はぴテク相談室:心理的WBと主観的WBへの影響が大きい要素ランキング
最近、なんとなく毎日がつまらないというか、「自分って幸せなのかな?」ってふと思うことが多くて。何をすれば幸せになれるのか、よくわからなくて…。
それは大事な気づきですよね。「幸せって何だろう?」って立ち止まって考えること、実はすごく意味があると思います。面白いことに、幸福研究の世界では「幸せ」には大きく2つの種類があるとされているんですよ。一つは、日々の気分がいいとか、生活に満足しているという「主観的ウェルビーイング(SWB)」、もう一つは、自分らしく成長できているとか、人生に意味を感じているという「心理的ウェルビーイング(PWB)」です。どちらが気になりますか?
うーん…毎日楽しいかどうか、というよりは、「自分の人生これでいいのかな」みたいな、もっとぼんやりした感じかも。
なるほど!それは「心理的ウェルビーイング(PWB)」の方に近い感じですね。自分が成長できているか、人生に意味や目的があるか、そういう感覚のことです。韓国の成人559人を対象にした2024年の研究があるのですが、その研究では32もの要素を調べて、どれがこの「心理的ウェルビーイング」に一番影響しているかを機械学習という手法で分析しているんです。
32個も!どんなものが入っているんですか?
たとえば、性格(外向性・誠実性など)、感謝の気持ち、やり抜く力(グリット)、楽観主義、自尊心、収入、友人の数、ボランティア活動、旅行の頻度…などなど。日常で「幸せに関係しそう」と思うものがほぼ全部入っています。で、その中で心理的ウェルビーイングへの影響が大きかったトップ3は、①「人生の意味」、②「自尊心」、③「幸福は生まれつきのもの、という考え方(これはマイナスの影響)」だったんです。
「幸福は生まれつきのもの」っていうのがマイナスの影響、というのはどういうことですか?
これは「幸福に関する本質主義的信念」と呼ばれているもので、「幸せかどうかは生まれつきの性質で決まっていて、努力しても変わらない」という考え方のことです。この信念が強いほど、心理的ウェルビーイングが低い傾向があることが分かりました。逆に言うと、「幸せは変えられるかもしれない」と思えている人の方が、心理的な幸福感が高かった、ということなんです。
それ、ちょっと思い当たるかも…「自分はもともとネガティブな性格だから仕方ない」って思ってた気がします。
その気持ち、すごくよくわかります。でも研究が示しているのは、「幸せは変えられないと思うこと」そのものが、心理的な幸福感と関連している、ということです。因果関係(どちらが原因かは断言できませんが)、その「固定した見方」を少し緩めてみること自体が、何かの変化につながる可能性はありそうですよね。あと、「人生の意味」が一番大きな予測因子だったのも注目ポイントです。
「人生の意味」かぁ…大きすぎてどこから考えればいいか分からないです。
確かに!壮大に聞こえますよね(笑)。でも研究で一緒に影響ありと出ていたものを見ると、ボランティア活動や旅行の頻度も両方のウェルビーイングと関連していたんです。大げさな「意味探し」をしなくても、誰かのために何かをしたり、新しい場所に出かけたりすることが、じわじわと関係しているかもしれない、という示唆は面白いなと思います。
ボランティアや旅行が出てくるのは意外でした。お金とか学歴はどうでしたか?
これが面白くて、世帯収入や最終学歴は、どちらのウェルビーイングへの影響も比較的小さかったんですよ。一方で、「自分が社会の中でどのあたりにいると感じるか」という主観的な地位感覚は、主観的ウェルビーイング(日々の幸福感)に影響していました。客観的な数字よりも、「自分がどう感じるか」の方が関係していたという点、面白いですよね。ただこの研究は韓国での調査なので、地位を気にする文化的な背景も影響している可能性があります。
なるほど…。じゃあ私が「人生これでいいのかな」と感じているのは、もしかしたら意味や自尊心のあたりを見直すといいのかもしれないですね。
そう感じてもらえたら嬉しいです。この研究はあくまで「関連がある」というデータなので、「これをやれば必ず幸せになる」とは言い切れません。でも、収入や学歴よりも、自分の感じ方・意味・自尊心・やり抜く力・感謝といった内側の要素の方が、ウェルビーイングとの関連が強かったというのは、日々の過ごし方を考えるうえでのヒントになりそうだと思います!
■ 今日のまとめ
- 「幸せは変えられない」という固定した考え方(本質主義的信念)は、心理的ウェルビーイングの低さと関連していた。
- 心理的ウェルビーイングには「人生の意味」と「自尊心」が特に強く関連しており、収入・学歴よりも内側の要素の方が影響が大きかった。
- ボランティアや旅行など行動面の要素も両方の幸福感と関連しており、小さな行動が積み重なる可能性が示唆されている。
■ 出典・注意事項
- 出典:Kim et al. (2024). Unraveling the Most Important Predictors of Eudaimonic and Hedonic Well-Being in Korean Adults: A Machine Learning Approach. Journal of Happiness Studies. https://link.springer.com/article/10.1007/s10902-024-00792-1
- 注意事項①【相関であって因果ではない】:この研究は予測因子の「関連の強さ」を分析したものであり、ある要素が幸福感を高める・下げるという因果関係を証明したものではありません。
- 注意事項②【対象集団の限界】:対象は韓国人成人559人に限定されており、地位意識など文化的背景の影響が含まれます。他の国・文化圏への直接的な適用には慎重さが必要です。
- 注意事項③【機械学習手法について】:LASSO(最小絶対縮小選択演算子)という手法で重要な予測因子を絞り込んでいますが、選ばれなかった要素がまったく無関係とは限りません。
研究自体の紹介はこちら😊
心理的WBと主観的WBへの影響が大きい要素ランキング
https://wellbeing-archive.pages.dev/posts/2024-08-23-1724450407/