はぴテク相談室:学習・スキルの活用・人生の意味は、孤独感による生活満足度の低下を緩和する
最近、なんか孤独感があって…。コロナの頃から在宅が増えて、人と会う機会も減ったし、毎日なんとなく満たされない感じがするんです。これってどうにかなりますか?
それは辛いですね。孤独感って、生活の満足度にじわじわ影響するんですよね。実は、リュボミアスキー先生という幸福研究の第一人者たちのチームが、まさにそのテーマを研究しているんです。コロナ禍のデータをもとにした、興味深い結果が出ているので、一緒に見ていきましょうか。
リュボミアスキー先生?どんな研究なんですか?
2020年のコロナが始まる直前と、緊急事態になった後を追いかけた研究です。約300〜400人を対象に、「人とのつながりがどう変わったか」「生活の満足度がどう変わったか」を調べました。結果として、つながりが減って孤独感が増えると、生活満足度も下がりやすいことが分かったんです。これはなんとなく想像できますよね。
やっぱり孤独だと幸せじゃなくなるんですね…。じゃあ、もう人と会うしかないってことですか?
ここが面白いところで、「でも、そうじゃない人もいた」んです。孤独感が増えても、生活満足度がそれほど下がらなかった人たちがいて、その人たちに共通していたのが3つのことでした。「何かを学んでいた」「自分のスキルを活かしていた」「人生の意味や目的を感じていた」という点です。
へえ!その3つがあると、孤独の影響が和らぐんですね。でも「人生の意味」って、なんか難しそうで…。
確かに大げさに聞こえますよね(笑)。でも「意味」って、壮大なものじゃなくてもいいんです。「自分がこれをやる理由がある」「この時間は自分にとって大切だ」と感じられること、それで十分だと思いますよ。研究の背景には、人間には「つながり」「自分で決める自律性」「能力を発揮すること」という3つの根本的な欲求がある、という考え方があるんです。
なるほど。つながりが減っても、自律性とか能力発揮でカバーできる部分があるってことですか?
そうそう、まさにその解釈です!研究チームも、「つながりが損なわれたとき、自律性や能力に関わる行動や心理的な資源が、その影響を補う可能性がある」と述べています。ただし、これはあくまで「つながりが減った人の中での話」で、相関関係として見えたデータです。「これをやれば必ず孤独感が消える」という因果関係が証明されたわけではないので、そこは正直にお伝えしておきますね。
分かりました。じゃあ具体的には、どんなことをするといいんでしょう?
研究から浮かび上がる3つのヒントで言うと、まず「学び」は何でもOKです。本を読む、オンライン講座を試す、料理の新しいレシピに挑戦するでも。次に「スキルの活用」は、自分が得意なことを何かに活かすこと。絵を描く、文章を書く、誰かに教えるなど。そして「意味・目的」は、今やっていることに「なぜ」を見つけること。小さくてもいいんです。
確かに、コロナの頃に料理を始めたとか、資格を取ったって聞いた人たちは元気そうだったな…。
それ、まさにこの研究が示していることと重なりますね。孤独な時間を「何かを学んだり、自分の力を発揮する時間」に変えていた人たちが、満足度を保ちやすかったというデータと一致しています。相談者さんも、今の生活の中に小さな「学び」や「得意なことを活かす機会」を作ることが、一つの手がかりになるかもしれませんよ。
なんか、孤独な時間も悪くないかも、って思えてきました。何か始めてみようかな。
その気持ち、すごく大事だと思います!「孤独だからダメ」ではなく、「孤独な時間に何をするか」が鍵になりそうですよね。焦らず、自分のペースで、好奇心の向く方向に動いてみてください。小さな一歩が積み重なっていくと思いますよ😊
■ 今日のまとめ
- コロナ禍の研究で、孤独感の増加は生活満足度の低下と関連していたが、「学習」「スキルの活用」「人生の意味・目的意識」が高まった人では、その影響が緩和されていた(相関関係)。
- 人間には「つながり」「自律性」「能力発揮」という根本的な欲求があり、つながりが減っても残り2つを満たすことで影響を補える可能性がある。
- 「人生の意味」は大げさなものでなくてよく、日常の学びや得意なことを活かす小さな活動が、孤独な時間の質を変えるヒントになる。
■ 出典・注意事項
- 【出典】Martinez, R. L., Regan, A., Okabe-Miyamoto, K., & Lyubomirsky, S. (2024). Only the lonely: learning, use of skills, and sense of meaning buffer the costs of reduced social connection for life satisfaction. Journal of Positive Psychology. https://doi.org/10.1080/17439760.2024.2394443
- 【注意事項①】本研究は縦断的観察研究であり、変数間の相関関係を示したものです。「学習やスキル活用が孤独感を解消する」という因果関係が証明されたわけではありません。
- 【注意事項②】対象はオンラインパネルに参加した米国の成人(約300〜400名)であり、特定の時期(2020年1〜5月)のデータです。結果を全ての人・状況に一般化するには限界があります。
- 【注意事項③】孤独感や生活満足度は自己申告によるものであり、個人の主観的な評価に基づいています。
研究自体の紹介はこちら😊
学習・スキルの活用・人生の意味は、孤独感による生活満足度の低下を緩和する
https://wellbeing-archive.pages.dev/posts/2024-09-07-1725748202/