2024.10.30

はぴテク相談室:ウェルビーイングこそが人類の北極星だ😍

相談者

最近、仕事も忙しいし、ニュースを見ればきな臭い話ばかりだし、なんか世の中が複雑すぎて「何を目指して生きればいいんだろう」って迷子になってる気がするんです。はぴテクさん、何か指針になるような考え方ってありますか?

はぴテクさん
はぴテクさん

それ、すごくリアルな悩みですね。実は東京大学未来ビジョン研究センターが2024年に発表した研究が、まさにそのモヤモヤに関係しているんです。研究では今の時代を「VUCA(ブーカ)」と表現しています。Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)の頭文字で、要するに『複雑すぎて先が読めない時代』という意味です。そういう時代だからこそ、迷子になるのは自然なことで、だからこそ北極星=方向性の基準が必要だ、という話なんです。

相談者

北極星ですか。なんか詩的な表現ですね。その研究が言う「北極星」って具体的に何なんですか?

はぴテクさん
はぴテクさん

それが「ウェルビーイング(Well-being)」なんです。日本語にすると「よく生きること・幸福」に近いですが、単なる「今ハッピー」という瞬間の感情だけじゃなく、心身の健康、人間関係、生きがい、社会とのつながりなど、総合的な「いい状態」を指します。面白いのは、この研究がもともとウェルビーイングを調べようとして始まったわけじゃないところです。

相談者

え、そうなんですか?どういうことですか?

はぴテクさん
はぴテクさん

AIを使って、日本とイギリスのSNSやネット上のライフスタイルに関する膨大な投稿や物語を2019年から2024年にかけて分析したんです。そこに出てきたトピックを4つに分類しました。すぐ消える話題(全体の82%)、特定の人たちだけで盛り上がる話題(11%)、大きな変化を起こす話題(2%)、そして時間が経っても重要であり続ける話題(5%)です。ウェルビーイングはこの最後の「長く重要であり続ける話題」に入ったんですね。

相談者

へえ!データから自然に浮かび上がってきたんですね。でも、日本とイギリスって文化が全然違いますよね?それでも同じ結果が出たんですか?

はぴテクさん
はぴテクさん

そこが研究の興味深いポイントのひとつです。文化や言語がかなり異なる両国のデータを分析しても、ウェルビーイングは共通して重要なテーマとして出てきました。また、コロナ前から重要視されていたテーマだったんですが、パンデミックを経てさらにその重要性が増したことも示されています。健康や幸せについて、多くの人が以前より深く考えるようになったということが、データからも見えてきたんです。

相談者

コロナがきっかけで「何のために生きるか」を考え直した人が増えた、ということとも重なりますね。でも「ウェルビーイングを目指しましょう」って言われても、なんか漠然としてて、具体的にどうすればいいのか分からない気もします。

はぴテクさん
はぴテクさん

正直な感想ですよね(笑)。研究では、ウェルビーイングが「北極星になれる」理由のひとつとして、『複雑なものを単純化してくれる』という点を挙げています。つまり、毎日の選択や判断に迷ったとき「これは自分のウェルビーイングにつながるか?」という問いを基準にすることで、複雑な状況を整理しやすくなる、という考え方です。全部を一度に解決しようとしなくていい。まず自分にとっての『いい状態』を意識することが入り口になります。

相談者

なるほど。「これって自分の幸福につながるか?」って問いかけてみる、ということですね。ちなみに、社会全体にとってもメリットがあると聞いたんですが、どういうことですか?

はぴテクさん
はぴテクさん

研究では、ウェルビーイングが社会レベルで関連しうるメリットとして、いくつかのことが挙げられています。たとえば、仕事の生産性や創造性との関連、医療費などの社会的コストの軽減との関連、地域のつながりの強化、困難な状況への回復力(レジリエンス)、さらには環境への配慮との関連なども示されています。ただし、これらは「関連がある」という話であって、ウェルビーイングを高めれば必ずこうなる、という因果関係が証明されたわけではない点は押さえておく必要があります。

相談者

そこは大事なところですね。「関連がある」と「原因と結果」は違う、ということですよね。でも、個人レベルでウェルビーイングを意識することと、社会全体が変わることって、どうつながるんですか?

はぴテクさん
はぴテクさん

研究ではSNSや情報の広がりにも注目しています。人々がウェルビーイングに関連した体験や選択をネット上でシェアすることで、それが他の人の態度や行動に影響を与える「触媒」になりうると述べています。個人→発信→周囲への波及、という流れが積み重なることで、社会全体の方向性にも影響しうる、という考え方ですね。また、研究は個人だけでなく、企業や政府も含めてそれぞれが役割を果たすことが重要だと提言しています。

相談者

じゃあ、私が日々「自分のウェルビーイングを大切にしよう」と意識することは、社会にも少しずつ関係してくるかもしれない、ということなんですね。なんか、個人の悩みが急に少し大きな話につながった気がして、ちょっと希望が持てました!

はぴテクさん
はぴテクさん

まさにそういうことです!「世の中複雑すぎて何を目指せばいい?」という迷子感は、実はとても今の時代らしい感覚で、その答えとしてデータからも浮かび上がってきたのがウェルビーイングという方向性でした。完璧を目指す必要はなくて、「今日、自分の心身の状態はどうかな」「これって自分にとって大切なことかな」と問いかけることを習慣にするだけでも、北極星を使った航海の第一歩になると思いますよ。

■ 今日のまとめ

  • AIで日本・イギリスのSNS等を分析したところ、ウェルビーイング(心身・人間関係・生きがいなど総合的な『いい状態』)は、時間が経っても文化が違っても重要であり続けるテーマとしてデータから浮かび上がりました。
  • 複雑で先が読めない時代(VUCA)だからこそ、ウェルビーイングを「北極星=判断の基準」にすることで、日々の選択を整理しやすくなる可能性があると研究は提言しています。
  • ウェルビーイングは生産性・社会的コスト・地域のつながりなど社会全体との関連も示されていますが、これらは相関関係であり、因果関係が証明されたわけではありません。個人・企業・政府それぞれが関わる総合的なアプローチの重要性も指摘されています。

■ 出典・注意事項

  • 出典:Christopher Beaumont, 東京大学未来ビジョン研究センター, Working Paper No.031, 'Well-being: the North Star for social development and social entrepreneurism', 2024年8月27日。https://ifi.u-tokyo.ac.jp/en/wp-content/uploads/2024/08/WP031.pdf

  • 【注意事項①】本研究はSNS等のオンライン上の物語・ナラティブを分析したものであり、オンラインで発信する人々に偏ったデータである可能性があります。対象は日本とイギリスの2カ国に限られており、他の文化・地域への一般化には限界があります。

  • 【注意事項②】研究で示されているウェルビーイングと生産性・社会的コスト・環境配慮などとの関係は、あくまで関連(相関)として述べられているものです。ウェルビーイングを高めれば必ずそれらの結果が生じる、という因果関係が証明されたわけではありません。

投稿者によるコメント・補足(1件)
コメント 1

研究自体の紹介はこちら😊
ウェルビーイングこそが人類の北極星だ😍
https://wellbeing-archive.pages.dev/posts/2024-10-30-1730326124/

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