2025.09.21

はぴテク相談室:快楽的な買い物は、多様であると幸せにつながる

相談者

最近、なんか毎日が単調で、楽しいことが少ないなって感じています。お金をかけて旅行とか高いものを買えるわけでもないし、どうしたらもう少し生活に彩りが出るのかな…って悩んでいます。

はぴテクさん
はぴテクさん

そうなんですね、毎日が単調に感じるのはつらいですよね。実はそのヒントになりそうな、とても興味深い研究があるんですよ。「買い物の仕方」と「幸せ」の関係を調べた研究なんですが、聞いてみますか?

相談者

ぜひ聞かせてください!お金がそんなにあるわけじゃないので、あまり参考にならないかもと思いつつ…。

はぴテクさん
はぴテクさん

実はそこが面白いポイントで、高いものを買う必要はないんです。コロラド大学のグラッドストーン先生やソニア・リュボミアスキー先生たちの研究(2024年)によると、「快楽的な買い物」、つまり楽しくて感覚を喜ばせるような購入をするとき、使う金額よりも「種類の多様さ」のほうが幸福感(主観的ウェルビーイング)と強く関連していたんです。

相談者

種類の多様さ、ですか?具体的にどういうことですか?

はぴテクさん
はぴテクさん

たとえば、映画を観る・レストランで食事する・スポーツを楽しむ・美術館に行く、といった「いろんな種類の楽しい経験にお金を使う」ことです。同じ金額を使うにしても、一つのことにまとめて使うより、少額でもいろいろな種類に分散させたほうが幸福感と関連していた、という結果が出ているんですよ。

相談者

へえ!じゃあ高い一つのものを買うより、ちょこちょこ色々楽しんだほうがいいってことなんですね。でも、なんでそうなるんでしょう?

はぴテクさん
はぴテクさん

研究者たちが注目したのは「快楽適応」という心理現象です。これは、同じ楽しいことを繰り返していると、だんだん慣れてきて感動が薄れてしまう、という人間の性質です。いろんな種類の楽しい経験をすることで、この「慣れ」が起きにくくなるのではないか、と考えられています。

相談者

なるほど!慣れによる感動薄れを、バラエティで防ぐ、みたいな感じですね。研究はどうやって調べたんですか?

はぴテクさん
はぴテクさん

合計2,920人を対象にした4つの研究で検証されました。自分で「こんな買い物をした」と答えてもらうアンケートだけでなく、実際の銀行口座の支出データも使って調べているんです。どちらのデータでも、「快楽的な買い物の種類が多様なほど幸福感が高い」という関連が確認されました。かなり丁寧に調べられた研究です。

相談者

銀行データまで使ってるんですね、それは信頼できそう!じゃあ、私も日常生活で取り入れられそうなことってありますか?

はぴテクさん
はぴテクさん

はい!たとえば「今月は映画1本・近所のカフェでちょっといいコーヒー・近くの博物館・スポーツ体験」みたいに、少額でも種類をバラけさせてみるのはどうでしょう。研究の言葉を借りると「多趣味な買い物」ですね。単調さを感じているとのことでしたが、楽しみの種類を増やすことが幸福感と関連しているという知見は、日常に当てはめやすいかもしれません。

相談者

なんかそう聞くと、ハードル低く感じます!ただ、これって絶対に幸せになれるってことではないですよね?

はぴテクさん
はぴテクさん

鋭いご指摘です!研究者自身も「完全な因果関係ではない」と注意しています。今回の研究では、多様な買い物をしている人が幸福感も高い、という「関連」が見られましたが、「多様な買い物をすれば必ず幸福度が上がる」とまでは言い切れません。また、時間差で方向性を調べた部分では、複雑な結果も出ていて、どちらが先かは明確ではないんです。幸福な人が自然と多様な買い物をしている可能性もあります。

相談者

そっか、幸せだから多様に買えてる、という逆もありえるわけですね。でも、単調な毎日を変えるヒントとして「いろんな種類の楽しいことを試してみる」というのは、やってみる価値がありそうです!

はぴテクさん
はぴテクさん

そうですね!予算の範囲内で、今まで試したことのない種類の楽しい体験を一つ増やしてみる、という小さな一歩から始めてみるのはいかがでしょう。研究が示しているのは「金額の大きさより種類の広さ」ですから、気軽に試せるのがいいところだと思いますよ😊

■ 今日のまとめ

  • 快楽的な買い物(楽しくて感覚を喜ばせる経験への支出)では、使う金額よりも「種類の多様さ」のほうが主観的幸福感と強く関連していた
  • 同じ予算でも一つのことに集中させるより、映画・外食・スポーツ・美術館など少額でも多種類に分散させるほうが幸福感と関連している可能性がある
  • ただし関連であって因果ではなく、幸福な人が多様な買い物をしている逆の方向性もあり得るため、過信は禁物

■ 出典・注意事項

  • 出典:Gladstone JJ, Ruberton PM, Margolis S, Lyubomirsky S. 'Does variety in hedonic spending improve happiness? Testing alternative causal mechanisms between hedonic variety and subjective well-being.' BMC Psychology. 2024 Feb 26. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/38409041/

  • 注意①:本研究は相関・関連の分析が中心であり、「多様な買い物をすれば幸福度が上がる」という因果関係が証明されたわけではありません。時間差パネル研究では因果の方向性について複雑な結果が出ています

  • 注意②:文化的背景の違いによる影響も研究者自身が指摘しており、特定の文化・集団での結果がすべての人に当てはまるとは限りません

  • 注意③:対象はN=2,920の4研究ですが、参加者の属性・地域・文化的背景の偏りが結果に影響している可能性があります

投稿者によるコメント・補足(1件)
コメント 1

研究自体の紹介はこちら😊
快楽的な買い物は、多様であると幸せにつながる
https://wellbeing-archive.pages.dev/posts/2025-09-21-1758492601/

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