はぴテク相談室:短期の幸せと長期の幸せ
はぴテクさん、聞いてください。最近、ダイエットを頑張ろうと決めたんですけど、全然続かなくて…。甘いものを我慢すると、もう頭の中がお菓子のことでいっぱいになって、結局食べちゃうんです。意志が弱いのかな、って落ち込んでいます。
それは辛いですね。でも、意志が弱いわけじゃないですよ!実はその「我慢したら余計に食べてしまう」という現象、2024年に発表された研究でちゃんと仕組みが明らかになっているんです。
えっ、そうなんですか?どういう仕組みなんでしょう?
125人の方を6週間追いかけた調査なんですが、「欲求を我慢しようとするとネガティブな気分が増える」ことが分かったんです。そしてネガティブな気分になると、人は無意識に「気分を良くしたい」という気持ちが強くなって、結果的に我慢が崩れやすくなる、という流れが見られました。
つまり、我慢すること自体がモヤモヤを生んで、そのモヤモヤが爆発する原因になるってことですか?
まさにそのイメージです!研究では「短期的に気分を良くしたい気持ち(感情調整)」と「長期目標のために我慢する力(自制心)」が時々ぶつかり合う、と表現しています。完全に我慢しようとすると、気分が悪くなる→気分を回復しようとする→我慢が崩れる、というサイクルに入りやすいんです。
じゃあ、もう我慢するのは無理ってことですか?ダイエットをあきらめるしかない…?
いいえ!研究が提案しているのは「我慢ゼロ」でも「完全我慢」でもなく、バランスをとることなんです。たとえば、週に1回だけ小さなお菓子を自分に許してみる。「完全禁止」をやめるだけで、ネガティブな気分が溜まりにくくなって、結果的に長続きしやすくなる、という考え方です。
週1回だけOKにする、か。なんかそれだけで少し気が楽になりますね。他にも工夫ってありますか?
ありますよ!研究で挙げられているコツをいくつか紹介しますね。たとえば、「楽しみながら目標を達成する」という方法。ジムが苦手なら、友達とダンスするとか、好きな音楽をかけながら散歩するとか。目標に向かいながら、同時に楽しさも確保するイメージです。
なるほど!我慢一辺倒じゃなくて、楽しさをセットにするってことですね。でも、それって甘くないですか?もっとストイックにやらないと結果が出ないのかな、って思っちゃって。
気持ちは分かります!でも研究が示しているのは、短期的に少し幸せを感じることが、長期的な目標へ向かうエネルギーを保つのに関係しているという点です。「今を全部犠牲にして頑張る」より、「今も少し大切にしながら頑張る」方が続きやすい、ということですね。ただ、これはあくまで研究から見えた傾向なので、人によって合う方法は違うと思います。
「今も大切にしながら」か。あと、計画を立てるのが苦手で、気づいたらお菓子を買ってしまっているんですよね…。
それには「前もって環境を整える」方法が使えますよ。たとえば、お腹が空いた状態でスーパーに行かない、とか、家にお菓子をストックしない、とか。誘惑が目の前にある状況を事前に減らしておくことで、その場の意志力に頼らなくて済むようになります。
確かに!お腹が空いているときにスーパー行くと絶対買いすぎますよね(笑)。あと、完璧にできない日があると「もうどうせだめだ」ってなってやめちゃうことも多くて…。
それはすごくよくあるパターンです。研究では「柔軟に考える」ことも大切だと言っています。100%できなくても80%できたら十分すごい、という視点です。完璧を求めすぎると、少し崩れただけで全部やめてしまいがちなので、「今日はちょっとゆるめでOK」と自分に許可を出すことも、長続きするための一つの考え方ですよ。
はぴテクさんと話して、「意志が弱いからダメ」じゃなくて、仕組みの問題だったんだって気づきました。少しずつ試してみます!
■ 今日のまとめ
- 「我慢するとネガティブな気分が増え、その気分を回復しようとして我慢が崩れやすくなる」という流れが研究で観察されています。意志の問題だけではありません。
- 短期の楽しさ(今の気分)と長期の目標(将来の我慢)はぶつかり合うことがありますが、どちらかを完全に捨てるのではなく、バランスをとることが大切です。
- 「楽しみながら目標を達成する」「小さな楽しみを許可する」「環境を前もって整える」「80点でOKと考える」など、両方を両立させる工夫が有効と研究では紹介されています。
■ 出典・注意事項
- Grund, A. et al. (2024). Emotion regulation and self-control: Same same but different... and even incompatible? Journal of Personality. Published online 2024/7/26. https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1111/jopy.12965
- 【注意事項】この研究は125人を6週間追跡した調査に基づく分析結果であり、特定の集団・文化における観察データです。
- 【注意事項】研究で示されているのは変数間の関連(相関)であり、「我慢すると必ず我慢が崩れる」という因果関係を直接示すものではありません。
- 【注意事項】バランスのとり方の6つのコツは研究者が提案する実践的示唆であり、全員に同じ効果が保証されるものではありません。自分に合った方法を少しずつ試すことが大切です。
研究自体の紹介はこちら😊
短期の幸せと長期の幸せ
https://wellbeing-archive.pages.dev/posts/2024-07-31-1722450029/