っていくことは、できることの一つかもしれません。
なるほど、同僚との関係を育てることは自分でもできそうです。一方で、もし自分がチームのリーダー的な立場になったとき、この3つの謙虚さを意識するといいということですね?
そうです!「自分の失敗を認める」「メンバーの貢献をしっかり言葉にして認める」「メンバーから学ぼうとする」この3つを意識するだけで、チームの雰囲気が変わっていく可能性があります。この研究は日本の公共部門での調査なので、すべての職場に同じように当てはまるわけではありませんが、参考にする価値は十分あると思います。
今日の話を聞いて、職場の雰囲気って上司の姿勢一つでこんなに変わるものなんだと改めて感じました。自分でもできることから少しずつ試してみます。ありがとうございました!
少しでもヒントになれてよかったです。「安心して発言できる場」は、自分のやりがいやメンタルにも深く関わっています。今日お話しした謙虚さの3要素を頭の片隅に置いておくだけでも、日々の職場での関わり方に変化が生まれるかもしれませんね。応援しています!
■ 今日のまとめ
- リーダーの謙虚さ(自己の限界を認める・他者の強みを評価する・部下から学ぶ姿勢)が、チームの心理的安全性の高まりと関連していることが示されました。
- 心理的安全性が高い職場では、メンタルヘルスの状態の良さや、仕事へのやりがい(エンゲージメント)の高さと関連していることが分かりました。
- 自分がリーダー的な立場になったときは謙虚さの3要素を意識し、そうでない場合も同僚との知識・経験の共有から心理的安全性の土台を育てることが一つの手がかりになりえます。
■ 出典・注意事項
- 【元論文】Matuo, A., & Kumagai, S. et al. (2025). Fostering employee engagement and mental health: Impact of psychological safety, humble leadership, and knowledge sharing in the Japanese public sector. International Review of Public Administration. https://www.tandfonline.com/doi/full/10.1080/12294659.2025.2463135
- 【プレスリリース】東京大学先端科学技術研究センター(2025年2月20日)https://www.rcast.u-tokyo.ac.jp/ja/news/release/20250220.html
- 【謙虚なリーダーシップの定義】Owens et al. (2013) による3要素(自己を正確に見る意欲・他者の強みの評価・教えを受ける姿勢)を参照
- 【注意事項①】本研究は横断的調査(ある時点でのアンケート)であり、変数間の「関連性」を示したものです。謙虚なリーダーシップが心理的安全性やメンタルヘルスを直接「引き起こす」という因果関係を断定するものではありません。
- 【注意事項②】調査対象は日本の中央省庁の職員(1,088人)であり、民間企業や他国・他の職種への一般化には慎重さが必要です。
研究自体の紹介はこちら😊
謙虚なリーダーが心理的安全性をもたらす😊
https://wellbeing-archive.pages.dev/posts/2025-02-21-1740178181/