はぴテク相談室:一日一善
最近なんかずっとモヤモヤしてて、ネガティブな気持ちが抜けないんですよね。何か日常でできることってありますか?
それはつらいですね。実は最近、面白い研究が出たんですよ。「一日一善」をテーマにした心理教育プログラムで、大学生のネガティブな感情が軽減されたという結果が報告されているんです。
一日一善って、なんか昔ながらの言葉ですよね。それって本当に効果があるんですか?
そうなんです、仏教の教えをベースにしたプログラムなんですよ。ルールはシンプルで3つだけ。①自分が「善い」と思う行いをする、②できれば特定の人じゃなく、広く他の人に向けた行いだとより望ましい、③その日の終わりに振り返って「あ、これが一善だったかも」と気づく形でもOK、というものです。
「自分が善いと思う行い」って、かなり広いですね。どんなことでもいいんですか?
そうなんです、すごく柔軟なんですよ。電車でお年寄りに席を譲る、友達の話をちゃんと聞いてあげる、ゴミを拾う…そういった小さなことでOK。しかも、その場で「よし、一善するぞ!」って意識しなくても、後で振り返って「あの行動って一善だったな」と気づいてもカウントしていいんです。
それは気楽でいいですね。で、研究ではどのくらいの期間やったんですか?
介入したのは最初の1週間だけです。しかも2週目は「自由に過ごしていいよ」と特定の指示を与えなかった。それでもネガティブな感情の軽減が見られたというのが、この研究の報告なんです。
たった1週間でそんな変化が出るんですね!なんでネガティブな気持ちが減るんでしょう?
研究ではそのメカニズムまでは詳しく断定していないのですが、「人のために何かした」という振り返りの習慣自体が、自分の行動に意味を見出すきっかけになるのかもしれないと考えられています。ただ、これはあくまで相関として見られた変化なので、「一日一善をやれば必ずネガティブ感情が減る」と断言はできません。
正直に教えてくれてありがとうございます。振り返る、って部分が大事そうですね。
そこがポイントだと思います!「何か善いことしたかな?」と一日を丁寧に振り返る時間を持つこと自体が、自分の行動を見直すきっかけになりますよね。友達に「今日何か善いことした?」って聞いてもいいというルールも面白くて、誰かと一緒に振り返る仕組みになっているんですよ。
友達と一緒にやるのも楽しそう!でも、これって大学生対象の研究ですよね?私にも使えますか?
その点は正直にお伝えしますね。この研究は大学生を対象にした試行的な検討で、まだ研究としても「試行的」という段階です。なので、年齢や状況が異なる人にそのまま当てはまるかどうかは、今の段階ではわからないんです。でも、「自分が善いと思う行いを振り返る」という習慣自体は、日常に取り入れやすいアイデアとして参考にできると思いますよ。
なるほど。まず1週間だけ試してみようかな、という気になってきました!
いいですね!ハードルが高くないのがこのプログラムの魅力だと思います。「完璧な善行」じゃなくていい、後から気づいてもいい、というゆるさが続けやすさにつながっているのかもしれませんね。ぜひ1日の終わりに「今日の一善はなんだったかな」とちょっと振り返る時間を作ってみてください😊
■ 今日のまとめ
- 「一日一善」は、自分が善いと思う小さな行いをして、その日の終わりに振り返るシンプルなプログラムです。
- 1週間の介入でも大学生のネガティブな感情の軽減が見られたと報告されていますが、相関として観察された結果であり、必ず効果が出ると断言できるものではありません。
- その場で意識しなくても後から振り返ってOK・友達に確認してもOKという「ゆるさ」が、日常に取り入れやすい工夫になっています。
■ 出典・注意事項
- 土居 正人・後藤 泰斗・藤原 友則(2025)「一日一善心理教育プログラムによる心理的効果の試行的検討――大学生における自傷傾向及びネガティブ感情の軽減に向けて――」青年心理学研究, 36(2), 65. https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsyap/36/2/36_65/_pdf
- 【注意事項】本研究は大学生を対象とした試行的検討であり、他の年齢層や状況への一般化には限界があります。また報告された変化は相関として観察されたものであり、一日一善がネガティブ感情の軽減を直接引き起こすという因果関係が証明されたわけではありません。
研究自体の紹介はこちら😊
一日一善
https://wellbeing-archive.pages.dev/posts/2025-05-01-1746137101/