2025.01.11

はぴテク相談室:サーバントリーダーは、メンバーの人生や仕事の意味、フローを増やす

相談者

最近、チームのメンバーがどこかやる気なさそうで…。仕事に没頭している感じがないというか。リーダーとして何かできることはあるんでしょうか?

はぴテクさん
はぴテクさん

それは気になりますよね。実は、リーダーの関わり方がメンバーの「フロー」、つまり仕事への没入感や楽しさ、内側からわき出るやる気に影響するという研究があるんです。ロッテルダム経営大学のティレンドンク先生たちの研究で、中国の3社・175人を5日間にわたって調査したものです。

相談者

フローって、よく聞くけど具体的にどういう状態ですか?

はぴテクさん
はぴテクさん

フローは「没入・楽しさ・内発的動機づけ」の3つがそろった状態のことです。「時間を忘れて仕事に集中できて、しかも楽しい!」という感覚、ありますよね?ああいう状態がまさにフローです。メンバーがその状態に入れているかどうかが、仕事の充実感に大きく関わります。

相談者

なるほど。で、リーダーとしてどう関わるとそのフローを引き出せるんでしょう?

はぴテクさん
はぴテクさん

この研究が注目しているのが「サーバントリーダーシップ」というスタイルです。簡単に言うと、自分のことより先にメンバーの個人的なニーズや関心を優先し、メンバーを支援することに軸を置くリーダーシップです。「どうすれば自分が評価されるか」より「どうすればメンバーが活躍できるか」を先に考える、という姿勢ですね。

相談者

それがフローにつながるんですか?その間にどんなことが起きているんでしょう?

はぴテクさん
はぴテクさん

そこが研究の面白いところで、サーバントリーダーシップ→フロー、という直接の道筋だけでなく、間に3つの経路があることがわかったんです。①メンバーが仕事や人生に「意味・意義」を感じやすくなる、②心理的エンパワーメント、つまり「自分には力がある、自分で動ける」という感覚が高まる、③そして驚くことに、睡眠の質まで上がっていた、という3つです。

相談者

睡眠の質まで!?それはびっくりです。リーダーの関わり方がそこまで影響するんですね。

はぴテクさん
はぴテクさん

研究者たちも注目していた部分です。サーバントリーダーからサポートされているという安心感が、仕事のストレスを和らげて、夜の休息にもよい影響を与えるのではないかと考えられています。そしてよく眠れると翌日の心理的なエンパワーメントも高まり、フローに入りやすくなる、という流れが見えてきたんです。

相談者

「意味・意義」の部分ももう少し教えてもらえますか?仕事に意味を感じてもらうって、どうすれば?

はぴテクさん
はぴテクさん

この研究では、サーバントリーダーが「あなたの仕事はこういう意味があるよ」と励ましたり、メンバーの仕事への関心や個人的なことをちゃんと知ろうとする姿勢が、メンバーの意味感を高める、という関連が見られました。一方的に「この仕事は大事だ」と伝えるより、その人自身がどう感じているかに関心を向けることが大切なようです。

相談者

なるほど。ちなみに、この研究ってどのくらい信頼できるものですか?

はぴテクさん
はぴテクさん

よい質問です!この研究は日記形式で毎日データを取っているので、その日その日の変化を細かく追えるという強みがあります。ただ、研究者自身も「この設計では因果推論はできない」と明記しています。つまり、「サーバントリーダーシップがフローを増やした」とは断言できず、あくまで「一緒に高まる傾向がある」という相関として受け取るのが正確です。また、中国の3社・175人が対象なので、他の国や文化、別の業種でも同じかどうかはわかりません。

相談者

わかりました。とはいえ、今日から何か意識できることはありますか?

はぴテクさん
はぴテクさん

この研究の知見をヒントにするなら、まずメンバー一人ひとりの仕事への関心や、今どんなことを大切にしているかを知ろうとする姿勢から始めてみるのがよさそうです。「あなたの仕事はこういう意味がある」と伝える場面を意識的に作ったり、「自分で決められる」と感じてもらえるような裁量を渡したりすることも、エンパワーメントにつながる可能性があります。そして、無理な残業が続かないような環境づくりも、睡眠の質という観点では重要かもしれません。

■ 今日のまとめ

  • サーバントリーダーシップ(メンバーのニーズ・関心を優先する他者志向のスタイル)は、メンバーのフロー(没入・楽しさ・内発的動機づけ)と関連して高まる傾向が研究で示されました。
  • その間には①仕事・人生への意味感の向上、②心理的エンパワーメント(自分で動ける感覚)の向上、③睡眠の質の改善、という3つの経路があることが示唆されています。
  • ただし、この研究は相関関係の調査であり因果は断定できません。中国3社・175人が対象のため、結果の一般化には限界があります。

■ 出典・注意事項

  • Thieledon, D. et al. (2024). Servant leadership, meaningfulness and flow: an upward spiral. The Journal of Positive Psychology, 2024/11/17.

  • 【注意事項】本研究は日記式調査(相関デザイン)であり、研究者自身が「因果推論はできない」と明記しています。サーバントリーダーシップがフローを「引き起こす」とは断言できません。

  • 【注意事項】対象は2021年の中国3社・175人の従業員に限定されており、他の国・文化・業種への一般化には慎重さが必要です。

投稿者によるコメント・補足(1件)
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研究自体の紹介はこちら😊
サーバントリーダーは、メンバーの人生や仕事の意味、フローを増やす
https://wellbeing-archive.pages.dev/posts/2025-01-11-1736555604/

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