はぴテク相談室:愛されるよりも、愛を示す方が、幸せにつながる
最近、職場でも家でも、なんか満たされない気持ちがあって…。毎日それなりに頑張ってるつもりなんですけど、幸せって何なんだろうってふと思うんです。
それは大切な問いですね。毎日頑張っているのに何かが足りない感じ、すごくよくわかります。実は最近、「幸せ(人生の充実)」について大規模な研究が出たんですが、少し聞いてもらえますか?
はい、ぜひ!どんな研究ですか?
アメリカの大学の研究者たちが、約3万8000人のアメリカの成人を対象に調べたんです。「愛されること」と「愛を示すこと」、どちらが幸せと強く結びついているか、という研究です。結果がちょっと面白くて、「愛を示すこと」の方が、「愛されること」より約5倍くらい幸せと強く関連していたんですよ。
えっ、愛されるより、愛を示す方が幸せにつながるんですか?なんか意外ですね…。自分が誰かに必要とされたいとか、認めてもらいたいって気持ちが強かったので。
その気持ち、すごく自然ですよね。でも研究では、誰かから愛されることも確かに幸せと関連はしているんですが、自分から相手に愛を示す行動の方が、幸せとの関連がずっと大きかったんです。しかも、「愛を示すこと」の関連の強さは、収入への満足度と同じくらい大きいと出ていて、それはかなり注目すべき結果なんですよ。
収入への満足度と同じくらいって、かなり大きいですね…。でも「愛を示す」って、何か特別なことをしないといけないんでしょうか?私、そんなに大げさなことは苦手で。
全然特別なことじゃないんですよ!研究が挙げている例を見ると、笑顔で接する、相手の話をちゃんと聞く、そっと寄り添う、ユーモアで場を和ませる、ちょっとしたお菓子を渡す、相手の頑張りを応援する…そういった日常の小さな行動でいいんです。実際、調査対象者の約99.9%がすでに何らかの形で愛を示していたというデータもあるくらい、普通のことなんです。
そう言われると、私も同僚にお茶を買ってきてあげたり、後輩の相談に乗ったりはしてるかも。それも「愛を示す」ことに入るんでしょうか。
まさにそれです!そういった行動がすでに「愛を示すこと」なんですよ。研究では、そういった日常の積み重ねが幸せと関連しているとされています。ちょっと意識してみると、「あ、自分もうやってたんだ」って気づくことも多いかもしれません。
でも、私、子どもの頃からあまり家庭が温かい感じじゃなかったんです。そういう人は、そもそも人に愛を示すのが難しいとか、幸せになりにくいとかあるんでしょうか…。
それは大事な点ですね。確かに研究では、子どもの頃に親から愛された経験がある人は、大人になって他者に愛を示しやすい、という関連が見られました。ただ、その影響はそれほど大きくはないとも出ているんです。つまり、過去の経験にかかわらず、今日から自分で愛を示す行動を選ぶことができて、それが幸せと関連している、という話なんです。
それは少し安心しました。過去は変えられないですけど、今からでも関係あるんですね。でも、義務感でやってたら逆効果とかありますか?
鋭い質問です。研究ではその点まで詳しく測定されているわけではないのですが、「この人に愛されていると感じてほしい」という気持ちから自然に行動することが大切だと論文では論じられています。義務感や社会的なプレッシャーからではなく、という点はニュアンスとして示されていますね。ただ、どこまでが義務感でどこからが自然な行動か、明確に線引きするのは難しいですよね。まずは小さく、無理のない範囲で試してみることが現実的じゃないかなと思います。
なるほど…。「愛されたい」って思うよりも、「愛を示そう」って意識を少し向けてみた方が、結果的に自分も満たされやすいということなんですね。なんか、視点がひっくり返った気がします。
まさにそうです。この研究が教えてくれることのひとつは、幸せのために何か特別な条件を揃えるより、今この瞬間に自分からできる小さな行動の積み重ねが、幸せと強く関連しているということです。笑顔ひとつ、一言の応援、話を聞く5分間…そういうものが、結果として自分の人生の充実にも結びついているというのは、なんか希望がある話だと思いませんか?
■ 今日のまとめ
- 「愛を示すこと」は「愛されること」より約5倍強く幸せ(人生の充実)と関連しており、収入への満足度と同程度の大きな関連が見られた
- 笑顔・傾聴・そっと寄り添うなど日常の小さな行動で十分であり、特別なお金やスキルは必要ない
- 過去に愛された経験の多寡にかかわらず、今日から自分で愛を示す行動を選ぶことができ、それが幸せと関連している
■ 出典・注意事項
- 出典:Juan Xi(アクロン大学), Matthew T. Lee(ベイラー大学)「Feeling Loved and Showing Love: Associations with Flourishing」preprint, 2025/10/20, Research Square. https://www.researchsquare.com/article/rs-7894749/v1
- 注意事項①:本研究はプレプリント(査読前論文)であり、正式な学術誌に掲載される前の段階の研究です
- 注意事項②:この研究は相関研究であり、「愛を示すこと」が幸せの原因であると断定するものではありません。愛を示しやすい人がもともと幸せになりやすい気質を持っている可能性など、因果関係の方向性は確定していません
- 注意事項③:対象はアメリカの成人(38,312人)であり、文化・社会的背景が異なる日本でそのまま当てはまるかどうかは不明です
- 注意事項④:「愛を感じること」の測定には親からの愛と神・高次の存在からの愛が用いられており、友人・恋人など他の対人関係からの愛は含まれていない点に留意が必要です
研究自体の紹介はこちら😊
愛されるよりも、愛を示す方が、幸せにつながる
https://wellbeing-archive.pages.dev/posts/2025-11-07-1762552327/