はぴテク相談室:チームで作業を行っている動画を撮ると、幸福度は分かるのか?
最近、チームで仕事をしているんですが、みんながどれくらい幸せそうか、元気そうかって、なかなか分からなくて。表面上は笑顔でも、本当のところはどうなのかって気になることがあるんです。
それは気になりますよね。実は、MITの研究者たちがそのヒントになりそうな研究を発表しているんですよ。チームで作業しているときの動画をAIで解析して、その人の「幸福度」が予測できるか調べたんです。
えっ、動画を見るだけで幸せかどうか分かるんですか?どうやって測るんでしょう?
この研究では「PERMA」という幸福のモデルを使っています。P=ポジティブな感情、E=エンゲージメント(フロー状態みたいなもの)、R=人間関係、M=人生の意味、A=達成感、の5つです。作業中の動画からAIが顔の表情や視線、話し方などを分析して、このPERMAの各要素を予測しようとしたんです。
全部の要素がうまく分かるんですか?
精度には差がありました。特によく分かったのが「E(フロー・没入感)」と「R(人間関係の良さ)」です。「P(ポジティブ感情)」と「A(達成感)」はそこそこ予測できて、「M(人生の意味)」は少し難しかったようです。
確かに、人間関係とかフロー状態は表情や動きに出やすそうですね。「意味」は内面的なものだから難しいのかな。
まさにそのとおりで、研究者たちも同じようなことを示唆しています。内面的・主観的なものほど、外から見えにくいということですね。ちなみに研究対象は80人の学生が20チームに分かれて1週間、対面でチーム作業をした場面なので、特定の環境での話という点は注意が必要です。
具体的に、どんな行動をしているとPERMAが高かったんですか?
研究によると、「より多くの視線を他者と交わす」「より多くの驚きを表情で見せる」「より多く話す」「感情的に安定している」という4つの行動が、PERMAの全体的な高さと関連していたそうです。
視線を合わせることや、話すことが多いと幸福度が高いということですね。ということは、チームでそういう雰囲気を作ると良いのかな?
ただし、この研究は「こういう行動をしているとPERMAが高かった」という関連を示したものであって、「こうすればPERMAが上がる」という因果関係を証明したものではないんです。幸福度が高いからこそそういう行動が出るのかもしれないし、両方が絡み合っている可能性もあります。
なるほど、関連があるっていうことは分かっても、どちらが原因かはまだ分からないんですね。でも、チームの様子を観察するときの目安にはなりそうですね。
そうですね!AIを使わなくても、「みんなちゃんと目を合わせているかな」「活発に話しているかな」「感情的に安定している感じかな」という視点でチームを見てみると、何か気づくことがあるかもしれません。もちろん、それだけがすべてではないですし、特に「意味」のような内面的な部分は外から見えにくいので、時には直接話を聞くことも大切でしょうね。
チームの様子を見るときに、具体的にどこを見ればいいか分かってきた気がします。ありがとうございます!
■ 今日のまとめ
- チームで作業中の動画をAI解析すると、幸福度モデル「PERMA」をある程度予測できることが分かりました。特にフロー状態(E)と人間関係(R)は精度よく予測でき、人生の意味(M)は難しかったようです。
- 幸福度が高い人は「視線を多く交わす」「驚きを表現する」「よく話す」「感情的に安定している」という行動と関連していました。ただしこれは相関であり、因果関係ではありません。
- AIを使わなくても、チームメンバーの視線・会話量・感情の安定感を観察することが、チームの状態を把握するヒントになり得ます。
■ 出典・注意事項
- 出典:Predicting Team Well-Being through Face Video Analysis with AI, Applied Sciences, 2024/2/3, https://www.mdpi.com/2076-3417/14/3/1284
- 注意事項①:本研究は相関分析であり、特定の行動が幸福度を高めるという因果関係は証明されていません。
- 注意事項②:対象は80人の学生が対面でチーム作業をした特定の環境に限られており、職場など他の集団や状況への一般化には限界があります。
- 注意事項③:AIの予測精度はPERMAの各要素によって異なり、特に「M(意味)」は予測が難しく、すべての要素が高精度で分かるわけではありません。
研究自体の紹介はこちら😊
チームで作業を行っている動画を撮ると、幸福度は分かるのか?
https://wellbeing-archive.pages.dev/posts/2024-03-28-1711663208/