はぴテク相談室:助けて〜とヘルプを出せるのは多少過剰でも幸せだ
最近、職場でちょっと困ったことがあっても、なかなか人に頼れなくて…。「自分でなんとかしなきゃ」って思いすぎてしまうんです。人に頼るって、甘えじゃないかなって気になってしまって。
それは多くの方が感じることですよね。実は最近、北翔大学の鎌田先生らが「助けを求める行動のスタイル」とウェルビーイング(心の豊かさや幸福感)との関係を調べた研究を発表していて、とても興味深い結果が出ているんです。少しお話ししてもいいですか?
はい、ぜひ聞かせてください!
この研究では、人が「助けを求める行動パターン」を3つに分類しています。①困っていてもいなくてもとにかく頻繁に人に頼る「過剰型」、②どんなに困っていても人に頼らない「回避型」、③まず自分でやってみて、本当に難しいときだけ人に頼る「自立型」の3つです。あなたはどのタイプに近いと思いますか?
うーん、私は「回避型」に近いかもしれません。なるべく自分で抱え込んじゃうので…。
正直に教えてくださってありがとうございます。実はこの研究では、「回避型」はウェルビーイングの低さと関連していることがわかったんです。さらに「セルフ・コンパッション」——自分自身に対してやさしくできる気持ち——の低下とも関連が見られました。つまり、助けを求めないでいると、自分を大切にする感覚も薄れやすいかもしれないということなんですね。
えっ、それは意外です。人に頼らず頑張ることが、むしろ自分を傷つけているってこと?
この研究はあくまで「関連がある」という話で、回避型だから必ず不幸になる、とまでは言えません。ただ、関係性として、頼らないスタイルとウェルビーイングの低さやセルフ・コンパッションの低さがセットになりやすい、ということは示されています。逆に言えば、「助けを求めること」自体がウェルビーイングを守るひとつの要素になっている可能性があるということです。
じゃあ、「自立型」が一番いいんですか? 自分でやってみて、ダメなときだけ頼るっていう。
そうなんです、この研究では「自立型」が最もウェルビーイングの高さと関連していました。でも、面白いのはここからで——「過剰型」、つまり多少頼りすぎくらいでも、ウェルビーイングとの正の関連が見られたんです。「ちょっと頼りすぎかな?」くらいの方が、まったく頼らないよりずっと良さそうだということですね。
「頼りすぎ」でも大丈夫なんですか!それはちょっと気が楽になりました。でも、なんで頼りすぎでも幸せにつながるんでしょう?
研究の中では詳しいメカニズムまでは検証されていないので断言はできないのですが、「助けを求める」という行動そのものが、問題を一人で抱え込まないことにつながって、結果としてストレスが軽くなりやすいのかもしれませんね。「頼りすぎかな」と思いながらでも声を上げられることが、回避してしまうよりずっと心の健康に関連している、というのがこの研究の大きなメッセージだと思います。
なるほど…。「完璧に自立して頼る」じゃなくても、まず声を上げることが大事なんですね。でも、この研究って誰が対象だったんですか?
鋭いご質問です!この研究は大学生を対象にしたものなので、社会人の方にそのままあてはまるかどうかは慎重に考える必要があります。また、これは相関の研究ですので、「頼ることが原因で幸せになる」とまでは言い切れません。ただ、「頼らないでいること」と「幸せ度の低さ」が関連しているという傾向は、日常生活を振り返るヒントとして十分参考になると思いますよ。
そうですね。完璧じゃなくていいから、「ちょっと助けて」って言えるようになりたいな、と思えてきました。ありがとうございます!
それが一番大事な気づきだと思います!「多少頼りすぎかな」くらいでも、声を上げられることがウェルビーイングにつながりやすいという研究結果は、日々の小さな「助けて」を後押ししてくれますよね。まず一言、声に出してみることから始めてみてください😊
■ 今日のまとめ
- 助けを求める行動スタイルは「自立型」「過剰型」「回避型」の3つに分けられ、それぞれウェルビーイングとの関連に違いがある。
- 「自立型(まず自分で試みて困ったら頼る)」が最もウェルビーイングの高さと関連しており、「過剰型(多めに頼る)」も一定のウェルビーイングとの正の関連が見られた。
- 「回避型(どんなに困っても頼らない)」はウェルビーイングの低さだけでなく、自分にやさしくできる気持ち(セルフ・コンパッション)の低さとも関連していた。多少頼りすぎくらいでも、声を上げられることが大切かもしれない。
■ 出典・注意事項
- 鎌田真実・入江智也(2024)「大学生の援助要請スタイルと精神的健康との関連―ウェルビーイング,セルフ・コンパッションに着目して―」日本青年心理学会第32回大会 ポスター発表(2024/12/18)https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsyapp/32/0/32_89/_pdf/-char/ja
- 【注意事項】本研究は大学生を対象としており、社会人など他の年齢層や集団にそのまま一般化できるかどうかは不明です。また、本研究は相関研究であり、援助要請スタイルがウェルビーイングを高める・低めるという因果関係を示したものではありません。
研究自体の紹介はこちら😊
助けて〜とヘルプを出せるのは多少過剰でも幸せだ
https://wellbeing-archive.pages.dev/posts/2024-12-18-1734559803/