はぴテク相談室:新成人の幸せには友情が大切
最近、なんか毎日がパッとしないんですよね。大学2年生で、勉強もそこそこ頑張ってるし、バイトもしてるんですけど、なんか満たされないというか…自分だけ幸せじゃないのかなって感じるんです。
そう感じているんですね。毎日ちゃんと頑張っているのに、何かが足りない感じ、つらいですよね。少し聞かせてください。最近、友達とはどんな感じですか?よく会ったり、話したりできていますか?
うーん、友達はいるにはいるんですけど、なんか表面的な感じで。深く話せる子が少ないというか、最近は特に会う機会も減ってきて…。
なるほど。実はそこ、すごく大事なポイントかもしれません。UCLA(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)の研究者、リサ・ウォルシュさんが2024年に発表した研究があるんですが、18歳〜24歳の独身の若者1073人を調べたところ、「友人関係への満足度」が、その人の幸福度を分ける重要な要素として浮かび上がってきたんです。
へえ、友達って、そんなに影響するんですか?恋人とか、家族とかじゃなくて?
そうなんですよ、意外ですよね。この研究では、幸福度に関係しそうな5つの要素——友人関係の満足度、家族関係の満足度、自尊心、神経症傾向(ネガティブな感情に振り回されやすいかどうか)、外向性——を使って、若者を5つのグループに分類しました。すると、一番幸福度が高いグループは「友人関係の満足度が高く、神経症傾向が低い」という特徴があって、逆に一番幸福度が低いグループは「友人関係の満足度が低く、神経症傾向が高い」という傾向が見られたんです。
じゃあ、友達と深く関われてないのが、私の「パッとしない感じ」に関係してる可能性があるってことですか?
関係している可能性は十分考えられますね。ただ一点補足しておくと、この研究は「ある時点でのデータを見た」横断的な調査なので、「友人関係の満足度が低いから不幸になる」と因果関係まで断言はできません。でも、少なくとも「友人関係に満足している人ほど、幸福度も高い傾向がある」という関連は確認されています。あなたが感じている「表面的なつながりしかない」という感覚は、幸福感と無関係ではないかもしれません。
確かに…。でも、深い友達を作るって、どうすればいいんですかね。なかなか難しくて。
それは本当にそうですよね。この研究が面白いのは、中間グループの話も教えてくれているところです。たとえばある人は「神経症傾向が高い(不安を感じやすい)」という不利な面があっても、「友人関係の満足度が高い」という強みで補って、平均よりやや高い幸福度を保っていたりするんです。つまり、何か一つが完璧じゃなくても、友人関係が充実していると、それがクッションになる可能性が示唆されているんです。
じゃあ、今いる友達との関係をもっと深めるだけでも、変わるかもしれないってことですか?
そう考えることもできますね。「新しい友達をたくさん作らなきゃ」じゃなくて、今いる人との関係の質を意識してみるのも一つのアプローチかもしれません。あと、この研究の対象は「独身の新成人(18〜24歳)」でアメリカ人のデータなので、あなたの状況にそのまま当てはまるかどうかは慎重に考える必要はありますが、この時期に友情が大切という感覚は、多くの人に共通している部分もあると思いますよ。
なんかちょっと、友達のことを後回しにしてたかもなって気づきました。勉強とかバイトを優先しすぎて。
その気づき、すごく大事だと思います。忙しいと人間関係って後回しにしがちですよね。研究では「友人関係への満足度」がポイントとされているので、時間の長さよりも「この友達といると満たされる」という感覚の質が大事なのかもしれません。ちょっとした連絡でも、久しぶりに会う約束でも、小さなところから意識してみるのもいいかもしれませんね。
ありがとうございます。友達のことをもう少し大切にしてみようと思います。なんか、方向性が見えた気がします!
■ 今日のまとめ
- 18〜24歳の若者を対象にした研究では、幸福度の高いグループの特徴として「友人関係への満足度の高さ」が重要な要素として浮かび上がりました。
- 友人関係の満足度が低いグループは幸福度も低い傾向がある一方、神経症傾向が高くても友人関係が充実している場合は、ある程度幸福度を保てる傾向も示されています。
- ただし、これは相関関係の研究(横断調査)であり、「友達が多いから幸せになれる」という因果関係が証明されたわけではなく、また対象がアメリカの独身の若者に限定されている点に注意が必要です。
■ 出典・注意事項
- Walsh, L. C. et al. (2024). Heterogeneity in happiness: A latent profile analysis of single emerging adults. PLOS ONE. https://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0310196
- 【注意事項】本研究は横断的調査(ある一時点のデータ収集)であるため、友人関係の満足度と幸福度の間に因果関係があるとは言えません。
- 【注意事項】対象は18〜24歳の独身アメリカ人(N=1,073)に限定されており、他の年齢層・文化・既婚者などへの一般化には慎重さが必要です。
- 【注意事項】潜在プロファイル分析(LPA)は統計的なグループ分けの手法であり、現実の人間が必ずこの5グループに明確に分かれるわけではありません。
研究自体の紹介はこちら😊
新成人の幸せには友情が大切
https://wellbeing-archive.pages.dev/posts/2024-10-02-1727905378/