2024.04.29

はぴテク相談室:GRITが高い人は、どう目標を設定するべきか?

相談者

最近、仕事でもプライベートでも「やり抜く力」が大事って聞くんですけど、私って結構しつこいタイプで…。それって良いことなんですかね?なんか、やめどきが分からなくなることもあって。

はぴテクさん
はぴテクさん

それ、すごく大事なところに気づいてますよ!「やり抜く力」って英語でGRIT(グリット)と呼ばれていて、研究でも高いパフォーマンスや幸福感と関連があることが分かっています。でも今おっしゃった「やめどきが分からない」という感覚、実はGRITが高い人に特有の課題として研究者たちも注目しているんです。

相談者

え、そうなんですか?やり抜く力が高いのって、良いことだと思ってました。

はぴテクさん
はぴテクさん

もちろん良い面はたくさんあります。筑波大学などのグループによる2024年の研究でも、GRITの高い人は困難な目標でも粘り強く取り組むことが確認されています。ただ同時に、「解けない問題にもずっと頑張り続けてしまう」という側面も見えてきました。もっと楽で効率的なルートがあるのに、今の道をやり抜こうとしてしまう、という感じです。

相談者

あ〜、それ心当たりあります。なんか途中でやめると負けた気がして。でも結果的に時間だけ使ってしまうことも多くて…。

はぴテクさん
はぴテクさん

その感覚、研究でもきちんと確認されているんです。この研究では、解けない問題と解ける問題を混ぜたテストをした時に、GRITが高い人は「時間制限がない条件」だと解けない問題にもずっと粘り続ける傾向が見られました。でも面白いのはここからで、「時間制限がある条件」では、解けない問題をうまく飛ばして次に進めたんです。

相談者

時間制限があると変わるんですね!それはなぜですか?

はぴテクさん
はぴテクさん

詳しいメカニズムはまだ研究中ですが、時間という「外側の枠」があることで、今の問題に固執し続けることのコストが見えやすくなって、より柔軟に動けるようになるのではないかと考えられています。つまり、GRITが高い人は「やり抜く力」と「状況に応じた柔軟さ」を両方持てる可能性があって、そのスイッチになるのが時間制限みたいなんです。

相談者

じゃあ、自分でも意識的に時間を区切ればいいってことですか?

はぴテクさん
はぴテクさん

研究の知見からそう考えることができますね。たとえば「このタスクは1時間で終わらせる」という短期の区切りでもいいですし、「3年間でこの目標を達成する」という長めの枠でもいい。その枠があることで、行き詰まったときに『今の道を変える』という判断がしやすくなる可能性があります。

相談者

なるほど。でも、時間を決めるだけで本当に変わるものなんですかね?

はぴテクさん
はぴテクさん

もちろん時間設定は一つのヒントであって、それだけで全て解決というわけではないです。研究者たちも「GRITの高い人の目標調整については今後さらに研究が必要」と述べています。ただもう一つ重要なのが、そもそも「その目標、本当に自分がやりたいことか?」を定期的に見直すことです。GRITが高いと、本当はやりたくないことでも諦めずにやり続けてしまうリスクがあるとも指摘されていて。

相談者

うっ、それも心当たりがあります…。なんとなく始めたことをずっと続けてたりします。

はぴテクさん
はぴテクさん

GRITが高い人ほど、「目標そのものが自分にとって意味があるか」を立ち止まって考える時間がより大切になってくると思います。研究でも、達成不可能だったり自分に合わない目標へのコミットメントは、幸福感にマイナスの影響が出ることも示されています。やり抜く力は、方向性が合っていてこそ活きるものなんですよね。

相談者

やり抜く力があるからこそ、目標選びが大事ってことですね。なんか、がむしゃらにやるだけじゃなくて、立ち止まる時間も作らないといけないんだな、と思いました。

はぴテクさん
はぴテクさん

まさにそうです!GRITの研究が教えてくれるのは、「頑張り続ける力」と「上手に方向転換する力」は対立するものじゃないということ。時間の枠を設けたり、定期的に「この目標、今の自分に合ってる?」と問い直したりすることが、GRITを健全に活かすコツになりそうですね。

■ 今日のまとめ

  • GRITが高い人は時間制限がない状況では解けない問題にも粘り続ける傾向があるが、時間制限があると柔軟に切り替えられることが実験で確認された
  • 短期・長期問わず「時間の枠」を意識的に設けることで、行き詰まった際に方向転換しやすくなる可能性がある
  • GRITが高いほど本来やりたくない目標もやり抜いてしまうリスクがあるため、定期的に目標の意味や方向性を見直す時間が重要

■ 出典・注意事項

  • 出典:Toyama et al. (2024) 'Is grit persistence adaptive? Goal pursuit behavior when faced with a difficult goal', Personality and Individual Differences, 2024年4月. https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0191886924000709

  • 注意事項①:研究1は大学生310名、研究2は成人720名を対象としており、結果がすべての年齢・文化・職業に当てはまるとは限りません

  • 注意事項②:GRITと目標追求行動の関連は相関として確認されたものであり、GRITが高いから必ずそうなる・時間制限を設けたら必ず改善するという因果関係が証明されたわけではありません

  • 注意事項③:今後の研究として「GRITの高い人の目標調整メカニズム」はまだ解明途上であると論文内でも明記されています

投稿者によるコメント・補足(1件)
コメント 1

研究自体の紹介はこちら😊
GRITが高い人は、どう目標を設定するべきか?
https://wellbeing-archive.pages.dev/posts/2024-04-29-1714428008/

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