「ゾーン」を見据えた感性教育プログラムの開発 ― スタンフォード大学における取り
人間健康学研究 : Journal for the study of health and well-being,2023
フローな体験は幸福度を高めますが、フローに似ているゾーンについての論文。
(個人的には、フローのさらに深いやつがゾーンという認識です。大学の部活中に数回入ったような気がします。)
アスリート向けのワークですが、社会人にも適応出来そうだぞ、幸福度も上がりそうだぞ、というゾーンに入りやすくするワーク6種の紹介です。
感性を磨くワーク(ゾーンに入る前のトレーニング)
①Feel Work:感じるワーク
感性の受信・処理・発信を行い、感性を磨く。
華道家の假屋崎省吾氏が「世界平和」という生け花を見ながら感じたものをだすワーク。
②Onomatopoeia Work:感性語ワーク(オノマトペ)
擬音語・擬態語の総称である「オノマトペ(Onomatopoeia)」は、感覚イメージが表現された「感性語」である。
藤野(2008)によるオノマトペの 3 つの作成法を提示した 上で、受講者にスポーツ等の活動において、自身の 狙いに則したオノマトペを作成し、それを活用して 各自のパフォーマンスを向上させる試みを実践して もらった。
ゾーンに特化したワーク
③Murphy-Shigematsu Mindful Meditation Method:マーフィー重松式瞑想法
添付の図参照
④The Zone Narrative:ゾーンの物語
・他者がゾーンに入っている様子を見ることで自らがゾーンに入りやすくなることがある。
・トップアスリートが経験したゾーンでのパフォーマンスと当時の状況の映像や、ゾーンと思しき経験について振り返っている映像を受講者に視聴させて解説を行う。
⑤Jugyuzu Work:十牛図を活用した自己実現教育
・十牛図を使って、著名スポーツ選手のストーリーを構築する。など
⑥Happy Project:幸せと自己実現を考えるプロジェクト
・デザインシンキングを学び、それを用いて周りの人の幸福度を高める取り組みを行う。
概要
いわゆる「ゾーン」に入った人々は感性が研ぎ澄まされていることが知られている。本稿では感性理論を踏まえつつ、競技スポーツにおいて世界的なアスリートを多数輩出しているスタンフォード大学の 様々な授業や行事で実践されていた取組みを参考に、ゾーンを追求する人々がその状態に近づきやすくするために求められる感性を準備すべく、日本国内の大学において実践された感性教育法の一部を報告 する。 具体的には、感性の感受的側面を特に意識して使う「1. Feel. Work:感じるワーク」をはじめ、スポ ーツにおいてパフォーマンスの向上に効果が期待されているオノマトペを作成し、パフォーマンス遂行 時に使用する「2.. Onomatopoeia. Work:感性語ワーク」、学生アスリートも受講していたスタンフォー ド大学の心理学の授業で実践されている「3.. Murphy-Shigematsu. Mindful. Meditation. Method:マー フィー重松式瞑想法」、ゾーン経験者がゾーン体験について自由に語り聞き手や聴講者の質問に答える 「4.. The. Zone. Narrative:ゾーンの物語」、「十牛図」を利用してゾーンに入るまでの過程やアスリート の競技人生の物語を作る「5.. Jugyuzu. Work:十牛図ワーク」、他者の幸福度を高めることを目標として 利他性を発揮する「6.. Happy.Project:幸せと自己実現を考えるプロジェクト」の6つの取り組みである。 以上の取り組みは、ゾーンに対する本質的理解を深める必要のあるアスリートの他、スポーツ以外の 分野に関心を持つ人々や感性に関心を持つ社会人にも適用できる可能性がある。