2025.08.10

はぴテク相談室:美学と企業経営

相談者

最近、仕事でなんか行き詰まってる感じがするんですよね。データとか論理とかで考えてるんですけど、なんか足りない気がして。

はぴテクさん
はぴテクさん

それ、すごく大事な気づきだと思います!実は最近の経営学の研究でも、まったく同じ問いが取り上げられてるんですよ。「論理や分析だけじゃ足りない、感性や芸術的な思考が必要じゃないか」という話です。何が足りないって感じますか?

相談者

うーん、なんか数字では出せない「これだ!」って感覚というか…。でもそれって、なんとなくフワっとした話じゃないですか?

はぴテクさん
はぴテクさん

いえいえ、実はそのフワっとした感覚にちゃんと名前があるんです!「直観」とか「ゲシュタルト」って言い方をします。ゲシュタルトというのは、バラバラな情報を一瞬で「全体のまとまり」として捉える認知の働きのことです。経営学者のバーナードも、日本の松下幸之助さんも、この一瞬で全体を掴む直観的能力こそがリーダーシップに欠かせないと言っていたんですよ。

相談者

松下幸之助さんが?あの「経営の神様」が感性とか芸術とか言ってたんですか?意外ですね!

はぴテクさん
はぴテクさん

そうなんです!松下さんは「経営は総合芸術なり」という言葉を残していて、「真・善・美を生かした経営がほんとうの意味での芸術的経営だ」と言っています。つまり、正しい(真)・良い(善)だけじゃなく、美しい(美)という感覚も経営に必要だという考え方ですね。

相談者

美しい経営、ですか。具体的にはどういうことなんでしょう?

はぴテクさん
はぴテクさん

たとえば今の研究では、LVMHのような高級ブランド企業が「芸術的価値」を自社の商品に取り入れることで、単なる機能の差別化じゃなくて、感情や情緒に訴える差別化をしていると紹介されています。「このブランドを持つとどんな気持ちになるか」という体験の価値ですね。また、美術館とコラボしたりもしています。

相談者

なるほど。でも私は大企業じゃないし、そういう話は自分には関係ないかなって思っちゃいます…。

はぴテクさん
はぴテクさん

実はそこが面白いところで、研究では「すべてのビジネスがファッションビジネス化する時代が来る可能性がある」と指摘しているんです。つまり、規模に関わらず、感性・ストーリー・美意識が差別化のカギになるかもしれない、という話です。さらに言うと、アメリカでは1990年代から、ビジネス教育で「直観と芸術的感性を鍛えることが大事だ」と言われるようになってきたんですよ。

相談者

ストーリーって出てきましたけど、それも関係あるんですか?

はぴテクさん
はぴテクさん

はい!研究の中に「ビジネスを強化する上で神話的物語の創造が最も重要だ」という指摘があります。村上隆さんも、アート・お金・ビジネスは一体だと言っています。自分の仕事や商品に「なぜこれをつくったか」「どんな世界を目指しているか」という物語をもつことが、感情に響く力になるということですね。

相談者

じゃあ、データや論理を捨てて感性だけで行けばいいってこと…ではないですよね?

はぴテクさん
はぴテクさん

鋭いですね!その通りで、研究では「感性の理論から感性的構想力と悟性(理性)の融合へ進化した」と書かれています。どちらかを捨てるんじゃなくて、論理と感性を組み合わせる、それが大事だということです。バーナードも「客観的判断の限界を認識しつつ、主観的側面でも一貫性を持たせることで組織を導ける」と言っていますよ。

相談者

なんか少し気が楽になりました。「論理的に考えなきゃ」ってプレッシャーが強すぎたのかもしれないです。感性を大切にすることも、ちゃんと根拠があるんですね。

はぴテクさん
はぴテクさん

そうです!美学という哲学の学問は1735年から続いていて、感性を理論的に考えてきた長い歴史があります。「なんとなくいい感じ」という感覚を磨くことは、ちゃんと学問的にも意味のあることなんですよ。ぜひ、日々の仕事の中で「これは美しいか?」「どんな物語があるか?」という問いを持ってみてください😊

■ 今日のまとめ

  • 論理・データだけでなく、全体を一瞬で捉える「直観(ゲシュタルト)」や感性も、経営やビジネスにおいて重要な役割を果たすと、経営学者バーナードや松下幸之助も指摘していた。
  • 松下幸之助の「経営は総合芸術なり」という言葉に代表されるように、真(正しさ)・善(良さ)・美(美しさ)を統合した広い意味での美意識が経営に求められている。
  • 感性を捨てて論理一辺倒になるのでも、その逆でもなく、「論理と感性の融合」がこれからのビジネスのカギであり、ストーリーや芸術的価値が差別化の重要な要素になりうる。

■ 出典・注意事項

  • 深町浩祥「企業経営と芸術─美学からのアプローチ─」跡見学園女子大学マネジメント学部紀要, 2025年8月 https://atomi.repo.nii.ac.jp/record/2000265/files/atomi_manage40_03.pdf

  • 【注意事項】本論文は哲学・経営思想の文献考察および事例研究であり、統計的な因果関係を示したものではありません。紹介されている事例(LVMHなど)は論文筆者による考察・解釈であり、特定の成果を保証するものではありません。また、主な対象は大手グローバル企業や著名経営者の言説であるため、すべての業種・規模の企業に同様に当てはまるかは不明です。

投稿者によるコメント・補足(1件)
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研究自体の紹介はこちら😊
美学と企業経営
https://wellbeing-archive.pages.dev/posts/2025-08-10-1754792387/

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