2026.07.14

はぴテク相談室:稼ぐほど、家族と話さなくなっていた話

相談者

はぴテクさん、ちょっとモヤモヤしていることがあって。ここ数年、家族のためにと思って仕事を頑張って、収入もそれなりに増えたんです。でも、なんだか前より幸せな感じがしなくて…。

はぴテクさん
はぴテクさん

おお、それはがんばりましたね。ちなみに、収入が増えた分、何か減ったものはありませんか?

相談者

減ったもの…。あ、家族と過ごす時間ですね。帰りも遅いし、休日も疲れて寝てるし。妻や子どもと、ちゃんと話したのいつだっけ、という感じです。

はぴテクさん
はぴテクさん

なるほど。実はまさにその話にドンピシャの研究があるんです。ラテンアメリカ3か国、約2,900人を調べた研究なんですが、まず衝撃の数字から。「収入や学歴、年齢といった条件」だけでは、人の幸福度の差の3%くらいしか説明できなかったんです。

相談者

えっ、3%…?収入が増えれば幸せになると思ってたんですけど。

はぴテクさん
はぴテクさん

効果はゼロではないんですよ。ただ、この研究の主役は別にいまして。「家族との関係」を分析に加えた瞬間、説明力が4倍以上に跳ね上がったんです。

相談者

家族との関係、ですか。でも「関係」って、仲が良いとか悪いとか、ふわっとした話ですよね?

はぴテクさん
はぴテクさん

そこがこの研究の面白いところで、関係を2種類に分けたんです。1つは「道具としての関係」。困った時に助けてくれる、仕事の役に立つ、みたいな「何かを得るためのつながり」ですね。実はこれまでの幸福研究は、こっちばかり測ってきたんです。

相談者

たしかに「いざという時に頼れる人はいますか?」みたいなアンケート、見たことあります。

はぴテクさん
はぴテクさん

まさにそれです。でもこの研究が注目したのはもう1つ、「人-対-人の関係」。一緒にいること自体が目的の関係です。具体的には3つの行動で測りました。「気持ちや近況を分かち合う」「愛情を言葉や態度で示す」「実際に会って過ごす」。

相談者

うっ…。全部、最近やってない気がします。

はぴテクさん
はぴテクさん

ふふ。で、ここからが本題です。この「家族との人-対-人関係」のスコアがほんの少し、たった5%良くなったときの幸福度アップは、収入が2倍になるのと同じくらい大きかったんです。

相談者

に、2倍!?収入2倍って、転職や昇進で人生をかけて目指すレベルですよ。それが「ちょっと分かち合いを増やす」と同じ…?

はぴテクさん
はぴテクさん

そうなんです。だから相談者さんの「収入は増えたのに幸せじゃない」は、この研究から見るとつじつまが合うんですよ。幸福への効きが小さいもの(収入)を増やすために、効きが大きいもの(家族との分かち合い)を減らしていた、という交換になっていたわけです。

相談者

分の悪いトレードだったのか…。でも今さら何をすれば。旅行とか、大きなイベントが必要ですか?

はぴテクさん
はぴテクさん

いえいえ。研究で測っていたのは「感情や関心を分かち合う」「愛情を示す」「会って過ごす」という日常の行動です。特別なイベントではなく、今日の夕食で「最近どう?」から始まる話をする、寝る前に「ありがとう」を言う、そういうレベルの話なんです。

相談者

それなら今晩からできますね。あ、でも、うちは親も兄弟も遠方なんですが、そっちはどうなんでしょう。

はぴテクさん
はぴテクさん

いい質問です。研究では、おじいちゃんおばあちゃんなどの親戚や、友人・ご近所との関係も調べていて、家族ほどではないけれど、これも収入よりは幸福に効いていました。研究者いわく、人-対-人関係は「誰と」ではなく「どう関わるか」の問題だそうです。遠方でも、近況や気持ちを分かち合うことはできますからね。

相談者

なんだか気が楽になりました。頑張る方向を間違えてただけで、頑張れること自体は変わらないんですね。

はぴテクさん
はぴテクさん

その通り。1つだけ注意しておくと、この研究は一時点の調査なので、「関係が幸福を生む」のか「幸福な人が関係を築きやすい」のか、厳密には断定できません。ただ、進化心理学や愛着理論など、たくさんの理論が「人とのつながりそのものが幸福の源泉」と示していて、この結果はそれと整合的です。まずは今晩の「最近どう?」から、ですね。

相談者

はい!収入2倍より簡単な投資、始めてみます。

■ 今日のまとめ

  • 収入や学歴などの条件だけでは、幸福度の差の約3%しか説明できない。「家族との人-対-人関係」を加えると説明力は4倍以上に
  • 家族関係のスコアがわずか5%良くなる効果は、収入が2倍になるのと同等。「分かち合う・愛情を示す・会って過ごす」という日常の行動が幸福の本体
  • 人-対-人関係は「誰と」ではなく「どう関わるか」。親戚や友人・ご近所との関係も、収入より幸福に効く

■ 出典・注意事項

  • Rojas, M. (2026). Relaciones humanas y felicidad en América Latina. La importancia de las relaciones persona-a-persona. Perfiles Latinoamericanos, 34(68), 185-208.

  • コロンビア・コスタリカ・メキシコの成人2,884人を対象とした代表性のある調査(2018年実施)の分析です

  • 一時点の横断調査に基づく相関関係であり、因果関係(関係が幸福を生むのか、幸福な人が関係を築きやすいのか)は確定できません

  • 「関係スコア5%改善=収入2倍と同等」は、回帰分析の係数比較に基づく関連の強さの表現であり、因果効果を保証するものではありません

  • 調査の非回答率は約55%であり、回答者の偏りの可能性には留意が必要です

投稿者によるコメント・補足(1件)
コメント 1

論文の紹介はこちら😊
人間関係が5%良くなれば、収入2倍になるのと同じくらい幸せ〜ラテンアメリカの幸せの秘訣〜
https://wellbeing-archive.pages.dev/posts/2026-07-14-1784008380/

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