はぴテク相談室:一卵性双生児で、ウェルビーイングの相関は0.31
こんにちは。最近、自分の性格や気持ちの持ち方って、生まれつき決まってるんじゃないかって思うことが多くて…。どれだけ努力しても、幸せになれるかどうかって遺伝で決まっちゃうんじゃないかと感じて、なんか虚しくなってしまうんです。
その気持ち、すごくよくわかります。「どうせ生まれつきだし…」って思うと、頑張る気力もなくなってきますよね。実は最近、まさにそのテーマを大規模に調べた研究が発表されたんです。一緒に見ていきましょうか!
一卵性双生児の研究ですか?テレビで双子の話を見たことあります。遺伝子がまったく同じ双子って、性格も幸福度もそっくりになるんじゃないですか?
実は「まったく同じ」ではないんです!ロンドン・クイーン・メアリー大学の研究チームが、11の研究から約2万2000人もの一卵性双生児のデータを集めて調べたんですが、遺伝子が100%同じ一卵性双生児でも、ウェルビーイング(幸福感・心の豊かさ)の相関係数は0.31だったんです。
0.31…って、どういう意味ですか?高いんですか、低いんですか?
相関係数は−1から1の間の数値で、1に近いほど「そっくり」という意味です。0.31というのは「多少似ている」程度で、遺伝子が完全に同じ双子でもウェルビーイングはかなり違ってくる、ということを示しています。たとえばADHDの症状だと0.71とかなり高いんですが、幸福感は0.31と比較的低い。つまり幸福感は、他の特性に比べて遺伝の影響を受けにくい可能性があるということです。
えっ、そうなんですね!じゃあ幸せになれるかどうかって、生まれつきよりも、自分の行動や環境の方が関係してくるってことですか?
この研究から直接「だから行動が大事!」と言い切ることはできないんですが、遺伝子が同じ双子でもウェルビーイングがかなり違ってくるというデータは、遺伝以外の部分—環境や個人の経験、行動など—が大きく関係している可能性を示していると言えます。また、この研究では年齢とともに遺伝の影響が低下していく傾向も確認されているんです。
年齢とともに影響が低下するって、どういうことですか?歳をとるほど遺伝の影響が薄れてくるってこと?
そうなんです。たとえばADHD症状は、子ども期(5〜12歳)では相関0.71なのに、青年期(13〜18歳)では0.58に下がっています。抑うつ症状も子ども期0.51→成人期0.38と低下しています。成長していく中で、周りの環境や自分自身の経験・行動が積み重なっていくにつれ、遺伝の影響の相対的な大きさが変わっていく、という傾向がデータから見えてきます。
なんだか少し希望が持ててきました。でも、ネガティブな感情の方が遺伝の影響が強いって聞いたんですけど、それは心配じゃないですか…?
鋭いところに気づきましたね!確かにこの研究では、不安・抑うつ・ADHDといったネガティブな面の方が、ウェルビーイングよりも一卵性双生児間の相関が高い傾向があります。ただ、それでも「遺伝子が同じ=まったく同じ」ではないんです。環境や経験によって差が生まれる余地は、ネガティブな特性にもちゃんとあります。
なるほど…。じゃあ、幸福感を高めるために日々できることって、遺伝の影響を超える可能性があるということですよね?
この研究のデータが示唆することとして、感謝の気持ちを持つ、新しいことに挑戦する、人と比べすぎないといった日常の行動が、遺伝子が同じ双子の間でも差を生む「遺伝以外の部分」に働きかけられる可能性はありそうですね。ただし、研究が「こうすれば幸せになれる」と直接示しているわけではないので、あくまで「遺伝だけで全部決まるわけではない」という点を大事にしてほしいです。
「遺伝だけで決まるわけじゃない」って言葉、すごく気持ちが楽になりました。遺伝子が同じ双子でも幸福感が違うなら、私も自分なりの幸せを作っていける気がします!
その感覚、とても大切だと思います!約2万2000人という大規模なデータが、「幸福感は遺伝の影響が比較的小さく、しかも年齢とともにその影響は変わっていく」ことを示しています。もちろんこれは相関の話であって、「行動すれば必ず幸せになれる」という因果関係を証明したものではないですが、遺伝に縛られすぎなくていい、という一つの根拠になりますよね。
■ 今日のまとめ
- 一卵性双生児(遺伝子が同じ)でもウェルビーイング(幸福感)の相関は0.31と比較的低く、遺伝子だけで幸福感が決まるわけではないことが大規模研究で示されています。
- 不安・抑うつ・ADHDなどネガティブな特性は遺伝との相関が高い傾向がありますが、年齢とともに遺伝の影響の大きさは変化していく傾向も確認されています。
- これらは相関のデータであり因果関係を示すものではありませんが、遺伝以外の環境・経験・行動が幸福感に大きく関わっている可能性を示しています。
■ 出典・注意事項
- Assary E, et al. 'Genetics of monozygotic twins reveals the impact of environmental sensitivity on psychiatric and neurodevelopmental phenotypes.' Nature Human Behaviour, 2025/6/10. https://www.nature.com/articles/s41562-025-02193-7
- 【注意事項】本研究は相関研究であり、遺伝子や環境が特定の結果を「引き起こす」という因果関係を直接証明するものではありません。
- 【注意事項】ウェルビーイングのデータは成人のみを対象としており、子ども・青年期のデータは含まれていません。他の特性との単純な比較には注意が必要です。
- 【注意事項】研究著者自身が「一部の解析では統計的検出力が限られており、より検出力の高い今後の研究が求められる」と述べており、結果の解釈には慎重さが必要です。
- 【注意事項】対象はロンドンをはじめとする複数国の双生児研究の参加者であり、すべての集団に結果が一般化できるとは限りません。
研究自体の紹介はこちら😊
一卵性双生児で、ウェルビーイングの相関は0.31
https://wellbeing-archive.pages.dev/posts/2025-06-13-1749852302/