2024.04.22

はぴテク相談室:高齢者リハビリにおけるフロー理論の適用

相談者

最近、毎日の生活がなんとなくつまらなくて…。何をしてもやりがいを感じられないんです。もっと生きがいを感じたいんですけど、どうすればいいでしょうか?

はぴテクさん
はぴテクさん

それは辛いですね。「やりがいが感じられない」という気持ち、もう少し教えてもらえますか?たとえば、今やっていることが簡単すぎてつまらない感じですか?それとも難しすぎて手が出ない感じですか?

相談者

う〜ん…どちらかというと、毎日同じことの繰り返しで、簡単すぎてつまらない感じかな。仕事でも家事でも「もうわかってる、できる」みたいな感じで、ワクワクしないんです。

はぴテクさん
はぴテクさん

なるほど!それ、実はすごく重要なヒントです。「フロー理論」って聞いたことありますか?人が何かに夢中になって時間を忘れてしまうような状態、あれを「フロー状態」と言うんですけど、そこに入るには「自分の能力とやることの難しさがちょうど良いバランス」であることが大事だと言われています。簡単すぎると退屈になるし、難しすぎると不安になる。

相談者

あー、確かに!ゲームでも簡単すぎるとすぐ飽きるし、難しすぎると嫌になりますよね。でも、実際の生活でそのバランスを取るって難しくないですか?

はぴテクさん
はぴテクさん

実は、それがとても鋭い指摘で!2024年に発表された作業療法の研究でも、まさにそこが課題として浮かび上がっています。高齢者の訪問リハビリでフロー理論を活用して、日常生活の中で「挑戦と能力のバランス」を調整したら生きがいやQOLが上がるか、という実験をしたんですね。

相談者

それで、効果はあったんですか?

はぴテクさん
はぴテクさん

結果は「有意差なし」、つまり明確な効果は確認できなかったんです。その理由として研究者が挙げていたのが、在宅という実際の生活の場では、難易度をちょうど良く調整するのがそもそも難しかった、ということでした。実験室や施設と違って、生活の中のことは制御しにくいですよね。

相談者

なるほど〜。じゃあフロー理論って使えないってことですか?

はぴテクさん
はぴテクさん

いえいえ、そうじゃないんです!この研究は「難易度の調整方法」が鍵だということを教えてくれています。簡単すぎるときは「時間を測って毎回新記録に挑む」とか「品質にこだわりを持つ」という工夫で難易度を上げることができます。たとえば誰でもできるコピー取りでも、「前回より10秒早くやる!」と決めたら、もはや脳内でマリオカートになります(笑)

相談者

(笑)それは確かに燃えそう!じゃあ逆に難しすぎるときはどうするんですか?

はぴテクさん
はぴテクさん

難しすぎるときは2つのアプローチがあります。一つは「周りのサポートを借りて難易度を下げる」こと。もう一つは「挑戦を小さく分割する」こと。たとえば「人生を豊かにしたい」という大きな目標だけ持っていても、どこから手をつけていいかわからないですよね。でも「今週は毎朝5分だけ好きな音楽を聴く」に分割すれば、適度な難易度になります。夢を小さな目標に落とし込む、という感覚に近いですね。

相談者

確かに!大きな目標だけだと動けないけど、小さく砕くと「これならできそう」って思えますよね。あと、さっきの研究で高齢者への効果が出にくかったのは、やっぱり年齢も関係あるんですかね?

はぴテクさん
はぴテクさん

それも面白い視点で、研究のコメントにもあったんですが、高齢になると「フロー(自分が何かに熱中すること)」よりも「誰かの役に立つ」とか「つながりを感じる」ことの方が生きがいに結びつきやすい面もあるのかもしれない、という示唆もあります。ただこれはまだ研究段階の話なので、あくまで一つの視点として、ですね。

相談者

なるほど〜。じゃあ私の場合、まず日常のことを「ちょっと難しいくらい」に調整してみるのが良さそうですね!具体的に何かやってみようかな。

はぴテクさん
はぴテクさん

いいですね!まず「今の自分にとって簡単すぎること」を一つ選んで、時間を測るかこだわりを持つか、どちらかを試してみてください。小さな工夫でワクワク感はけっこう変わりますよ。あと、もし「難しすぎてできない」と感じることがあれば、それを3つくらいに分割してみる。この2つを意識するだけで、毎日の感じ方が変わってくる可能性があります!

■ 今日のまとめ

  • 「フロー状態」に入るには、自分の能力とやることの難しさのバランスが大事。簡単すぎると退屈、難しすぎると不安になる。
  • 簡単すぎる取り組みは「時間を測る・品質にこだわる」で難易度アップ。難しすぎる取り組みは「サポートを借りる・小さく分割する」で難易度ダウンが有効。
  • 2024年の作業療法研究では、在宅でのフロー理論活用は難易度調整の難しさから生きがいへの有意な効果は確認されなかった。日常への応用では「調整のしやすさ」がポイントになる。

■ 出典・注意事項

  • 出典:「訪問リハビリテーションにおける挑戦─能力バランス調整プロセスを用いた作業療法が高齢者の生きがい感へ与える効果」作業療法、2024年4月、43巻2号、176頁。https://www.jstage.jst.go.jp/article/jotr/43/2/43_176/_pdf

  • 注意事項①:本研究はクロスオーバー試験で対象者10名と少数であり、結果の一般化には限界があります。

  • 注意事項②:研究結果は「効果がなかった」という知見であり、フロー理論そのものを否定するものではありません。調整方法の難しさが課題として示唆されたものです。

  • 注意事項③:「高齢になると利他やつながりが効きやすい」という示唆は研究のコメントレベルの内容であり、因果関係が証明されたものではありません。

投稿者によるコメント・補足(1件)
コメント 1

研究自体の紹介はこちら😊
高齢者リハビリにおけるフロー理論の適用
https://wellbeing-archive.pages.dev/posts/2024-04-22-1713823599/

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