はぴテク相談室:SNSとウェルビーイング、日本の研究
最近、インスタとかXをよく見てるんですが、なんか見るたびに気分が落ちる気がして…。SNSって幸福度に悪いんでしょうか?やめた方がいいですか?
そう感じることがあるんですね。実は日本でも、15〜29歳の若者を対象にSNSとウェルビーイングの関係を調べた研究が発表されています。結論から言うと、「SNSを使う時間が長い=幸福度が下がる」とは必ずしも言えなかったんです。もう少し詳しく聞いてみますか?
え、そうなんですか?でも「SNSは幸福度を下げる」ってよく聞きますよね?
確かに海外の研究ではそういう結果も多いんですよね。「ソーシャルメディア・パラドクス」って呼ばれていて、SNSが精神的な健康を損なうという話です。でも今回の日本の研究では、SNSの利用時間と抑うつに明確な関係は見られませんでした。その代わり、面白いことがわかったんです。
面白いこと、ですか?どんなことですか?
SNSを使う時間が長い人ほど、SNS上でのサポート……つまり「友達に気にかけてもらえた」「誰かに助けてもらえた」という感覚が高まる傾向がありました。そしてそのサポート感が高いほど、幸福度が高く、抑うつが低い傾向があったんです。SNS利用→ソーシャルサポート→幸福度アップ、という流れですね。
なるほど。でも私がモヤモヤするのは、インスタとかXで他の人の投稿を見て「いいなぁ」って比べてしまうことが多いからかもしれません…。
それ、すごく重要なポイントです!この研究では「社会的比較」、つまり「他の人と自分を比べやすいかどうか」によって、SNSの影響が変わってくることも示されていました。比べやすい人と比べにくい人で、結果が違ったんです。
どう違ったんですか?
他の人と比べやすい傾向がある人の場合、X(Twitter)では幸福度が下がる傾向があった一方、インスタは幸福度が上がる傾向がみられました。逆に比べにくい人は、SNS全般で幸福度が上がる傾向があったんです。
インスタの方が比較しそうなのに、むしろ幸福度が上がるんですか?なんでだろう。
研究でも「なぜだろう?」という部分は明確にはわかっていないんですが、一つの見方としては、インスタはアルゴリズムや自分のフォロー選択によって「見たいもの」を絞りやすく、比べたくない人は穏やかなコンテンツを選んで見ているのかもしれません。一方、Xは議論や比較が起きやすい構造で、意図せず比較の場に巻き込まれやすいのかも。ただ、これはあくまで推測の域を出ないので、ご参考程度に。
じゃあ私みたいに比べやすいタイプは、Xよりインスタの方がいいってことですか?
この研究の結果だけを見るとそういう傾向はありましたね。ただ、これは相関の話なので「インスタを使えば必ず幸福度が上がる」と断言はできません。それよりも大事なのは、SNSを「誰かとつながる・サポートし合う」ツールとして使えているかどうか、みたいですよ。
なるほど。「見るだけ」より「やりとりする」使い方の方がいいってことですね。
そうですね!LINEやDMのように直接やりとりできる機能を通じてサポート感を得ることが、幸福度や抑うつの改善と関連していた、というのがこの研究の大きなポイントです。「見て比べる」より「話しかけてみる・反応し合う」使い方が、自分のウェルビーイングに合っているかもしれませんね。
■ 今日のまとめ
- SNSの利用時間が長い=幸福度が下がるとは限らず、SNSを通じてサポートし合う体験が幸福度と関連していた
- 他人と比べやすいタイプはXで幸福度が下がる傾向、インスタでは上がる傾向がみられた(比べにくいタイプはSNS全般でポジティブな傾向)
- 「見るだけ」より「やりとりしてサポートし合う」SNSの使い方が、精神的健康と関連している可能性がある
■ 出典・注意事項
- 出典:東京都市大学横浜キャンパス情報メディアジャーナル(2024年4月17日)「若者のソーシャルメディア利用と精神的健康についての再検討」https://www.comm.tcu.ac.jp/cisj/25/assets/25_5.pdf
- 注意事項①:本研究はオンライン調査に基づく相関研究です。SNS利用が幸福度を「上げる・下げる」という因果関係を示したものではありません。
- 注意事項②:対象は15〜29歳の日本の若者に限定されており、他の年齢層や文化圏への一般化には注意が必要です。
- 注意事項③:SNSの種類ごとの比較やソーシャルサポートの測定は自己申告によるものであり、測定の限界があります。
研究自体の紹介はこちら😊
SNSとウェルビーイング、日本の研究
https://wellbeing-archive.pages.dev/posts/2024-04-17-1713323302/