2024.11.24

はぴテク相談室:組織行動と組織開発における ポジティブアプローチ

相談者

職場の雰囲気が最近ずっとどんよりしていて…。上司は問題点ばかり指摘するし、チームのモチベーションも上がらなくて。何か良くする方法ってあるんでしょうか?

はぴテクさん
はぴテクさん

それはしんどいですね。実は、組織をポジティブな方向に変えていこうという研究が進んでいて、その中に「ポジティブ組織行動論(POB)」という考え方があります。西川先生の2007年の論文で紹介されているんですが、まず職場の人たちの『心の強さ』に注目するんです。

相談者

心の強さ、ですか?具体的にはどういうことですか?

はぴテクさん
はぴテクさん

はい!POBでは「心の資本」という概念があって、英語の頭文字をとって『HERO』と呼ばれています。H=Hope(希望)、E=Efficacy(自分はできるという感覚)、R=Resiliency(折れないしなやかさ)、O=Optimism(楽観性)の4つです。この4つが職場の人たちの中にどれくらいあるかに着目しようという考え方ですね。

相談者

なるほど。でも、うちの職場って問題点ばかり話し合うんですよね。それって良くないんでしょうか?

はぴテクさん
はぴテクさん

問題解決自体が悪いわけではないんですが、同じ論文の中で「AI(アプレシアティブ・インクワイアリー)」という組織開発のアプローチも紹介されています。これは『すでにうまくいっていること』や『強み』に意識的に光を当てていくやり方です。問題点だけを見続けると、どうしても気持ちが沈みがちになるので、バランスが大事なんですよね。

相談者

『うまくいっていること』から始めるんですか。具体的にはどんな手順で進めるんですか?

はぴテクさん
はぴテクさん

AIには『4Dプロセス』というステップがあります。①Discover(発見)=過去や今のベストな経験・強みを掘り起こす、②Dream(夢)=理想の姿を描く、③Design(設計)=その理想に向けた仕組みをつくる、④Destiny(実現)=実際に動いていく、という流れです。まず『自分たちが一番うまくいっていたのはどんな時だったっけ?』と振り返るところから始めるイメージですね。

相談者

確かに、昔チームがすごく盛り上がっていた時期があったんです。あの頃何が良かったのか、みんなで話してみるのは面白そうですね。

はぴテクさん
はぴテクさん

それ、まさにDiscoverの第一歩ですよ!その会話の中から「あの時はこんな強みがあったよね」という気づきが生まれると、次の夢(Dream)を描きやすくなります。問題の原因探しではなく、『良かった時の条件探し』をするイメージです。

相談者

上司を巻き込むのが難しそうで…。上司って問題点を指摘するのが仕事だと思っているみたいで。

はぴテクさん
はぴテクさん

難しいところですよね。ただ、POBの考え方では、上司自身の「心の資本(HERO)」も重要だとされています。上司が希望や楽観性を持てているかどうかがチーム全体にも影響するという見方です。ただし、これは相関関係として観察されているものなので、必ずそうなるとは言い切れない点はご注意ください。

相談者

じゃあ、私一個人としてできることって何かありますか?チーム全体を変えるのは難しくても。

はぴテクさん
はぴテクさん

個人レベルでも、自分自身のHEROを育てることは意識できます。たとえば『自分は工夫すればできる』という感覚(Efficacy)を小さな成功体験で積んだり、『うまくいかなくてもまた立て直せる』という感覚(Resiliency)を意識したり。そして、チームの会話の中で『あの件、うまくいったよね』と声に出すだけでも、周りのポジティブな見方を少し引き出せる可能性があります。

相談者

自分から小さく始められるんですね。なんか少し気が楽になってきました。まず『うまくいっていたこと探し』をやってみようと思います!

はぴテクさん
はぴテクさん

素晴らしいです!問題を無視するわけではなく、強みや良い経験にも同じくらい目を向けるバランスが大切、というのがこのアプローチの核心です。小さなところから始めてみてくださいね。

■ 今日のまとめ

  • 職場の『問題点』だけでなく、すでにうまくいっていることや強みにも意識的に目を向けることが、ポジティブな組織づくりの出発点とされています。
  • 個人レベルでは『心の資本(HERO)』=希望・自己効力感・楽観性・折れないしなやかさを意識することが、ウェルビーイングに関連するとされています。
  • チームでは『一番うまくいっていた時は何が良かったか』を振り返るAIの4Dプロセス(発見→夢→設計→実現)が、組織開発の手法として紹介されています。

■ 出典・注意事項

  • 西川耕平(2007)「組織行動と組織開発におけるポジティブアプローチ」『甲南経営研究』甲南大学. https://konan-u.repo.nii.ac.jp/record/1955/files/K01823.pdf

  • 【注意事項】本研究は理論的レビュー論文であり、POBやAIの効果は実験的に因果関係が証明されたものではなく、観察・相関ベースの知見や先行研究の整理が中心です。

  • 【注意事項】組織への適用可能性は、業種・規模・文化的背景などによって異なる場合があります。すべての職場環境に同様の効果が期待できるとは限りません。

投稿者によるコメント・補足(1件)
コメント 1

研究自体の紹介はこちら😊
組織行動と組織開発における ポジティブアプローチ
https://wellbeing-archive.pages.dev/posts/2024-11-24-1732473512/

はぴテクさんのウェルビーイング相談室 なんとかなるやってみよう ポジティブ心理学介入ウェルビーイング経営・人的資本

← 検索にもどる