2025.05.11

はぴテク相談室:地域幸福度LWCIの'重要だと思う度'と'幸福度への貢献度

相談者

最近、なんか満たされない感じがするんですよね。収入もそこそこあるし、住んでる街も安全だし、別に不満があるわけじゃないんですけど…なぜか幸せを実感できなくて。

はぴテクさん
はぴテクさん

それは大切な気づきだと思いますよ。実は最近、とても興味深い研究が出たんです。東京大学の研究チームが1394名の日本人を対象に「自分が幸せに重要だと思っていること」と「実際に幸福感に効いていること」を比べてみたんですね。そしたら、この2つがけっこうズレていることが分かったんです。

相談者

ズレている?どういうことですか?

はぴテクさん
はぴテクさん

たとえば「まともな収入を得る機会がある」という項目は、重要だと思う順位では13位と上位なんですが、実際に幸福感への貢献度となると34位でかなり低いんです。一方、「私は自分自身を好ましく感じる」という自己効力感の項目は、重要度ランキングでは14位なのに、幸福感への貢献度ではなんと1位なんですよ。

相談者

えっ、自分を好ましく感じること、ですか。なんか地味に聞こえるけど、それが一番幸せに効くんですね。

はぴテクさん
はぴテクさん

そうなんです。「地味だけど実は効く」ものが結構あって。もう一つ面白いのが、「私が住んでいる地域には新しいことに挑戦して成長する機会がある」という項目。重要度は26位なのに、貢献度は4位なんですよ。挑戦や成長の機会って、意外と自分では重要だと思っていないけれど、実際の幸福感とはかなり結びついているみたいです。

相談者

確かに最近、新しいことに挑戦する機会ってほとんどないかも。毎日同じルーティンで…。

はぴテクさん
はぴテクさん

それ、すごく大事な観察だと思います。さらにこの研究では、「将来の世代に良い環境と文化を残したい」という項目も重要度は28位なのに貢献度では5位、そして「町の人が困っているときに助ける」という利他的な行動が重要度34位→貢献度7位という結果でした。自分のためだけでなく、誰かのために・未来のために、という視点が幸福感と関係している可能性がある、というのはとても示唆深いですよね。

相談者

誰かを助けることが自分の幸せに関係しているって、なんか腑に落ちる気もします。ボランティアとか地域活動とか、最近全然やってないなぁ。

はぴテクさん
はぴテクさん

一方で、「街が安全である」「教育機会がある」「子育て支援がある」といった項目は、統計上は幸福感への貢献度がむしろマイナスになっていたんです。これはちょっと不思議ですよね。

相談者

マイナス?安全とか教育って大事じゃないんですか?

はぴテクさん
はぴテクさん

研究者の方も「なぜだろう」と考えていて、いくつかの可能性を挙げています。たとえば「恩恵を受けている人が限られている」「当たり前すぎて満足感を感じにくい」「その背後に別の要因が隠れている」などです。ただ、これはあくまでも相関の分析なので、安全や教育が幸せに悪いと言っているわけではないんです。統計の読み方として、このあたりはまだ慎重に考える必要があるところですね。

相談者

なるほど。じゃあ、「安全で収入もある、不満もない」という状態でも幸せを実感しにくいことってあるんですね。

はぴテクさん
はぴテクさん

そう言えるかもしれません。この研究が示しているのは、「自分を好ましく感じているか」「成長や挑戦の機会があるか」「誰かや未来のために動いているか」「地域の雰囲気が自分にとって心地よいか」「自宅に居心地のいい場所があるか」といったことが、実際の幸福感とより強く関連していた、ということです。整っているように見える環境の中でも、こういった側面が薄いと、満たされない感覚につながる可能性があるかもしれませんね。

相談者

なんか、自分に足りないものが少し見えてきた気がします。収入や安全以外のところを、もう少し意識してみようと思います。

はぴテクさん
はぴテクさん

それは素晴らしい気づきだと思います。ただ一つ付け加えると、この研究は日本人1394名へのオンライン調査の結果で、あくまで「こういう傾向がある」という話です。あなた自身にとって何が大切かは、また個人によって違うので、今日の話はあくまでも「幸せを考えるヒント」として使っていただければと思います😊

■ 今日のまとめ

  • 「自分を好ましく感じる(自己効力感)」は、重要だと思う順位は14位なのに実際の幸福感への貢献度は1位。自己肯定感は幸福感と強く関連している可能性がある。
  • 「挑戦・成長の機会」「将来世代への貢献」「利他的な行動」なども、重要だと思われていないのに幸福感との関連が高い傾向があった。
  • 収入や安全・インフラなど「整っているはずのもの」が幸福感への貢献度で低かったり、むしろマイナスの相関を示す場合も。幸せの要因は自分が思っているものとズレていることがある。

■ 出典・注意事項

  • 出典:Kudo et al. (2025). Multidimensional Analysis of Well-Being Domains in Japan: Fulfillment, Importance, and Contribution to Overall Well-Being. Urban Science, 9(5), 155. https://www.mdpi.com/2413-8851/9/5/155

  • 注意事項①:本研究は横断的なオンライン調査(n=1394)に基づく相関分析であり、因果関係を示すものではありません。

  • 注意事項②:対象は日本人成人(オンライン調査回答者)であり、特定の地域・層に偏りがある可能性があります。

  • 注意事項③:幸福感への貢献度がマイナスだった項目(安全・教育・子育て支援など)については、研究者自身も解釈に慎重であり、「その要因が幸せに悪い」と結論づけるものではありません。

  • 注意事項④:幸福感には個人差が大きく、本研究の集団レベルの傾向が個人に直接当てはまるとは限りません。

投稿者によるコメント・補足(1件)
コメント 1

研究自体の紹介はこちら😊
地域幸福度LWCIの'重要だと思う度'と'幸福度への貢献度
https://wellbeing-archive.pages.dev/posts/2025-05-11-1747000808/

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