はぴテク相談室:自分の幸福度を高めようとするよりも、誰かの幸福度を高めようとした方が、
最近、自分をもっと幸せにしようと、好きなことをしたり、自分へのご褒美を増やしたりしているんですが、なんだかあまり変わった気がしなくて…。もっと自分を大切にしなきゃって思えば思うほど、逆に焦ってしまうんです。
それは、すごくよく分かります。「自分を幸せにしなきゃ!」って意識すればするほど、なんか空回りしてしまう感じ、ありますよね。実は、その感覚を裏付けるような面白い研究があるんです。
え、そうなんですか?どんな研究ですか?
2022年に発表された研究なんですが、「自分の幸福度を高めようとする」場合と、「誰かの幸福度を高めようとする」場合を比べたんです。5つの実験をまとめた研究で、なんと、誰かを幸せにしようとした方が、自分自身の幸福度が高まりやすかった、という結果が出たんですよ。
えっ、意外ですね!自分のことを後回しにした方が、自分が幸せになるってことですか?
少し補足しますね。自分を幸せにしようとする行動も、もちろん幸福度を高める効果はあります。ただ、比べると「誰かを幸せにしようとする」方が幸福度の高まりが大きかった、ということなんです。「後回し」というよりも、方向を少し外に向けてみると、結果的に自分にも返ってきやすい、というイメージです。
なるほど。でも、「誰かを幸せにする」って、仲のいい友達や家族じゃないと効果がなさそうな気がするんですが、そのあたりはどうでしたか?
それが面白いところで、研究では「身近な人でも、初対面の人でも、さらには対面していない相手でも、同様の効果があった」という結果が出ています。例えば、ある実験では、見知らぬ人の駐車メーターにコインを入れてあげる、というだけのことでも効果が見られたんです。相手との関係の深さはあまり関係なかったようです。
駐車メーターにコインを入れるだけで!?それはすごい。じゃあ、日常のちょっとした親切でも十分ということですか?
その実験からはそう読み取れますね。ただ、研究で特に注目されていたのは「主観的な成功感」です。つまり、相手を幸せにできたかな、という実感があると、さらに幸福度が高まりやすかったんです。
「実感」ですか。ということは、実際に相手が喜んでくれたかどうかが大事、ということでしょうか?
ここが興味深いポイントで、研究では「相手が実際に幸せになったかどうか」と自分の幸福度との間には相関がなかった、と書かれています。つまり、「ああ、喜んでもらえたかな」という自分の中の感覚の方が大事で、客観的に相手が幸せになったかどうかは関係なかったようです。
なんか、プレッシャーが減った気がします(笑)。相手に絶対に喜んでもらわないといけない、じゃなくて、自分が「できたかな」と感じられれば十分なんですね。
そうなんです。それから、研究では「関係性の欲求が満たされること」が、この効果をつなぐ仕組みとして見られていました。誰かのために何かをすることで、人とのつながりを感じられる、その感覚が幸福感に結びついている、という流れが考えられるようです。
自分を幸せにしようと頑張るより、誰かのために小さなことをした方が、人とのつながりも感じられて、自分の幸福感も高まりやすい、ということなんですね。なんか、試してみたくなってきました!
ぜひ!難しいことじゃなくていいと思います。職場でちょっとした声かけをする、家族に一言メッセージを送る、そんな小さなことから始めてみるのが自然かもしれませんね。「誰かのために」という気持ちで動いてみて、そのあと自分がどんな気持ちになるか、少し意識してみてください。
■ 今日のまとめ
- 「自分を幸せにしよう」と努力するより、「誰かを幸せにしよう」と行動した方が、自分の幸福度が高まりやすいことが、5つの実験からなる研究で示されています。
- 相手は身近な人でも、初対面の人でも、対面していない相手でも同様の効果が見られました。大きな行動でなくても構いません。
- 「相手が実際に喜んだかどうか」より、「喜ばせられたかな」という自分の中の実感の方が幸福度と結びついていました。結果より気持ちの向かい方が大切なようです。
■ 出典・注意事項
- 【出典】Layous, K., et al. (2022). Happiness comes from trying to make others feel good, rather than oneself. Journal of Positive Psychology, 17(4). https://doi.org/10.1080/17439760.2021.1897867
- 【注意事項①:相関と因果】この研究には実験的手法も含まれていますが、すべての結果が因果関係を証明するものではありません。「誰かを幸せにしようとすること」と「自分の幸福度の高まり」の間に関連が見られた、という研究です。
- 【注意事項②:対象集団の限界】参加者はアメリカ人を対象とした研究です。文化的背景が異なる集団でも同様の結果が得られるかどうかは、さらなる研究が必要です。
- 【注意事項③:自分への幸福行動も有効】研究では、自分の幸福度を高めようとする行動も幸福度を高める効果があることが示されています。「誰かのため」だけが正解ではなく、比較した場合の傾向として読む必要があります。
研究自体の紹介はこちら😊
自分の幸福度を高めようとするよりも、誰かの幸福度を高めようとした方が、
https://wellbeing-archive.pages.dev/posts/2024-11-20-1732140003/