2024.08.01

はぴテク相談室:幼少期に親以外の信頼出来る人とつながりがあると、ウェルビーイングな大人になる

相談者

最近、自分の子どもの育て方についてすごく不安で…。共働きで子どもと過ごす時間が短くて、それが子どもの将来に悪影響じゃないかってずっと気になっているんです。

はぴテクさん
はぴテクさん

それは心配になりますよね。実は、東北大学などの研究チームが面白い発見をしているんです。日本の大学生292人を対象にした研究で、子どもの頃の親との「時間の長さ」よりも、「親以外にも信頼できる人とつながりがあったかどうか」の方が、大人になってからの幸福感(主観的幸福感)と強く関連していたんです。

相談者

え、親との時間の長さじゃないんですか?それは意外です。じゃあ、親と長く一緒にいても意味がないということですか?

はぴテクさん
はぴテクさん

そういうわけではないんですよ。親の関与も大切で、特に「母親と過ごした時間の長さ」は、大人になってからの認知能力(論理的思考力など)と関連がある可能性が示されています。ただ、「幸福感」という点では、親以外の信頼できる大人とのつながり、つまり「ソーシャル・キャピタル(社会関係資本)」が重要な役割を果たしているようなんです。

相談者

「ソーシャル・キャピタル」って難しそうな言葉ですね…どういう意味ですか?

はぴテクさん
はぴテクさん

ざっくり言うと、「信頼して助け合える人とのつながり」のことです。親戚のおじさん、近所のおばさん、学校の先生、習い事のコーチなど、親以外で「この人は信頼できる」と思える大人との関係がいくつかあること、それがソーシャル・キャピタルが豊かな状態です。

相談者

なるほど!じゃあ、私が子どもと過ごす時間が短くても、おじいちゃんやおばあちゃん、先生などと良い関係を築けるようにサポートしてあげることも大事ってことですね。

はぴテクさん
はぴテクさん

まさにそういう見方もできますね!ただし、これはあくまで「関連がある」という相関の研究で、「これをすれば必ずこうなる」という因果関係が証明されたわけではないので注意してください。また、参加者が大学生で、自分の子ども時代を振り返って答えているので、記憶のズレなども影響している可能性があります。

相談者

そうなんですね。ちなみに私自身、子どもの頃は親があまりいなくて、近所に信頼できる大人もいなかった気がして…それって今の私のウェルビーイングに影響しているんでしょうか?と思うと少し落ち込んでしまいます。

はぴテクさん
はぴテクさん

気持ちはよくわかります。でもね、過去に戻ることはできないですし、子ども時代のつながりが少なかったとしても、ウェルビーイングを高める方法はたくさんあります。この研究はあくまで子ども時代の経験との「関連」を見たものですし、大人になってから新しい信頼できるつながりを築いたり、他のウェルビーイングを高める取り組みをすることには十分意味がありますよ。

相談者

それを聞いて少し楽になりました。今からでも、信頼できる人とのつながりを大切にしていけばいいんですね。

はぴテクさん
はぴテクさん

そうです!大人になってからのつながりについては、この研究の範囲外にはなりますが、今いる友人や同僚、地域の人たちとの関係を少しずつ大切にしていくことはとても自然な考え方だと思います。そして、自分のお子さんに対しては、親との時間の「質」を意識しつつ、いろんな大人と関わる機会も作ってあげるというアプローチが、この研究の発見とも合っていますね。

相談者

子どもに親以外の信頼できる大人との接点を作ってあげるって、具体的にどんなイメージですか?

はぴテクさん
はぴテクさん

研究では特定の方法を示しているわけではないのですが、研究が示した「信頼できる親以外の大人とのつながり」のイメージとしては、たとえば祖父母や親戚との交流、地域の行事への参加、習い事や部活動での指導者との関係など、子どもが「この大人は安心できる」と感じられる関係が自然に生まれる場、といったものが考えられますね。大事なのは「数」より「信頼の質」かもしれません。

■ 今日のまとめ

  • 幼少期に親以外の信頼できる大人とのつながり(ソーシャル・キャピタル)が豊かだった人ほど、成人後の主観的幸福感が高いという関連が示されました。
  • 親との時間については、特に母親と過ごした時間の長さが成人後の認知能力と関連している可能性が示されており、親との時間の「量」と「質」の両面が異なる側面に関わっているようです。
  • 過去の経験は変えられませんが、この研究はあくまで相関の発見です。子育て中の方は、お子さんが多様な信頼できる大人と関わる機会を意識することが、この研究の知見と合致するアプローチの一つと言えます。

■ 出典・注意事項

  • 【論文】Hosoda et al. (2024). The Importance of Childhood Social Capitals in The Future WellBeing of Children. Frontiers in Psychology. https://doi.org/10.3389/fpsyg.2024.1389269

  • 【日本語紹介記事】子供時代のソーシャルキャピタルが成人期のウェルビーイングの鍵、日本の研究.com、2024年8月1日 https://research-er.jp/articles/view/136058

  • 【注意①・相関と因果】この研究は相関関係を示したものであり、「親以外のつながりがあったから幸福になった」という因果関係が証明されたわけではありません。

  • 【注意②・対象集団の限界】参加者は日本の大学生292人に限られており、大学に進学した集団という偏りがあります。また、子ども時代の経験を成人後に振り返る「回顧的報告」のため、記憶の誤りや主観的なゆがみが結果に影響している可能性があります。

  • 【注意③・一般化の限界】日本国内の特定コホートを対象とした研究であり、結果を他の文化圏や集団にそのまま当てはめることには慎重さが必要です。

投稿者によるコメント・補足(1件)
コメント 1

研究自体の紹介はこちら😊
幼少期に親以外の信頼出来る人とつながりがあると、ウェルビーイングな大人になる
https://wellbeing-archive.pages.dev/posts/2024-08-01-1722549606/

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