2024.01.07

はぴテク相談室:マキシマイザーとサティスファイザーのウェルビーイング、最新研究

相談者

はぴテクさん、こんにちは。実は最近、買い物や仕事の選択をするときに、とことん調べ尽くさないと気が済まなくて…。友人には「考えすぎ」と言われるし、自分でも疲れるんですよね。こういう性格って、やっぱり幸せになりにくいんでしょうか?

はぴテクさん
はぴテクさん

こんにちは!その悩み、実はとても興味深い研究で取り上げられているんですよ。まず、あなたのようなタイプを「マキシマイザー」と呼びます。最高の選択肢を求めてとことん調べて比較する人のことです。一方、「これで十分!」とパパッと決められる人は「サティスファイザー」と呼ばれます。従来の研究では、サティスファイザーの方が幸福度が高い傾向があると言われていました。でも、それだけじゃないんです。

相談者

やっぱりマキシマイザーは幸せになりにくいってことですか…?ちょっとがっかりです。

はぴテクさん
はぴテクさん

実はそう単純でもないんですよ!2023年にFrontiers in Psychologyという学術誌に掲載された研究で、コロナ禍(2020年)の3,493人を対象にした調査があります。マキシマイザーには「高い水準を求める」「代替案を探す」「決断が難しい」という3つの特徴があるんですが、直接的には幸福度につながりにくい面があることは確認されました。ただ、間接的には、コロナ対策への取り組みを通じてウェルビーイングにつながるパスも見つかったんです。

相談者

間接的に?どういうことですか?もう少し詳しく教えてください。

はぴテクさん
はぴテクさん

例えば、「高い水準を求める」という特徴を持つ人は、感染予防策をしっかり取ったり、状況をポジティブに意味づけし直す「認知的評価」という対処をしやすいことが分かりました。そして、その予防策や認知的評価がウェルビーイングを高めることにつながっていたんです。また、「代替案をよく探す」タイプは、気晴らしをうまく使ったり、人とのつながりを積極的に持つことで、幸福感につながっていました。

相談者

なるほど!つまり、マキシマイザーは直接ハッピーになるわけじゃないけど、行動の仕方によっては幸福感に結びつくこともある、ということですね。

はぴテクさん
はぴテクさん

まさにそういうことです!ただし注意点もあって、「決断が難しい」という下位尺度は、認知的評価・気晴らし・社会的つながりを通じた幸福との間に、むしろ負の間接的な関連も見られました。つまり、マキシマイザーの特徴の中でも、「決めるのがとにかく辛い」という部分は、ウェルビーイングにとってより難しい側面になりやすいとも言えます。

相談者

確かに、調べること自体は好きなんですけど、最終的に決断するのが本当に苦手で、決めた後も「あっちの方が良かったかも」って後悔することが多くて…。それが一番つらいかもしれません。

はぴテクさん
はぴテクさん

それは多くのマキシマイザーが感じることですよ。研究でも「決断の困難さ」が特に悩みの種になりやすいことが示されています。一つ実践できそうなヒントとして、「時間決めマキシマイズ」という考え方があります。例えば「この家電選びは1時間だけ徹底的に調べる。1時間経ったらその中でベストを選んで終わり!」と事前に決めてしまうんです。マキシマイズする時間に制限をつけることで、調べる満足感も得ながら、決断の泥沼にはまりにくくなります。

相談者

あ、それは面白いですね!時間を決めれば、ある意味「その時間内でベストを尽くした」という納得感も生まれそう。

はぴテクさん
はぴテクさん

そうなんです。それに、マキシマイザーの強みである「高い目標を持てる」「誘惑に負けずに頑張れる」「達成動機が高い」という特徴は、ちゃんと研究でも確認されています。これらはストレスな状況でも、前向きな対処行動につながりやすい面があるんですよ。つまり、マキシマイザーであること自体が問題なのではなく、その特徴をどんな場面でどう活かすか、が大事なポイントなんです。

相談者

マキシマイザーって悪いことだと思っていたけど、見方が変わってきました。自分の特徴をうまく使えるかどうかということなんですね。

はぴテクさん
はぴテクさん

その通りです!「足るを知りながら、志に向かって努力する」というイメージが一番しっくりくるかもしれません。全部の選択でマキシマイズしようとすると疲れてしまうので、「これは重要な判断だからしっかり調べよう」「これは時間を決めてサクッと決めよう」と使い分けていくと、あなたの強みを活かしつつ、消耗しにくくなりますよ。

相談者

なんか、自分の「調べ尽くしたい」という性格が少し愛せるようになってきました(笑)。今日はありがとうございました!

■ 今日のまとめ

  • マキシマイザー(最高を追い求めるタイプ)は直接的には幸福度と結びつきにくい面があるが、予防策・認知的評価・気晴らし・社会的つながりといった対処行動を通じて、間接的にウェルビーイングにつながるパスが研究で確認されました。
  • マキシマイザーの3つの特徴のうち、「決断の困難さ」は特にウェルビーイングへの負の間接的関連も見られるため注意が必要ですが、「高い水準を求める」「代替案を探す」という特徴にはポジティブな間接的パスも存在します。
  • 「時間を決めてマキシマイズする」などの工夫で、マキシマイザーの強み(高い達成動機・誘惑への抵抗力)を活かしながら、意思決定の疲弊を和らげることが一つの実践的アプローチとして考えられます。

■ 出典・注意事項

  • 【出典】Adaptive aspects of maximizing in times of COVID-19: coping efforts linking maximization to well-being, Frontiers in Psychology, 2023年1月5日 https://www.frontiersin.org/articles/10.3389/fpsyg.2023.1268528/full

  • 【注意事項①】本研究はパス分析による相関関係の検討であり、「マキシマイザーであること」が幸福度を直接下げる・上げるという因果関係を証明したものではありません。

  • 【注意事項②】対象はCOVID-19パンデミック期(2020年)のオンライン調査参加者3,493人であり、特定の時期・状況・集団に限定されたデータです。異なる状況や文化圏への一般化には限界があります。

  • 【注意事項③】研究自体も「縦断的デザインや多様な背景を持つサンプルでの今後の研究が必要」と述べており、結果はあくまで暫定的な知見として捉えることが重要です。

投稿者によるコメント・補足(1件)
コメント 1

研究自体の紹介はこちら😊
マキシマイザーとサティスファイザーのウェルビーイング、最新研究
https://wellbeing-archive.pages.dev/posts/2024-01-07-1704666606/

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