2025.05.06

はぴテク相談室:子供時代の自然体験は、大人になってからの幸福度を高める。

相談者

最近、なんとなく気分が晴れなくて…。職場も家もずっと室内で、外に出ることがほとんどないんです。これって幸福度に関係あるんでしょうか?

はぴテクさん
はぴテクさん

気分が晴れない感じ、つらいですよね。実は、自然と幸福度の関係を調べた興味深い研究があるんです。神戸大学の内山先生らが、東京・横浜・大阪・神戸に住む3500人を対象に調査したもので、自然への訪問頻度と幸福度の間に正の相関があることが分かっています。特に都市部に住む人ほど、その関連が強く出ていたんですよ。

相談者

へえ、都市部の人ほど効果が大きいんですね。でも公園に行く程度でも変わるものなんでしょうか?

はぴテクさん
はぴテクさん

そうなんです!この研究では「自然訪問の頻度」が幸福感の複数の指標と関連していました。都市化度が高い地域——つまり緑が少ない環境——ほど、意識的に自然を訪れることが重要だという結果になっています。近所の公園でも、緑のある場所に足を運ぶことは十分「自然訪問」に当たりますよ。

相談者

なるほど。ちなみに「幸福感の指標」って具体的にどんなことを測ってるんですか?

はぴテクさん
はぴテクさん

この研究では、大きく三つの側面を見ています。①自分の健康状態をどう感じているか(自己評価健康度)、②生活にどれくらい満足しているか(生活満足度)、③人生に目的や意味を感じているか(人生の目的)、そして④心理的な苦痛の度合い(K6という尺度)です。自然との関わりはこれらと幅広く関連していたんですね。

相談者

面白いですね。ところで、お金に余裕がある地域とそうでない地域で違いはあるんでしょうか?

はぴテクさん
はぴテクさん

鋭い質問です!実はそこも研究で明らかになっていて、経済的に恵まれていない地域に住む人は、自然訪問が特に「健康面」と関連していました。一方、経済的に恵まれた地域の人は、「生活満足度」や「人生の目的」といった精神的な充実感との関連が強かったんです。同じ自然体験でも、置かれた環境によって関連の仕方が少し違うのが興味深いですよね。

相談者

そうなんですね。自分は都市部に住んでいるので、意識的に出かけてみようかな。ところで、子供のころに自然で遊んだ記憶があるんですが、それって今の自分に何か関係しているんでしょうか?

はぴテクさん
はぴテクさん

実は、それもこの研究で調べられているんです!子供時代に自然体験をした人は、大人になってからの自己評価健康度が高く、心理的苦痛が低い傾向があることが分かりました。しかも、この関連は「現在どのくらい自然を訪れているか」や「今の住環境」を考慮しても残っていたんです。子供のころの自然体験が、長期的に何らかの関連を持ち続けている可能性を示していますね。

相談者

それは驚きです!では、今の自分にできることと、将来の子供たちへの関わり方、両方考えなきゃいけませんね。

はぴテクさん
はぴテクさん

まさにそうですね。この研究は「自然への公平なアクセスと幼少期の自然体験が、特に経済的に厳しい地域において公衆衛生にとって重要」と結論付けています。個人レベルでは意識的に自然を訪れること、社会レベルでは子供たちが自然と触れ合える環境を整えることが大切だと示唆しています。

相談者

じゃあ、まず週末に近くの公園や緑のある場所に行ってみるところから始めてみます。でも、自然に行けば必ず幸福度が上がるという保証はあるんでしょうか?

はぴテクさん
はぴテクさん

そこは正直にお伝えしておきたいのですが、この研究は「相関関係」を調べたものです。自然訪問が幸福度を「直接上げる」という因果関係が証明されたわけではありません。もともと健康な人が自然に行きやすい、という逆の可能性も否定できないんです。ただ、関連があることは確かなので、気持ちよく過ごせる自然の場所に足を向けてみる価値はありそうですよ。

相談者

正直に教えてくれてありがとうございます。科学的に完璧じゃなくても、自分が気持ちいいと感じる行動をとることが大事なんですね。今日は具体的なヒントをたくさんもらえました!

はぴテクさん
はぴテクさん

そうです、その通りです!「主観的に自然とつながっていると感じること」も幸福度と関連していたとこの研究では示されています。公園でぼーっと木を眺めるだけでも、自然を感じる気持ちは育てられますよ。ぜひ小さな一歩から試してみてくださいね😊

■ 今日のまとめ

  • 都市部に住む人ほど、意識的に自然を訪れることと幸福感の関連が強い傾向があります。緑が少ない環境だからこそ、公園などへ足を運ぶことが大切です。
  • 経済的に恵まれていない地域では自然訪問が健康感と、恵まれた地域では生活満足度や人生の目的意識と関連するなど、地域の状況によって関連の仕方が異なります。
  • 子供時代の自然体験は、大人になってからの自己評価健康度の高さや心理的苦痛の低さと関連しており、現在の住環境や自然訪問頻度を考慮してもその関連が残っていることが示されています。

■ 出典・注意事項

  • 内山ら「自然との客観的・主観的関係性と人間の幸福感の関連性:日本の大都市における住民にとっての重要要因と不平等への対策(Association between objective and subjective relatedness to nature and human well-being: Key factors for residents and possible measures for inequality in Japan's megacities)」Landscape and Urban Planning, 2025年5月7日 https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0169204625000842

  • 【注意事項】本研究は相関研究であり、自然体験が幸福度を直接高めるという因果関係は証明されていません。もともと健康・幸福な人が自然に行きやすいなど、逆の方向性や第三の要因が関与している可能性があります。

  • 【注意事項】対象は日本の東京・横浜・大阪・神戸の都市圏に住む3500人であり、農村部や他国・他地域の住民にそのまま当てはめられるかは不明です。

  • 【注意事項】子供時代の自然体験は自己申告によるものであり、記憶の誤りやバイアスが含まれる可能性があります。

投稿者によるコメント・補足(1件)
コメント 1

研究自体の紹介はこちら😊
子供時代の自然体験は、大人になってからの幸福度を高める。
https://wellbeing-archive.pages.dev/posts/2025-05-06-1746568802/

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