はぴテク相談室:シンプルに生きると幸せ
最近、なんだか物が多すぎて疲れてきました。ミニマリストみたいな暮らしに憧れるんですけど、本当に物を減らしたら幸せになれるんでしょうか?
それは面白い問いですね!実はニュージーランドで2025年に発表されたばかりの研究が、まさにそのテーマを調べているんです。「シンプルな生活」と幸福感の関係を、一般の消費者を対象にデータで検証した研究です。結論から言うと、シンプルな生活をしている人は幸福度が高い傾向があると分かったんですよ。
やっぱりそうなんですね!じゃあ物をどんどん捨てれば幸せになれますか?
実はそこが面白いポイントで、「物を減らすこと自体」が幸せに直結しているわけではないんです。この研究では、シンプルな生活を5つの要素に分けて調べました。①地域で作られたものを買う「地域調達」、②水や電気を節約する「資源節約」、③技術や成果を周りの人と分かち合う「共有・貢献」、④物をあまり持たない「物質的簡素性」、⑤自分で食べ物を育てる「自給自足」です。そのうち、幸福感と特にはっきり関係があったのは③の「共有・貢献」だけだったんです。
えっ、物を減らすことや節約は幸せに関係なかったんですか?ちょっと意外です。
驚きますよね。ただ、5つをまとめた総合的な「シンプルライフ度」では幸福感との相関が見られたので、要素が組み合わさることで効いてくるイメージです。そして研究者が特に注目しているのは、シンプルな暮らしが「地域活動への参加」や「他者との分かち合い」につながること。その社会的なつながりの部分が幸福感に関係している、ということのようです。
「共有・貢献」って具体的にどういうことをすればいいんでしょう?
研究の尺度では、こんな行動が挙げられています。「家族以外の人と自分の労働の成果を分かち合う」「地域コミュニティに関わり、そこを育てることに力を注ぐ」「仕事以外の場面でも、自分のスキルや手間を他の人と共有する」といったことです。たとえば、料理が得意なら近所の人におすそ分けするとか、地域の清掃活動に参加するとか、趣味の知識を教え合うサークルに顔を出すとか、そういうイメージですね。
なるほど。物を減らしながら、人とつながることが大事なんですね。ちなみに、これって誰にでも当てはまることなんでしょうか?
この研究では、年齢や収入に関わらず、シンプルな生活と幸福感の関係が見られたそうです。ただ、性別については少し差があって、女性の方がシンプルな暮らしをすることで幸福感が高まりやすい傾向があったとのこと。ただし、これはニュージーランドの消費者を対象にした調査なので、日本の文化や環境にそのまま当てはまるかどうかは慎重に考える必要があります。
なるほど。じゃあ私は今の生活から何か変えるとしたら、どこから始めるのがよさそうですか?
研究の内容に照らすと、「物を大量に捨てることから始める」よりも、「誰かと何かをシェアしたり、地域の活動に一歩踏み出してみる」ことの方が、幸福感と関係がありそうです。たとえばフリマで物を手放しながら、買った人と少し会話を楽しむとか、地元の野菜を直売所で買いながら生産者と話すとか、小さなつながりを意識してみるのが研究の示唆に沿った一歩かもしれませんね。
それなら気軽に始められそうです!物を減らすこと自体はあまり意味がないということでしょうか?
意味がないというより、「物を減らすこと単独では幸福感との相関が明確ではなかった」というのが研究の結果です。ただ、5つの要素をまとめた「シンプルライフ全体」では幸福感と関係があったので、物の簡素化も、地域調達も、節約も、共有・貢献も、ひとつのライフスタイルとしてつながって効いてくるイメージだと研究者も述べています。物を減らすことで気持ちがすっきりして、人とのつながりに目が向くようになる、という流れもあるかもしれませんね。
シンプルに生きることって、人とのつながりを大切にすることでもあるんですね。なんか、目指す方向が少しはっきりしてきた気がします!
いい気づきですね!「Less is more」という言葉がありますが、この研究が示すのは「減らすことより、分かち合うことが幸せに関係する」ということかもしれません。物を手放すことをきっかけに、地域や人とのつながりを少しずつ育てていく——そんなシンプルライフが、幸福感と関連している姿として描かれていましたよ。ぜひ自分のペースで試してみてください。
■ 今日のまとめ
- 「シンプルな生活」全体としては幸福感と関係があるが、5つの要素のうち幸福感と特に関係が見られたのは「共有・貢献(スキルや成果を地域・他者と分かち合う行動)」だった。
- 物を減らすことや節約そのもの単独では幸福感との相関は明確ではなく、地域や人とのつながりを伴う実践が幸福感と関係している可能性が示された。
- この傾向は年齢・収入に関わらず見られたが、女性の方がより強い関連を示す傾向があった。ただしニュージーランドの調査であり、他の文化・地域への一般化には注意が必要。
■ 出典・注意事項
- 論文:Consume Less, Live Well: Examining the Dimensions and Moderators of the Relationship Between Voluntary Simplicity and Wellbeing / Journal of Macromarketing, 2025年5月21日 / https://journals.sagepub.com/doi/10.1177/02761467251339399
- 注意事項①:本研究は相関研究であり、シンプルな生活が幸福感を「引き起こす」という因果関係を示すものではありません。
- 注意事項②:対象はニュージーランドの消費者サンプルであり、日本を含む他の文化・社会への直接的な一般化には慎重さが必要です。
- 注意事項③:「物質的簡素性」尺度の信頼性係数(α=0.568)は他の尺度より低く、測定精度に一定の限界があります。
研究自体の紹介はこちら😊
シンプルに生きると幸せ
https://wellbeing-archive.pages.dev/posts/2025-09-27-1759009118/