2024.06.28

はぴテク相談室:マキシマイザーも集団主義文化だと幸せだ

相談者

はぴテクさん、ちょっと聞いてもらえますか?私って何をするにも「もっといい選択肢があるんじゃないか」って考え続けてしまって。レストランのメニューを選ぶのも、転職先を探すのも、ずっと悩んじゃうんです。こういう性格って、やっぱり幸せになりにくいんでしょうか…。

はぴテクさん
はぴテクさん

それは悩みますよね。実は、そういう「常に最高を追い求める」タイプのことを、研究では「マキシマイザー」と呼んでいます。一方で「これくらいで十分!」とほどほどで満足できるタイプは「サティスファイザー」と言います。行動経済学者のバリー・シュワルツさんらが提唱した考え方で、選択肢が多い現代では、マキシマイザーの方が幸福度が低くなりやすいという話は確かにあるんです。

相談者

やっぱりそうなんですね…。私みたいなタイプはずっと損するんでしょうか?

はぴテクさん
はぴテクさん

実はそうでもない、という面白い研究が出てきているんです!韓国の30代〜40代の未婚の成人を対象にした2024年の研究なんですが、恋愛やキャリアにおいてマキシマイザー的に「より良い選択肢を探す」姿勢が、人生満足度の向上につながったという結果が出たんですよ。

相談者

え、意外!なんでそういう結果になったんでしょう?

はぴテクさん
はぴテクさん

ポイントはその「経路」にあります。最大化戦略をとる人は、「人生の意味を探索する」という行動が促されやすくて、その意味探索が「人生に意味を感じている感覚(意味の存在感)」を高め、それが満足度につながっていた、という流れが見えてきたんです。特にキャリアでこの傾向が強かったみたいで。確かに、仕事や恋愛を真剣に考えると、自分が何を大切にしているかを深く考えるきっかけになりますよね。

相談者

なるほど、「最高を追い求める」→「人生の意味を考える」→「満足感が上がる」という感じですね。でも、それって誰にでも当てはまるんですか?

はぴテクさん
はぴテクさん

ここが重要なポイントで、この研究は韓国という「集団主義的な文化」の中での結果なんです。集団主義の文化では、「人生の意味を探索すること」が幸せにつながりやすいという別の研究(Li, Dou & Liang, 2021)もあって。一方、欧米のような個人主義文化では、意味を熱心に追い求めることが、むしろ幸福感に影響しない、場合によっては不幸につながることもあると言われています。

相談者

文化によってそんなに違うんですね!それはなぜなんでしょう?

はぴテクさん
はぴテクさん

研究から直接的な理由は断言できないのですが、一つの見方として、個人主義文化では人が意味を「追いすぎる」傾向があるので、追わない方がバランスが取れる。集団主義文化では逆に追う意識が薄めなので、追ったほうが幸せにつながる、という「ちょうどいいバランス」の話かもしれません。ただ、これはあくまで研究から読み取れる傾向で、個人差も大きいですよ。

相談者

じゃあ、私は日本に住んでいるんですが、この研究って参考にしていいんでしょうか?

はぴテクさん
はぴテクさん

良い視点ですね!この研究は韓国の30〜40代の未婚の成人を対象にしたもので、日本や他の文化・年齢層にそのまま当てはまるかどうかは、正直まだわかりません。日本も集団主義的な側面はありますが、韓国と完全に同じではないですしね。あくまで「こういう可能性もあるんだな」という参考情報として受け取ってもらえると良いと思います。

相談者

なるほど。でも、マキシマイザーな自分を少し肯定できた気がします。ただ、やっぱりずっと悩み続けるのも疲れるんですよね…。何かバランスの取り方ってありますか?

はぴテクさん
はぴテクさん

研究者の知見を踏まえると、「マキシマイザー過ぎず、サティスファイザー過ぎず」のバランスが鍵になりそうです。一つの実践的なアイデアとして、「期限付きマキシマイザー作戦」があります。たとえば、転職先を探すなら「2週間は徹底的に調べてベストを追求する。期限が来たらその時点での最善を選んで、その選択を大切にする」という感じです。追い求める時間を決めてしまうことで、探索の良さを活かしつつ、悩み続けるしんどさを減らせる可能性がありますよ。

相談者

それいいですね!キャリアや恋愛みたいな大事なことは真剣に考えて、細かいことはほどほどにする、みたいなメリハリも大事そうですね。

はぴテクさん
はぴテクさん

まさにそうだと思います!この研究でも特にキャリアと恋愛という「人生の方向性に関わる領域」でマキシマイザー的な探索が意味感につながっていました。レストランのメニューみたいな小さな選択では、悩みすぎてもあまり意味はないかもしれませんよね。大切なテーマには真剣に向き合って、そこから自分が何を大事にしているかを考えるきっかけにする。それがこの研究から読み取れる一つのヒントかなと思います。

■ 今日のまとめ

  • 「最高を追い求めるマキシマイザー」は必ずしも不幸ではなく、韓国の研究では恋愛・キャリアでの最大化志向が「人生の意味の探索→意味の実感→満足度向上」という経路で幸せにつながる可能性が示された
  • ただしこの結果は集団主義文化(韓国の30〜40代未婚成人)での知見であり、個人主義文化や他の年齢・状況にそのまま当てはまるとは限らない
  • 「マキシマイザー過ぎず、サティスファイザー過ぎず」のバランスが鍵。大切なテーマは期限を決めて真剣に探索し、期限が来たら最善の選択を受け入れる「期限付きマキシマイザー作戦」が一つの参考になる

■ 出典・注意事項

  • 主要研究: Maximization strategies in relationship and career enhances life satisfaction through meaning making among established adults in South Korea. BMC Psychology, 2024/4/17. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC11025140/

  • 参照研究: Li, J.-B., Dou, K., & Liang, Y. (2021). 人生の意味の探索・実感と幸福感の文化差に関する研究

  • 【注意事項】本研究は韓国の30〜40代未婚成人を対象とした調査であり、結果が他の文化圏・年齢層・状況に一般化できるかは不明です

  • 【注意事項】研究で示されているのは変数間の関連(相関)であり、最大化戦略が直接的に幸福を引き起こす因果関係が証明されたわけではありません

  • 【注意事項】マキシマイザー・サティスファイザーは連続的な概念であり、個人によって表れ方は異なります

投稿者によるコメント・補足(1件)
コメント 1

研究自体の紹介はこちら😊
マキシマイザーも集団主義文化だと幸せだ
https://wellbeing-archive.pages.dev/posts/2024-06-28-1719615083/

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