2026.04.11

はぴテク相談室:スポーツから考えるウェルビーイング

相談者

最近、なんとなく毎日がつまらないというか、生きがいを感じられなくて…。仕事はこなせているんですけど、充実感がないんです。何か変えたほうがいいのかなって思いつつ、何をすればいいのか分からなくて。

はぴテクさん
はぴテクさん

そうなんですね、毎日こなしてはいるけど、充実感が薄い感じ…。それはしんどいですよね。少し聞かせてもらえますか?最近、体を動かす機会ってありますか?スポーツとか運動とか。

相談者

ほとんどないですね。学生のころはバスケをやってたんですけど、社会人になってからはすっかりやめちゃいました。運動不足だなとは思ってるんですが…。

はぴテクさん
はぴテクさん

実は、松本大学の坂田先生たちの研究がとても興味深くて。スポーツには大きく3つの性質があって、それぞれがウェルビーイング、つまり「よく生きること」につながると整理されているんです。①体を使うこと(身体性)、②遊びであること(遊戯性)、③ルールや仲間との関係があること(倫理性)、の3つです。

相談者

3つの性質…。なんとなくスポーツって「健康のためにやるもの」くらいにしか思ってませんでした。もう少し詳しく教えてもらえますか?

はぴテクさん
はぴテクさん

まず「身体性」から。体を動かすと、気持ちが整いやすくなるという仕組みが研究で示されています。頭の中だけでぐるぐる考えていることが、体を動かすことで落ち着いてくる感覚、学生時代のバスケで経験したことありませんでしたか?

相談者

あー、確かに!練習のあとって、なんかスッキリしてたんですよね。嫌なことも一回リセットされるような感じで。

はぴテクさん
はぴテクさん

それがまさに身体性の働きです。そして次の「遊戯性」というのが面白くて。スポーツはそもそも「遊び」なんですよね。義務や仕事じゃなく、純粋に楽しむ・熱中するという体験の中で、人は意味や成長を感じやすくなると研究では言われています。バスケをやっていたころ、うまくなっていく感覚とか、試合に夢中になる感じってありましたよね?

相談者

ありました!シュートが入るようになってきたときとか、チームの連携がはまったときとか、それが楽しくて続けてたんだと思います。今の仕事にはその感覚がないなあ…。

はぴテクさん
はぴテクさん

そうか、その「夢中になれる感覚」が今は少ないんですね。そして3つ目の「倫理性」。これはルールを守ることや、チームメイトへの信頼・承認という側面です。一緒にプレーする仲間との関係や「認められる」「信頼される」という体験が、社会的なつながりや自己肯定感にも影響すると整理されています。

相談者

チームスポーツって、そういう意味もあったんですね。確かに部活のころはチームメイトとの関係が生きがいみたいになってた気がします。

はぴテクさん
はぴテクさん

そうなんです。ちなみに、日本全体の幸福度は世界でかなり低い水準なんですが、スポーツをしている人に絞ると世界上位クラスという調査結果もあって、スポーツとウェルビーイングの関係はかなり注目されています。ただ、これはあくまで相関のデータで、スポーツをしたから幸福度が上がるとは断言できない点は押さえておきたいんですが。

相談者

なるほど、でも何か関係はありそうですよね。ただ、ひとつ気になったのが、「義務でやるスポーツ」って楽しくなさそうだなって。会社の強制参加のスポーツ大会とか、正直あんまり好きじゃなくて(笑)

はぴテクさん
はぴテクさん

鋭い!実は研究でもその点が指摘されていて、成果を数値で測ることを重視しすぎたり、スポーツを義務化したりすることで、本来の楽しさや意味が失われるリスクがあると言われています。スポーツがウェルビーイングにつながるためには、「自分でやると選んでいる(自律性)」「誰でも参加できる公平さ」「結果よりも過程を大事にする」という条件が大切だと研究では提案されています。

相談者

自分で選んで、楽しむことが大事なんですね。じゃあ、昔やってたバスケをまた気軽に再開してみるのもアリかもしれないですね。勝ち負けより、まず楽しむことを意識して。

はぴテクさん
はぴテクさん

いいですね!「勝つために頑張らなきゃ」じゃなく、「体を動かして、仲間と楽しむ」という感覚から始めるのが、研究の考え方ともぴったり合っていると思います。充実感のなさをどこかで取り戻せるといいですよね。

■ 今日のまとめ

  • スポーツには①身体性(体を動かして気持ちを整える)、②遊戯性(遊びや熱中を通じて意味・成長を感じる)、③倫理性(ルールや仲間との信頼・承認を育む)という3つの性質があり、それぞれがウェルビーイングと関連すると整理されています。
  • 日本全体の幸福度は低い水準ですが、スポーツをしている人に絞ると幸福度が高い傾向があるという調査結果があります(ただし相関であり、因果関係ではありません)。
  • スポーツが充実感につながるためには「自分で選んでいる(自律性)」「公平に参加できる」「結果より過程を大事にする」という条件が重要と研究では提案されています。

■ 出典・注意事項

  • 坂田真吾・齊藤茂「スポーツから考えるウェルビーイング:概念整理と政策的示唆」松本大学研究紀要, 2026年3月12日. https://matsumoto-u.repo.nii.ac.jp/records/2000324

  • 【注意事項】本研究は哲学・心理学・社会理論・政策などの文献をもとにした概念整理の紀要論文です。スポーツがウェルビーイングを向上させるという因果関係を直接実証したものではありません。

  • 【注意事項】日本人のスポーツ実施者の幸福度が高いというデータは相関であり、スポーツをすれば幸福度が上がると結論づけることはできません。他の要因(もともと健康状態が良い人がスポーツをしやすい等)の影響も考えられます。

  • 【注意事項】本稿で参照されているメタ論文(身体活動+ポジティブ心理学ワークが幸福度を高める)については、対象集団や研究デザインの詳細を個別に確認することを推奨します。

投稿者によるコメント・補足(1件)
コメント 1

研究自体の紹介はこちら😊
スポーツから考えるウェルビーイング
https://wellbeing-archive.pages.dev/posts/2026-04-11-1775865607/

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