はぴテク相談室:家の主観的幸福尺度
最近、家にいてもなんだかモヤモヤしていて……。別に大きな問題があるわけじゃないんですけど、なんとなく家が好きになれないというか、帰ってきてもホッとしない感じがするんです。
それは、なんとなくだけどずっと続くと疲れてきますよね。実は2025年に、「家そのものに対する幸せ感」を測る尺度を開発した研究が、日本建築学会の論文として発表されたんです。関東に住む2000人のデータをもとに作られた、15の質問からなるものなんですよ。
家の幸せ感を測る尺度……?個人の幸せとはまた別のものなんですか?
そうなんです!「自分が幸せかどうか」とは少し別に、「この家にいると幸せか」という視点で測るものなんですね。ただ、この「家の幸せ感」と「個人の幸せ感」には一定の相関、つまり関連が見られたことも報告されています。
へえ、関連があるんですね。ということは、家の居心地がよくなれば、自分の気持ちも変わってくることがあるってことですかね?
相関がある、というのは「一緒に動く傾向がある」ということで、「家を変えれば必ず個人の幸せが上がる」と断言はできないんですが、関連していることは確かです。で、特に注目したいのが、個人の人生評価(幸せ感)と特に強く関連していた住居の特徴トップ3なんです。
トップ3ってなんですか?気になります!
1位が「同居人との人間関係が良い」、2位が「お風呂やトイレが快適」、3位が「料理や洗濯などの家事がしやすい」という結果でした。この3つだけが相関の強さを示す数値0.4を超えていたんです。
あ、なんか意外というか、納得というか……。お風呂とトイレって地味だけどすごく大事ですよね。私、実はトイレが寒くてずっと嫌だったんですよね。
それ、すごく重要なポイントかもしれません!研究でも、お風呂やトイレの快適さが、家の満足度にも個人の幸せ感にも強く関連していたんです。毎日必ず使う場所だからこそ、影響が出やすいのかもしれませんね。
そう言われると、トイレをなんとかしたくなってきました(笑)。ちなみに、15の質問ってどんなものなんですか?
大きく3つのグループに分かれています。①「家への満足感」(理想に近いか、不満はないかなど)、②「家にいるときの気持ち」(リラックスできるか、笑顔でいられるかなど)、③「家がもたらす生きがい感」(この家が自分らしさを支えてくれているか、達成感や感動があるかなど)です。どのグループが気になりますか?
③の「生きがい感」はあまり考えたことなかったです。「この家が自分らしさを支えてくれている」って、どういう意味なんでしょう?
例えば、好きなものを飾れていたり、自分なりに部屋を整えていたりすることで、「ここは自分の場所だ」という感覚が生まれる、そういうイメージです。研究では「エウダイモニア」という言葉を使っているんですが、これは「単なる気持ちよさ」ではなく、「自分らしく生きている感覚」のことなんですよ。
なるほど……。帰ってきてホッとしない原因が、少し分かってきた気がします。トイレの寒さもあるけど、「自分の家感」が薄いのかもしれない。
それは大切な気づきですね!この15問の尺度を自分で試してみて、どのグループのスコアが低いかを確認するところから始めるのも、一つの手かもしれません。「家への満足」「気持ち」「生きがい感」のどこに改善の余地があるか、見えてくるかもしれませんよ。
■ 今日のまとめ
- 「家の幸せ感」を測る15問の尺度が開発され、「家への満足」「家での感情」「家がもたらす生きがい感」の3つの側面から評価できることがわかりました。
- 個人の幸せ感と特に強く関連していた住居の特徴トップ3は、①同居人との人間関係、②お風呂・トイレの快適さ、③家事のしやすさでした(相関係数0.4以上)。
- 「家の幸せ感」と「個人の幸せ感」には一定の相関が見られましたが、因果関係(家を変えれば幸せになる)が証明されたわけではありません。
■ 出典・注意事項
- 有馬雄祐, 宗方淳, 伊丹弘美, 中村知靖「家が関連する主観的幸福尺度の開発と信頼性・妥当性の検証」日本建築学会環境系論文集, 第90巻第834号, 2025年8月2日. https://www.jstage.jst.go.jp/article/aije/90/834/90_348/_pdf
- 【注意事項】本研究は関東地方在住の2,000人を対象としたデータに基づいており、他の地域や文化への一般化には限界があります。
- 【注意事項】住居の特徴と幸福感の関連は相関(一緒に動く傾向)であり、住居を改善すれば幸福感が必ず向上するという因果関係を示すものではありません。
研究自体の紹介はこちら😊
家の主観的幸福尺度
https://wellbeing-archive.pages.dev/posts/2025-08-03-1754188530/