持続可能な社会づくり(SDGs)は、私たちの幸せにつながっている
という最新研究😍
国連が掲げる「持続可能な開発目標(SDGs)」は、
貧困、教育、環境など17の目標からなる2030年までの世界共通の目標です。
しかし、その達成度は国によって大きく異なります。
この研究は、世界96カ国のデータを分析し、「なぜ国によって差があるのか」「SDGsの達成は本当に人々を幸せにするのか」という2つの疑問に答えました。
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研究から分かった事は、
第一に、国際協力やパートナーシップ(SDG17)に力を入れている国ほど、他の目標も達成できています。
第二に、民主的な国ほど、市民が政策に参加でき、SDGsが進みます。
第三に、経済的に豊かな国ほど、必要な資源を投入できるため、目標達成が早くなります。
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そして最も注目すべき発見は、
SDGsを達成している国ほど、国民の幸福度が高いということです。
つまり、環境保護や貧困削減などの取り組みは、単なる数値目標ではなく、
私たちの日常生活の質を実際に向上させているのです。
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この研究は、政府が持続可能性のための政策に予算を使うことの価値を科学的に証明しました。
SDGsへの投資は、回り回って私たち自身の幸せにつながっているのです😊
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※参考_先行研究との違い
SDGsと幸福度については、↓の研究が著名です😊
今回の研究との違いは、この2020のはSDGsの各目標と幸福度を見ている。今回のはSDGsの総合指標と幸福度を見ている。というのと、
そのSDGs促進の原因として、SDGs17が高い、民主制、経済的豊かさがあると示した所。
あたりが大きな違いです。あと分析対象の年が新しくなっていたり、分析手法も違います。
それらを踏まえて、今回の研究により、SDGsとウェルビーイングの関係性の強さがより強固なものとして裏付けられました。
The SDGs and human well-being: a global analysis of synergies, trade-offs, and regional differences(2020)
(邦訳) SDGsと人間の幸福:相乗効果、トレードオフ、地域差のグローバル分析 https://nature.com/articles/s41598-020-71916-9
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点と点をつなぐ:SDGsから幸福へ
Connecting the dots: from SDGs to well-being
Sandra Cohen(アテネ経済経営大学) ; Xenia J. Mamakou ; Francesca Manes Rossi ; Isabel Brusca
Journal of Public Budgeting, Accounting & Financial Management,2025/11/5
https://www.emerald.com/jpbafm/article/37/6/393/1308303
目的
持続可能な開発目標(SDGs)は世界中で注目を集めていますが、国家特性がSDGs達成にどのように影響し、その達成が国民の幸福度にどのように繋がるかについては、実証的な証拠が限られています。本論文では、ガバナンス、政治、経済的要因がSDGs達成に及ぼす影響、そしてSDGs達成と国民の幸福度との関連性を検証するモデルを開発し、検証します。
設計/方法論/アプローチ
この研究では、SDGs、世界幸福度指数、民主主義指標、国内総生産(GDP)統計に関する国連(UN)データベースのデータを使用し、2022年の96か国を分析しています。変数間の複雑な関係と依存関係を明らかにするために、偏最小二乗構造方程式モデリング(PLS-SEM)が採用されています。
調査結果
結果は、SDGs達成に向けた強力な連携、すなわちSDG17、高い民主主義レベル、そして国の富が、SDGsの達成を著しく促進することを示しています。また、SDGsの成功は国民の幸福にプラスの影響を与え、持続可能性への取り組みが日常生活に意義のある効果をもたらすことを示唆しています。
実用的な意味合い
ガバナンスは、政治・経済要因と並んで、SDGs達成におけるもう一つの重要な促進要因として浮上しています。本研究の調査結果は、ガバナンス能力への投資の重要性と、SDGs目標を単なる単独の目標としてではなく、より深層的な社会経済的メカニズムと幸福の推進要因の反映として認識することの重要性を浮き彫りにしています。さらに、本研究の調査結果は、公共財政管理において二つの側面から課題を提起しています。第一に、より多くの会計ベースの指標を用いることで、SDGs達成をより適切に追跡し、透明性と比較可能性を向上させることができるかどうか。第二に、持続可能性と幸福のつながりを明らかにし、社会政治的および環境的意思決定に情報を提供するために、幸福指標に基づく新たな会計システムを開発すべきかどうか。
【背景】
■■ はじめに:SDGs達成の国家間格差
この研究の出発点は、2030アジェンダ(国連が定めた2030年までの持続可能な開発目標)に向けた各国の取り組みが、国によって大きく異なるという現状認識です。
Reverte(2022年)の研究により、SDGs達成レベルが国家間で均質ではないことが明らかになっています。つまり、ある国では目標達成が進んでいる一方で、別の国では遅れているという状況があります。
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■■ 第一の柱:ガバナンスの役割
■■■ ガバナンスとSDG17の重要性
「ガバナンス」とは、政府だけでなく、企業や市民社会など多様な主体が協力して社会課題を解決する仕組みのことです。
Le Blanc(2015年)の研究では、SDG17(パートナーシップで目標を達成しよう)が、他のすべてのSDGsを実現するための「手段」であることが指摘されています。つまり、SDG17は目的そのものではなく、目的を達成するための方法論だということです。
Florini and Pauli(2018年)も同様に、SDG17を「目的(ends)」ではなく「手段(means)」の表明であると位置づけています。
■■■ 多層的パートナーシップの必要性
Abhayawansa et al.(2021年)とEweje et al.(2021年)の研究により、持続可能な開発を実現するためには、公共、民間、市民社会セクター間の協力的な取り組みが不可欠であることが示されています。
Bryson et al.(2006年)とFrederickson et al.(2018年)は、ガバナンスとパートナーシップを「政策立案と公共サービス提供に影響を与える、公共・民間・市民セクターの複数の主体間の調整行動の集合」と定義しています。
■■■ ガバナンスの質とSDGs達成の実証研究
地域別の実証研究も蓄積されています:
・Bisogno et al.(2025年):ヨーロッパでの研究で、良質なガバナンスがSDGs達成にプラスの影響を与えることを実証
・Adebayo et al.(2025年):アフリカでも同様の結果を報告
・Lauwo et al.(2022年)、Sobkowiak et al.(2020年)、Øjvind Nielsen et al.(2024年):先進国・途上国双方でガバナンスメカニズムの重要性を論じている
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■■ 第二の柱:民主主義の役割
■■■ 民主主義と市民参加
「民主主義」とは、単に選挙制度があるということだけでなく、市民が自由に意見を表明でき、政策決定に参加できる社会システムを指します。
Eweje et al.(2021年)は、政府が市民のニーズを理解し満たす能力を確保することの重要性を強調しています(Slack, 2014年の研究も引用)。
Bowen et al.(2010年)の研究では、「変革的ステークホルダー・エンゲージメント」(利害関係者を巻き込んだ対話)には、双方向の活発なコミュニケーションプロセスが必要で、これが建設的な対話、能力構築、知識生成を支えるとしています。
■■■ 民主主義とSDGs達成の関連
Michels(2011年)の研究により、市民の参加が民主主義にプラスの影響を与え、関連知識、市民スキル、公的関与を高め、参加者間の共通決定を形成する能力を強化することが示されています。
Akalin and Erdogan(2021年)は、このような対話には、個人が選択の自由を享受し、投票メカニズムを通じて声を届けられる民主的な文脈が前提となると主張しています。
Glass and Newig(2019年)の研究では、民主的制度が市民のSDGs関連政策への参加を促進できることが示されています。
Banik(2022年)は、民主的な国々が差別撲滅、ジェンダー平等、教育へのアクセス、市民の健康維持に重点を置くことを指摘し、民主主義が持続可能な開発達成と一致する政策の土台を提供すると論じています。
【研究内容】
■■ 研究の目的と仮説設定
この研究は2つの主要な研究課題に答えることを目指しています:
▼ 研究課題1(RQ1)
政治的、経済的、ガバナンス要因は、国レベルでのSDGs達成に影響を与えるのか?
▼ 研究課題2(RQ2)
国レベルでのSDGs達成は、その国の市民の幸福度と関連しているのか?
これらの研究課題に基づいて、4つの仮説が設定されました:
・仮説1(H1):SDG17を通じて反映される多層的パートナーシップの達成は、SDGs達成にプラスの影響を与える
・仮説2(H2):民主主義はSDGs達成にプラスの影響を与える
・仮説3(H3):国の豊かさはSDGs達成にプラスの影響を与える
・仮説4(H4):SDGs達成レベルは市民の幸福度にプラスの影響を与える
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■■ 研究方法:データの収集
■■■ データ源と対象国
この研究では、複数の信頼できる国際データベースから情報を収集しています:
▼ SDGsデータ
・出典:国連データベース(2022年)
・内容:17のSDGsそれぞれのスコア
・評価方法:4色の分類システム
赤色(値1):重大な課題あり
オレンジ色(値2):大きな課題あり
黄色(値3):課題が残る
緑色(値4):目標達成
▼ 幸福度データ
・出典:世界幸福度レポート(Helliwell et al., 2023年)
・内容:「生活満足度」の指標
・スケール:0(最悪の人生)から10(最高の人生)
▼ 民主主義データ
・出典:Our World in Data「選挙民主主義指数2022」(V-Dem, 2023年)
・内容:包括的な投票権、自由で公正な選挙、結社・表現の自由の保証の程度
・スケール:0(最も非民主的)から1(最も民主的)
▼ 経済データ(GDP)
・出典:世界銀行
・内容:一人あたりGDP(購買力平価ベース、米ドル)
・説明:購買力平価(PPP)とは、各国の物価水準の違いを調整した経済指標
■■■ 分析対象
・対象国数:96カ国
・対象年:2022年
・選定基準:すべての変数について完全なデータが揃っている国
地域別内訳:
・東欧・中央アジア:9カ国
・東・南アジア:11カ国
・ラテンアメリカ・カリブ海:13カ国
・中東・北アフリカ:8カ国
・OECD加盟国:31カ国
・サハラ以南アフリカ:24カ国
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■■ 分析手法:PLS-SEM
■■■ PLS-SEMとは
この研究では、PLS-SEM(部分最小二乗構造方程式モデリング)という統計手法を使用しています。
PLS-SEMの特徴:
・複雑な関係性を分析できる
・複数の変数間の依存関係を同時に調べられる
・データが正規分布でなくても使える(頑健性が高い)
・比較的小さなサンプルサイズでも適用可能
■■■ なぜPLS-SEMを選んだのか
研究者たちは、この手法を選んだ理由として以下を挙げています:
サンプルサイズ(96カ国)が、もう一つの代表的手法であるCB-SEM(共分散ベース構造方程式モデリング)には小さすぎる
いくつかの変数が正規分布していない(PLS-SEMはこれに対して頑健)
この研究は主に探索的研究である(既存理論の確認ではなく、新しい関係性の発見を目指している)
Hair et al.(2021年)の基準によれば、これらの条件はPLS-SEMの使用を正当化するとされています。
使用ソフトウェア:SmartPLS 4.1.1.4
notebookLMさんに動画解説頂きました😊
点と点をつなぐ:地球規模の目標から、あなたのウェルビーイングまで
https://youtu.be/OyMLtku5Y5M