2025.06.05

EI(感情的知性)は、スキルがあると信じて行動することで、自分と相手の幸せにつな

北京大学のチャン先生らによる最新研究。

EI(感情的知性)は、自分の幸福度を高めたり、恋愛パートナーの幸福度を高めたりする。

と言われていますが、

それは、

本当のEIの能力によるなのか?(楽しい体験が予期せず終わり、それについてできることがほとんどない。関係者が最も感じやすい感情は?など)

それともEIに対する自信によるなのか?(自分の感情をよく理解していますか?他者の感情をよく見ていますか?など)

すると、

EIの能力は、自分の幸福度にも、パートナーの幸福度にも影響は限定的。

EIヘの自信は、自分の幸福度も、パートナーの幸福度も高める。

という結果でありました。

実際の能力よりも、自信が大事だった、、、

実際のスキル以上に、スキルがあると信じて、行動すること。が幸せにつながるのですね。

原因の仮説としては、↓のようなものがあるそうです。

①自己効力感で実際の行動に繋がってる仮説

→相手の気持ちを理解できる自信がある

→(勘違いかもしれないが)相手の気持ちを気にして、気遣うことができる

→相手が幸せになる

②過敏性仮説

→感情的知性が高いが故に、負の感情にも気付いてしまう。

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■研究概要

研究対象: 407組の恋愛カップル(平均年齢36.5歳、平均交際期間10.8年)

イギリス、アメリカ、オーストラリア、ニュージーランド

■測定項目:

●感情知能を2つのタイプで測定

・能力型EI: 実際の感情処理能力(認知テストで測定)

・自己評価型EI: 自分の感情能力への信念(自己評価で測定)

●幸福感を3つの側面で測定

・心理的幸福感

・人生満足度

・ポジティブ・ネガティブ感情

■主な発見

●自己評価型EIの効果:

自分のEIが高いほど自分の幸福感も高い(アクター効果)

パートナーのEIが高いほど自分の幸福感も高い(パートナー効果)

●能力型EIの効果:

自分への効果は一貫性がなく限定的

パートナーへの効果はほとんど見られない

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パートナーが感情的に知能が高いと気分が良くなる:自己評価による感情的知能指数は、パートナーが主観的幸福感に与える影響を示す

You Feel Better When Your Partner is Emotionally Intelligent: Self-Rated Emotional Intelligence Shows Partner Effects on Subjective Wellbeing

**Zhanjia Zhang(北京大学), Miao Miao & Xiaoyuan Zhang **

Journal of Happiness Studies,2025/6/5

https://link.springer.com/article/10.1007/s10902-025-00914-3

人生の意味はポジティブ心理学における重要な概念であり、近年ますます注目を集めています。本研究は、既存の文献をレビューすることにより、人生の意味と身体活動の関係性を概観することを目的としました。Web of Science、PubMed/Medline、PsycINFO、SportDiscusなどのデータベースを用いて、様々な研究デザインと対象集団を対象とした研究を体系的に検索しました。その結果、19件の横断研究、10件の縦断研究、1件のランダム化比較試験(合計107,954名が対象基準を満たし、更なる分析に組み入れました。対象論文の研究特性にはかなりの異質性があったものの、レビュー対象研究の90%以上で、MILと少なくとも1つの身体活動指標との間に正の相関が報告されていました。対象研究の大部分で相関係数は0.1から0.3の範囲にあり、効果サイズは小~中程度であることが示されました。さらに、人生の意味と身体活動の関係は相互的である可能性が高く、双方向の相互影響は十分な証拠によって裏付けられています。 4つの研究で考えられるメカニズムが検討され、健康投資、自己効力感、基本的な心理的欲求、そして身体活動への動機と阻害要因が、人生の意味と身体活動の関係における潜在的な媒介因子であることが示唆されました。今後の研究では、人生の意味と身体活動の因果経路をより深く理解するために、縦断的研究や実験研究といったより厳密な方法論的設計を採用し、両者の複雑な相互依存関係を包括的に説明できる理論モデルを開発・検証する必要があります。

投稿者によるコメント・補足(1件)
コメント 1

この研究の背景となる既存研究を、話の流れに沿って詳しく説明します。

1. 社会関係と幸福感の基本的関係

基礎的発見

社会関係は幸福感の最重要要因の一つであることが確立されています。

  • Dush & Amato (2005): 恋愛パートナーや親しい友人を持つ人は、持たない人よりも高い幸福感を示す
  • Gove et al. (1983), Helliwell & Putnam (2004), Kim & McKenry (2002): 結婚している、またはパートナーと同居している人は、より高い主観的幸福感を持つ

主観的幸福感とは:自分の人生をどの程度満足しているか、どの程度ポジティブな感情を感じているかを示す指標

2. 「量」から「質」への転換

パートナーの特性が重要

単に関係を持つだけでなく、どのような特性を持つパートナーかが幸福感に影響することが判明しました。

  • Dyrenforth et al. (2010): 誠実性と情緒安定性の高いパートナーを持つ人は、より高い人生満足度を示す
  • Weidmann et al. (2017): ビッグファイブ性格特性(外向性、協調性、誠実性、神経症傾向、開放性)のパートナー効果を確認

ビッグファイブ性格特性とは:心理学で広く使われる5つの基本的な性格次元

アクター・パートナー相互依存モデル(APIM)

  • Kenny et al. (2006): カップル研究で使用される統計手法を開発
    • アクター効果: 自分の特性が自分の結果に与える影響
    • パートナー効果: パートナーの特性が自分の結果に与える影響

3. 感情知能(EI)概念の発展

感情知能の定義

  • Mayer et al. (2016): 感情知能を「感情と感情情報を知覚し、使用し、理解し、管理する能力」と定義
  • 4つの枝分かれ(ブランチ):
    1. 感情の知覚: 表情や声色から感情を認識
    2. 思考の促進: 感情を使って思考や行動を導く
    3. 感情の理解: 感情がどう変化し、組み合わさるかを知る
    4. 感情の管理: 自分や他者の感情を目標達成のために調整

2つの測定アプローチ

1. 能力型EI

  • Ashkanasy & Daus (2005): 知能の一種として概念化
  • 客観的な認知課題で測定(例:表情から感情を正確に読み取る)

2. 自己評価型EI(感情的自己効力感)

  • 自分の感情能力に対する信念や自信
  • 質問紙で測定(例:「私は他者の感情を読み取るのが得意だ」への同意度)

重要な区別

  • Joseph & Newman (2010): 2つのタイプの相関はわずか0.12と低い
  • Bucich & MacCann (2019), Landy (2005), Locke (2005): 同じ名前でも実際は異なる概念だと主張(「ジングル誤謬」*)

ジングル誤謬とは:同じ名前だから同じ概念だと誤解すること

4. 感情知能と幸福感の関係

メタ分析による証拠

複数の大規模レビューで、両タイプのEIが幸福感と正の関連を示すことが確認されています:

  • Sánchez-Álvarez et al. (2016): 自己評価型EIの方が能力型EIよりも幸福感との関連が強い
  • MacCann et al. (2020): 能力型EIは負の感情を予測するが、正の感情は予測しない
  • Fernández-Berrocal & Extremera (2016): 両タイプとも心理的幸福感(人生の意味や成長感)により強く関連

メタ分析とは:複数の研究結果を統計的に統合して、より確実な結論を得る手法

性別差の発見

  • Brackett et al. (2004): 能力型EIの効果は女性より男性で強い
  • 理由:女性は社会的圧力により、EIが低くても対人行動を学習する必要があるため

5. この研究が埋めるギャップ

未解決の問題

既存研究の限界として、以下が指摘されていました:

  1. パートナー効果の未検証: EIと個人の幸福感の関係は確立されているが、パートナーのEIが自分の幸福感に与える影響は未調査

  2. 理論的根拠の存在:

    • 能力型EI: パートナーが感情を正確に読み取り、適切に管理できれば、自分の感情体験が改善される
    • 自己評価型EI: **Bandura (1982)**の自己効力感理論により、能力への信念が行動を動機づける
  3. 研究手法の向上: 従来の研究は個人レベルが中心で、カップルレベルの相互作用を適切に分析していない

この背景を踏まえ、本研究はアクター・パートナー相互依存モデルを用いて、恋愛カップルにおけるEIと幸福感の関係を包括的に検証することを目指しました。

論文紹介 ありがとうなんとかなる 人間関係・恋愛主観的幸福・幸福測定感情・レジリエンス

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