2025.10.20

はぴテク相談室:人生に「目的」があると、長生きする

相談者

最近、毎日なんとなく過ごしてはいるんですが、なんか生きがいというか…目的みたいなものが感じられなくて。仕事もそこそこうまくいってるし、生活に不満があるわけじゃないんですけど、なんだか物足りないというか、モヤモヤした感じが続いていて。これって問題なんでしょうか?

はぴテクさん
はぴテクさん

それは大事なモヤモヤだと思いますよ。「生活には不満がないけど、なんか物足りない」という感覚、実はとても意味があるサインかもしれません。面白い研究があるんですが、聞いてみますか?

相談者

はい、ぜひ聞かせてください!

はぴテクさん
はぴテクさん

フィンランドのアールト大学のマルテラ先生たちが2024年に発表した研究なんですが、アメリカで約6,000人を23年間追跡した大規模な調査なんです。そこで「人生への満足度」と「人生の目的感」、どちらが長生きをより強く予測するかを初めて直接比べました。結果は…「人生の目的感」の方が、より安定した予測因子だったんです。

相談者

えっ、「満足度」より「目的感」の方が大事なんですか?満足してれば十分じゃないんですか?

はぴテクさん
はぴテクさん

そこが面白いポイントなんです。どちらも単独で見ると長生きと関連があるんですが、両方を同時に比べると、「目的感」の方が強くて安定した関連が残ったんです。「満足度」の方は、他の要因を考慮すると影響がかなり薄まってしまう傾向があったんですよ。

相談者

具体的にどのくらい違うんですか?数字で見てみたいです。

はぴテクさん
はぴテクさん

研究によると、人生の目的感が高い人は死亡リスクが約7〜25%低いという関連が見られました。年齢・性別・健康状態などいろんな要因を考慮しても、この関連は安定して残ったんです。一方、人生満足度が高い人でも6〜20%低いという関連はあるんですが、他の要因を考慮すると効果がほぼ消えてしまうことがあったんです。ただし、これはあくまで「関連」であって、目的感が直接寿命を伸ばすと証明されたわけではないことは大事な点ですね。

相談者

なるほど…。でも「人生の目的」って、なんか大げさというか、「夢を持て!」みたいな話になりそうで、ちょっと構えちゃいます。

はぴテクさん
はぴテクさん

すごくよくわかります!でも研究が示唆しているのは、壮大な夢じゃなくていいんです。「人生の目的感」っていうのは、「自分の人生には方向性や意味がある」という感覚のこと。たとえば「この本を読み終える」「庭の花を育てる」「孫に会いに行く」みたいな小さなことでも、『自分がやるべき・やりたいことがある』という感覚があればいいんです。

相談者

あ、それなら少しハードルが下がりますね。でも、なんでそれが体の健康とつながるんでしょう?

はぴテクさん
はぴテクさん

研究では直接の因果関係は証明されていませんが、論文ではいくつかの可能性が考察されています。一つは、目的感があると目標に向かって行動するので、より能動的なライフスタイルにつながりやすいこと。もう一つは、病気や困難に直面したときに「自分にはまだやるべきことがある」という感覚が、ストレスへの対処の助けになりうること。ただ、これはあくまで考察であって、メカニズムが完全に解明されているわけではありません。

相談者

「やるべきことがある」感覚か…。それは確かに、病気になったときとかに気持ちの支えになりそうですね。ちなみに年齢によって違いはあるんですか?

はぴテクさん
はぴテクさん

実は、この研究では高齢者ほど目的感と死亡率の関連がやや強くなる傾向が見られたんです。身体的な衰えが増える時期だからこそ、「自分にはやることがある」という感覚がより重要になってくる可能性が示唆されています。一方、人生満足度の方は年齢による違いは見られませんでした。

相談者

じゃあ、今の私みたいに「不満はないけど目的感がない」という状態は、少し見直した方がいいってことですね。何か小さなことから始めるとしたら、どう考えればいいでしょう?

はぴテクさん
はぴテクさん

まず自分に「最近、楽しみにしていることや、やりたいことはあるかな?」と問いかけてみるところから始めてみてください。大きな人生の目標じゃなくていいんです。「今週末にこれをやってみたい」「来月までにこれを達成したい」という小さな方向性でも十分です。今あなたが感じているモヤモヤは、そういう方向性を探したいサインかもしれませんよ。

相談者

なるほど。「不満はないけど物足りない」は、実は目的感を求めているサインだったのかもしれませんね。ちょっと自分に問いかけてみます。ありがとうございました!

はぴテクさん
はぴテクさん

ぜひ!「満足している」ことと「目的がある」ことは別々のもので、両方大切なんです。今日話した研究が伝えているのは、「小さくてもいいから、自分の中に方向性を持つ」ことが、長い目で見て心にも体にも関連しているかもしれない、ということ。焦らず、自分のペースで探していってみてくださいね。

■ 今日のまとめ

  • 「人生の目的感」は「人生満足度」と比べて、死亡率とより強く安定した関連があることが、23年間・約6,000人の追跡研究で示されました(ただし相関であり、因果関係が証明されたわけではありません)
  • 目的感は壮大な夢である必要はなく、「やりたいこと・やるべきことがある」という小さな方向性の感覚で十分です
  • 高齢になるほど目的感と死亡率の関連がやや強まる傾向が見られており、どの年代でも「自分の中に方向性を持つ」ことを意識することに意義がありそうです

■ 出典・注意事項

  • 出典:Martela, F., Laitinen, E., & Hakulinen, C. (2024). Which Predicts Longevity Better: Satisfaction With Life or Purpose in Life? Psychology and Aging, 2024 Sep. PubMed: https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/38358729/ / PDF: https://midus.wisc.edu/findings/pdfs/2842.pdf

  • 注意事項①【相関であり因果ではありません】この研究は観察研究(追跡調査)であり、目的感が高いことと低い死亡率に「関連がある」ことを示したものです。目的感を持つことが直接寿命を延ばすと証明したものではありません

  • 注意事項②【対象集団の限界】対象はアメリカのMIDUS(米国中年期研究)の参加者であり、特定の集団に偏りがある可能性があります。結果がすべての国・文化・年齢層に同様に当てはまるとは限りません

  • 注意事項③【自己申告の限界】人生満足度・目的感ともに自己申告による測定です。主観的な回答であるため、測定誤差が含まれる可能性があります

  • 注意事項④【交絡因子の可能性】年齢・性別・健康状態などを考慮していますが、目的感と寿命の両方に影響する他の要因(社会的つながり、経済状況など)が完全には除去されていない可能性があります

投稿者によるコメント・補足(1件)
コメント 1

研究自体の紹介はこちら😊
人生に「目的」があると、長生きする
https://wellbeing-archive.pages.dev/posts/2025-10-20-1760987226/

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