はぴテク相談室:見返りを求める愛と求めない愛
最近、パートナーとの関係がなんかギクシャクしてる気がして…。私がいろいろ気を遣ってあげてるのに、向こうは同じくらいしてくれないな、って思うことが増えてきたんです。これってよくないことなんでしょうか?
それは気になりますよね。実は、そのモヤモヤの正体を解き明かすような研究があるんです。ドイツで7000組以上のカップルを13年間追いかけた大規模な調査なんですが、「見返りを求める気持ち」と「関係の満足度」の関係を詳しく調べているんです。
7000組を13年も!それはすごいですね。どんなことが分かったんですか?
研究では「交換志向」という考え方が出てきます。これは、「相手に何かしてあげたら、同じくらい返してほしい」という気持ちのことです。この交換志向が高まると、2年後の関係満足度が下がる、という関連が見られたんですよ。
えっ、じゃあ私が「返してほしい」って思うこと自体が、関係をギクシャクさせてる原因になってる可能性があるってこと?
その可能性が示唆されています。面白いのは、逆の方向——つまり「関係がうまくいってないから見返りを求めるようになる」という流れは、この研究では有意には確認されなかったんです。つまり、見返りを求める気持ちが先にあって、その後の満足度に影響している可能性が高いと考えられています。
じゃあ相手が見返りを求めてる場合はどうなんですか?相手も同じように「返してほしい」って思ってたら、私の満足度にも影響しますか?
そこが面白いところで、同じ時点で見ると「相手の交換志向が低い方が自分の満足度が高い」という関連はあるんです。でも、2年後への影響を見ると、相手の交換志向は自分の満足度に有意な影響は見られませんでした。つまり、相手がどう思っているかより、まず自分自身の「見返りを求める気持ち」の方が、長い目で見た自分の満足度により強く関わっているんです。
それはちょっと意外でした。じゃあ「お互い同じくらい見返りを求めていれば、釣り合いが取れてうまくいく」ってわけでもないんですか?
そうなんです!「2人が似たような交換志向を持っていれば関係がうまくいく」という仮説も検証されたんですが、交換志向が似ているかどうかは関係満足度に影響しない、という結果でした。つまり「お互い同じくらいドライだからバランスが取れる」わけではなくて、2人ともに見返りを求めない方がよい、ということのようです。
なるほど〜。でも「見返りを求めない」って、実際にはなかなか難しいですよね。何か参考になることはありますか?
この研究では、付き合いたての頃は交換志向が高めで、時間とともに自然に下がっていく傾向があることも分かっています。ただ個人差があって、下がり方がゆっくりな人ほど満足度が下がりやすい傾向も見られました。「あれをしてあげたから、これを返してほしい」という損得の目線より、「相手のために」という気持ちで行動することが、結果として自分自身の満足感にもつながっていく可能性がある、というのがこの研究のメッセージですね。
自分が見返りを求めなくなると、相手のためだけじゃなくて自分自身も幸せになれるかもしれない、ということですね。なんか視点が変わった気がします。
そうです!「見返りを求めない方が自分の満足度が上がる」というのが、この研究の一番のポイントかもしれません。もちろんこれは相関の研究で、すべての人に当てはまる法則ではありませんし、あなたの状況にそのまま当てはまるとも限りません。でも、「なんで返してくれないんだろう」とモヤモヤしているとき、少し立ち止まって自分の気持ちを見つめ直すヒントにはなりそうですよね。
はい、なんか「相手を変えようとするより、まず自分の見方を変えてみよう」って思えてきました。ありがとうございます!
■ 今日のまとめ
- 「見返りを求める気持ち(交換志向)」が高まると、その後の関係満足度が下がる傾向が、13年・7000組超の研究で示されました。
- 逆に「満足度が低いから見返りを求めるようになる」という流れは確認されず、見返りを求める気持ちが先に影響している可能性があります。
- 相手の交換志向より自分自身の交換志向の方が長期的な満足度により強く関わっており、2人の交換志向が似ているかどうかは満足度に影響しませんでした。
■ 出典・注意事項
- 出典:Schoebi, D. et al. (2025). 'Pay Me Back': Testing the Implications of Long-Term Changes and Partner Similarity in Exchange Orientation Within Intimate Relationships. Personality and Social Psychology Bulletin. https://journals.sagepub.com/doi/10.1177/01461672251330700
- 注意事項①:本研究はあくまで相関研究です。「見返りを求めることが原因で満足度が下がる」と断言はできません。ある時点と2年後を比較しているため因果に近い推測はできますが、完全な因果関係の証明ではありません。
- 注意事項②:対象はドイツのカップルに限定されており、文化的背景や社会的環境が異なる日本などの地域にそのまま当てはまるとは限りません。
- 注意事項③:交換志向や関係満足度の変化には個人差が大きく、すべての人・カップルに同じ傾向が見られるわけではありません。
研究自体の紹介はこちら😊
見返りを求める愛と求めない愛
https://wellbeing-archive.pages.dev/posts/2025-09-15-1757901397/