はぴテク相談室:地域のウェルビーイングの計測指標の提案及び有効性検証
最近、引っ越しを考えていて…どの地域に住むかで幸福度って変わるものなんでしょうか?なんか漠然と不安で。
それは大事な悩みですね!実は慶應義塾大学や法政大学などの研究チームが、「地域に住む人の幸福度(主観的ウェルビーイング)」を測る指標を開発して、どんな要素が幸福感と関連しているかを調べた研究があるんです。一緒に見ていきましょう!
おお、そんな研究があるんですね!どんな要素が幸福度に関係しているんですか?
この研究では、地域での幸福感に関わる10の要素(因子)が見つかりました。その中で「人生満足度」という幸福感の代表的な尺度との相関が最も高かったのが、**F7:健康状態(相関係数0.61)**だったんです。これはイメージしやすいですよね?
健康が大事なのはわかります!他にはどんな要素がありましたか?意外なものとかありましたか?
2番目に相関が高かったのが、F5:居住空間の快適さ(0.51)だったんです。「部屋が快適かどうか」ってシンプルに思えますが、意外と幸福感とかなり関連していたんですね。続いてF9:地域との相性(0.49)、つまり「この街、自分に合ってるな」という感覚も大事みたいです。
「地域との相性」って面白い表現ですね。近所の人とのつながりはどうでしょう?人間関係って幸福度に大きく影響しそうで…
**F6:つながりと感謝(0.41)**も確かに関連していましたが、順位としては真ん中あたりでした。研究者の方も「もう少し高いかな」と思っていたようです。都市部では近所とのつながりがあまりなくても幸せな方も一定数いる可能性があって、地域差があるのかもしれませんね。
じゃあ「地域の行政や地元への誇り」みたいなものはどうですか?
それも入っています!**F1:ダイナミズムと誇り(0.41)とF10:地域行政への信頼(0.37)**も関連が見られました。「この街、活気があっていいな」「行政ちゃんとしてるな」という感覚も幸福感と結びついているんですね。
逆に、幸福度を下げる要素はあったんですか?
面白いことに、**F8:過干渉と不寛容(-0.08)とF3:生活ルールの秩序(-0.16)**は幸福感と負の相関、つまり「こういう要素が強い地域ほど幸福感がやや低い傾向」が見られました。ただ相関の値はとても小さいので、極端に強く影響しているわけではなさそうです。
「過干渉と不寛容」が意外と低い数値なんですね。もっと幸福度を下げると思ってました。
そうなんです。研究者の方も同じことを感じていて、「過干渉があっても、そこからつながりが生まれている面もあるのかも」と考察しています。数字だけじゃ見えない複雑さがありますよね。
引っ越し先を選ぶとき、何を意識したらいいですかね?
この研究の結果をもとにするなら、①自分の健康を維持しやすい環境か、②居住空間が快適か(部屋や周辺環境)、③「この街、自分に合っているかも」という感覚があるか、この3つを自分なりにチェックしてみるといいかもしれませんね。ただこれはあくまで「相関」の研究なので、「この条件を満たせば必ず幸せになる」とは言えない点だけ注意してくださいね!
■ 今日のまとめ
- 健康状態・居住空間の快適さ・地域との相性が、地域での幸福感と特に強く関連していることが研究で示されました。
- 近所とのつながりや地域への誇り・行政への信頼も幸福感と関連していましたが、都市部など地域差がある可能性があります。
- 過干渉や生活ルールの秩序は幸福感と負の相関が見られましたが、その関連はごく小さく、複雑な側面もありそうです。
■ 出典・注意事項
- 井上亮太郎・保井俊之・高尾真紀子・佐竹麗・前野隆司「ウェルビーイングを陽に考慮したシステムデザイン方法論 ― 第2報:地域のウェルビーイングの計測指標の提案及び有効性検証 ―」『日本システムデザイン学会誌』2025年, https://www.sdsj.org/wp-content/uploads/2025/05/J_SDSJ_V5N2_01_All.pdf
- 【注意事項】本研究で示された数値は「相関」であり、因果関係(〇〇が原因で幸福度が上がる)を示すものではありません。
- 【注意事項】調査対象の地域・属性・時期によって結果が異なる可能性があり、すべての人・地域に一般化できるわけではありません。
研究自体の紹介はこちら😊
地域のウェルビーイングの計測指標の提案及び有効性検証
https://wellbeing-archive.pages.dev/posts/2025-05-31-1748728808/