2025.07.24

宗教性は理想の幸福度を抑える

内田由紀子先生らによる43か国11,170人への幸せ異文化調査シリーズの論文、第三弾😊(知る限りでは)

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第一弾

世界幸福度ランキングは文化を考慮する必要がある(内田先生ら)2023

https://www.facebook.com/groups/wellbeinginfo/permalink/1573944776749548/

第二弾

幸福の最大化は奇妙な生き方である2024

https://www.facebook.com/groups/wellbeinginfo/permalink/1611544526322906/

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理想の幸福度が高すぎることは、逆に幸福度を落とすのでは?という話があります。

そんな理想の幸福度の文化による違いを調査。

理想の幸福度を、

人生満足度(獲得的幸福度)、相互依存的幸福度(協調的幸福度)

×

自分、家族

の4パターンで聞ききました。

すると、その4パターン全てで、理想を高すぎないスコアに抑える効果があったのは、

宗教性だったよ。

とのことです。やっぱり宗教は足るを知る精神につながるんだなぁ。

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ただし、面白い事に、

日本はその傾向から外れていて、宗教性は低いのに、理想が低い。という。

そして、何故かオーストラリアもだいたい同じような傾向でした。

一方で、WHRでいうと、オーストラリアは11位6.974で上位、日本は55位6.147

オーストラリアは理想は高く無いけど、スコアは高い。

日本は理想は高くないけど、スコアも低い。

うーむむむ。

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社会状況と幸福の理想化との関連性に関する異文化研究

A Cross-cultural Study On the Association Between Societal Conditions and the Idealization of Happiness

内田由紀子先生ら40名くらい

Applied Research in Quality of Life,2025/7/5

https://link.springer.com/article/10.1007/s11482-025-10462-w

ほとんどの人が幸せになりたいと願っていますが、高いレベルの幸福を追求または理想化する程度は、社会文化的背景によって異なります。本研究は、高いレベルの幸福の理想化を促進するのに最も役立つ社会的および文化的指標を明らかにするために設計されました。この目標を達成するために、43か国に居住する11,170人の参加者の幸福の理想化のレベルを測定しました。機械学習(ランダムフォレスト手法)を使用して、18の異なる社会的および文化レベルの指標が国レベルの幸福の理想化とどの程度関連しているかを調べました。その結果、生活満足度や相互依存的幸福など、4つの異なるタイプの幸福において、文化的宗教性が高いほど幸福の理想化が低いという、強力で一貫した証拠が見つかりました。これらの調査結果は、幸福の追求の程度が社会文化的背景によって大きく異なることを示し、高いレベルの幸福についての人々の考え方を形成する上で文化的宗教性が果たす役割を浮き彫りにしています。

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研究の前提となる既存研究の流れ

  1. 幸福追求のパラドックスの発見
    幸福を求めすぎると不幸になる現象
    Mauss et al. (2011)
    研究内容:幸福を重視する人ほど、実際には否定的感情を多く経験することを発見
    重要性:「幸福の追求」自体が問題となる可能性を初めて実証

Gruber et al. (2011)
研究内容:幸福の「暗い側面」を体系的に分析
発見:過度の幸福追求は心理的健康に悪影響

Ford et al. (2014, 2015)
研究内容:幸福を重視する人はうつ病や双極性障害の症状が多い
意義:幸福追求と精神的健康の負の関係を臨床的に確認

専門用語:「幸福のパラドックス」= 幸福を追求すればするほど、かえって不幸になってしまう現象
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2. 幸福の文化的差異の発見
幸福の捉え方は文化によって違う
Uchida et al. (2004)

研究内容:アメリカ人とアジア人では幸福の概念が根本的に異なることを発見
発見:西洋=個人的な興奮や達成感、東洋=調和や人間関係

Delle Fave et al. (2016)

研究内容:世界各国で「幸福とは何か」を調査
発見:ある文化では個人の満足、別の文化では家族の幸せを重視

専門用語:「相互依存的幸福」= 他者との関係性や調和を重視する幸福観(主に東アジア文化)
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3. 幸福の理想化測定法の開発
文化を超えて比較可能な測定方法
Diener et al. (2000)

研究内容:「理想的な人物」について考えてもらい、その人の幸福度を評価する方法を開発
重要性:文化的価値観を測定する標準的手法を確立
本研究への影響:この手法を採用して幸福の理想化を測定

Higgins (1987) - 自己不一致理論

理論内容:理想の自分と実際の自分のギャップが心理的問題を生む
本研究への応用:理想化の概念的基盤を提供

専門用語:「理想化」= ある状態(この場合は幸福)を非常に価値あるものとして重視すること

論文紹介 ありのままになんとかなる 文化と幸福・日本的幸福主観的幸福・幸福測定意味・目的・スピリチュアリティ

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