2024.05.08

はぴテク相談室:感謝や楽観性や熱意や根気の単体よりも、その総合点の方が幸せに効く

相談者

最近、子どもの教育に力を入れているんですが、子どもに「幸せになってほしい」と思うとき、何か一つ大事なことに集中した方がいいのか、いろいろバランスよくやった方がいいのか、迷っています。「感謝の気持ちを持たせることが大事」とか「ポジティブに考えさせよう」とか、いろいろ言われていて、どれを優先すればいいのか分からなくて…

はぴテクさん
はぴテクさん

それは悩みますよね。実は、その「どれを優先するか」という問いへのヒントになる研究が出ているんです。香港の小学4〜6年生、1,107名を対象にした調査なんですが、興味深い結果が出ていて。感謝・楽観性・熱意・根気、それぞれ単体よりも、この4つを合わせた「総合点」の方が、子どもの幸せにより強く関わっていたんです。

相談者

へえ、全部まとめた方が大事なんですね。それぞれ個別に伸ばすより、4つそろえた方がいいということ?

はぴテクさん
はぴテクさん

そうなんです。研究では、この4つを合わせたものを「共活性(コヴィタリティ)」と呼んでいます。たとえるなら、国語・算数・理科・社会の総合点みたいなイメージです。一教科だけ突出して高くても、総合点には限界がありますよね。幸せについても同じで、感謝だけ、楽観性だけを鍛えるより、4つをバランスよく育てた方が、子どもの幸福感に関わりやすいということが示唆されています。

相談者

なるほど、分かりやすい!でも4つ同時に育てるって、具体的にどういうことですか?それぞれどんな意味ですか?

はぴテクさん
はぴテクさん

よい質問ですね。整理すると、「感謝」は「ありがとう」と感じる気持ち、「楽観性」は「なんとかなる」と前向きに見通せる感覚、「熱意」は「やってみよう!」という意欲、「根気」は「最後までがんばろう」という粘り強さです。この4つはどれも、学校生活や日常の中で経験を通じて育まれるものとして研究では扱われています。

相談者

確かに、どれも大事そう。でもこれって、幸せになるという「結果」だけじゃなくて、他にもいい影響があるんでしょうか?

はぴテクさん
はぴテクさん

はい、研究ではさらに面白いことも示されていました。共活性が高い子どもは、「レジリエンス(立ち直る力)」が高まりやすく、「向社会的行動(人のために動く気持ち)」も増えやすい傾向があったんです。そしてその2つが、さらに幸福感を高めることに関わっていた、という道筋が見えてきました。つまり、共活性→レジリエンス・向社会的行動→幸せ、という流れです。

相談者

なるほど、友だちに優しくできたり、失敗してもへこたれなかったりすることが幸せに繋がるんですね。子どもを見ていて確かにそう感じます。でもこれって、特別なプログラムが必要なんですか?

はぴテクさん
はぴテクさん

研究では学校ベースの取り組みが有用と述べられていますが、家庭でもできることはたくさんあると思いますよ。たとえば、今日「ありがとうと思った瞬間」を夜に話し合ったり(感謝)、失敗しても「次はどうしようか」と一緒に考えたり(楽観性・根気)、子どもがやりたいことに一緒に取り組んだり(熱意)。どれか一つだけを意識するのではなく、日々の生活の中でバランスよく触れていくことが、研究の方向性と重なりますね。

相談者

一つに絞らなくていいんだ、と思うと少し気楽になりました。ところでこれって、子どもだけに当てはまる話ですか?大人の自分にも使えますか?

はぴテクさん
はぴテクさん

今回の研究は香港の小学生を対象にしたものなので、大人にそのままあてはめられるかは慎重に見る必要があります。ただ、日本でも「幸せの4因子(ありがとう・なんとかなる・ありのまま・やってみよう)」という研究があって、4つのバランスがとれている人が主観的幸福度と関わりやすいという傾向が示されています。大人でも「バランスよく」という視点は参考になるかもしれませんね。

相談者

日本にも似た研究があるんですね。じゃあ子どもにも自分にも、総合的に育てていく意識を持てばよさそうですね。まとめると、どういうことになりますか?

はぴテクさん
はぴテクさん

はい、整理しますね。一つ目は、感謝・楽観性・熱意・根気という4つのポジティブな特性は、どれか一つだけより、合わせた「総合点(共活性)」の方が子どもの幸福感に関わりやすいということ。二つ目は、共活性が高いと、レジリエンス(立ち直る力)や向社会的行動(人を助ける気持ち)とも関わりやすく、それがさらに幸せに繋がる可能性があること。三つ目は、一つのことに絞るより、日常生活の中でバランスよく4つに触れる機会を作っていく、という意識が研究の示唆と合っているということです。

■ 今日のまとめ

  • 感謝・楽観性・熱意・根気の4つを合わせた「共活性(総合点)」は、それぞれ単体よりも子どもの幸福感に強く関わっていた(香港の小学生対象の研究)
  • 共活性が高いと、レジリエンス(立ち直る力)や向社会的行動(人を助ける気持ち)とも関わりやすく、それらがさらに幸福感に繋がる可能性が示された
  • 一つだけ伸ばすより、4つをバランスよく育てる意識が、子どもの幸せへの取り組みとして有用と考えられる

■ 出典・注意事項

  • 【出典】Chan, K.W. et al. (2024). 'The Sum Is Greater Than the Parts?—The Role of Student Covitality in Flourishing.' Journal of Happiness Studies. Published: 2024/5/6. https://link.springer.com/article/10.1007/s10902-024-00759-2

  • 【参考】主観的well-beingとその心理的要因の関係(日本の研究)https://www.jstage.jst.go.jp/article/pacjpa/76/0/76_1PMB06/_article/-char/ja/

  • 【注意①:対象集団の限界】本研究は香港の小学4〜6年生1,107名を対象としたものであり、日本の子どもや大人への一般化には慎重さが必要です

  • 【注意②:相関と因果】構造方程式モデリングによる横断的調査であり、共活性が幸福感を「引き起こす」と断言できるものではなく、関連性・関わりの強さを示したものです

  • 【注意③:研究の範囲】学校生活に根ざした4特性を扱っており、幸福感に関わるすべての要因を網羅しているわけではありません

投稿者によるコメント・補足(1件)
コメント 1

研究自体の紹介はこちら😊
感謝や楽観性や熱意や根気の単体よりも、その総合点の方が幸せに効く
https://wellbeing-archive.pages.dev/posts/2024-05-08-1715207719/

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