はぴテク相談室:民主主義国家は、善意な人が多く、幸福度が高い。
最近、なんか社会全体がギスギスしてる気がして…。職場でも周りの人を信用できなかったり、ニュース見ても嫌な気持ちになることが多くて。これって私だけじゃなくて、社会の空気みたいなものが影響してるんですかね?
それ、すごく大事な感覚だと思います。実は最近、面白い研究が出ていて、「社会の仕組み」と「そこに住む人の性格や幸福感」には関連があることが示されているんですよ。
社会の仕組みと性格が関係してるんですか?それってどういうことですか?
2025年に発表されたノーステキサス大学のニューマン先生たちの研究で、75カ国・20万人以上のデータを分析したんです。すると、その国の「民主主義の度合い」が高いほど、国民に善良な性格特性が多く、逆に悪意のある性格特性が少なく、幸福度も高かったという関連が見られたんですね。
善良な性格とか悪意のある性格って、具体的にどういうことですか?
善良な性格というのは、「人を信頼できる」「人間性を大切にする」「道徳観がある」といったものです。一方、悪意のある性格は「ダークトライアド」と呼ばれる3つの特性、つまり**マキャベリズム(目的のためなら人を操っても良いという考え方)、サイコパシー(共感の乏しさや衝動性)、ナルシシズム(過度な自己中心性)**のことですね。
なるほど。じゃあ日本はどうなんでしょう?日本って民主主義ですよね?
実は日本は「完全な民主主義」ではなく、「不完全な民主主義」に分類されているんです。理由としては、投票率の低さや市民の政治参加の少なさ、一党が長期間優勢な政治文化、ジェンダー平等の遅れ、メディアの独立性への懸念などが挙げられています。ちなみにアメリカも2016年以降、政治の分極化や市民の信頼低下などを理由に「不完全な民主主義」に格下げされています。
じゃあノルウェーとかスウェーデンは幸福度ランキングでも上位ですよね。あれって関係あるんですかね?
まさにその通りで、ノルウェー・スウェーデン・デンマーク・ニュージーランド・カナダなどが「完全な民主主義」に分類されています。この研究では、善良な性格特性と幸福度の関連がかなり強かったことも示されていて、民主主義→善良な特性→幸福度、という流れが見えてきます。ただし、これはあくまで相関関係であって、「民主主義が直接幸福を生む」と断言できるわけではない点は大切なポイントです。
なるほど。でも、私一個人としてはどうすればいいんでしょう。社会の仕組みを変えるのって簡単じゃないし…。
本当にそうですよね。ただ、この研究が教えてくれることの一つは、「善良な性格特性と幸福度の関連はかなり大きかった」ということです。つまり、自分の中で人への信頼や道徳観を大切にすること自体が、幸福感と結びついている可能性があるんです。社会全体を変えるのは難しくても、自分の身の回りの関係性の中で「信頼」や「思いやり」を意識することは、自分のウェルビーイングにとって意味があるかもしれません。
それは確かに…。周りを疑ってばかりより、信頼できる関係を大切にした方が自分も楽ですよね。
そうなんです。そしてもう一つの視点として、「政治参加の低さ」が日本の民主主義度を下げている要因の一つでもあります。投票に行くとか、社会のことを話し合うとか、そういった小さな行動の積み重ねが、長い目で見れば社会の雰囲気にも影響するかもしれません。もちろんすぐに変わるものではないですが、「社会と自分は繋がっている」と感じることは意味があると思いますよ。
なんか、社会のことって「どうせ変わらない」って思いがちだったんですけど、少し見方が変わりました。善意を持つことが自分の幸せにもつながってるって考えると、前向きになれる気がします。
それが一番のポイントかもしれません。この研究は「善良な性格特性が幸福と強く関連している」ということを大規模なデータで示してくれています。社会の仕組みは簡単には変わらなくても、自分の中の「善意」を育てることは、今日からでもできることですよね。
■ 今日のまとめ
- 民主主義度が高い国ほど、国民に善良な性格特性が多く、悪意のある特性が少なく、幸福度が高いという関連が75カ国・20万人超のデータで示された(相関関係)。
- 善良な性格特性(人への信頼・道徳観など)と幸福度の関連は特に強く、日常の中で「善意」を大切にすることが自分のウェルビーイングと結びついている可能性がある。
- 日本は「不完全な民主主義」に分類されており、政治参加の低さやジェンダー平等の遅れなどが要因。社会と自分のつながりを意識することにも意味があるかもしれない。
■ 出典・注意事項
- 出典:Craig S. Neumann, Scott Barry Kaufman, Leanne ten Brinke, 'Citizens in democratic countries have more benevolent traits, fewer malevolent traits, and greater well-being', Scientific Reports, 2025/4/17. https://www.nature.com/articles/s41598-025-97001-7
- 注意事項①【相関であって因果ではない】:この研究は民主主義度・性格特性・幸福度の『関連(相関)』を示したものであり、民主主義が直接これらを引き起こすと証明したわけではありません。
- 注意事項②【自己報告データの限界】:性格特性や幸福度は参加者の自己申告によるものであり、国によって回答バイアスが生じる可能性があります。
- 注意事項③【対象集団の限界】:75カ国のオンライン調査参加者が対象であり、各国の全国民を代表するサンプルではない点に留意が必要です。
研究自体の紹介はこちら😊
民主主義国家は、善意な人が多く、幸福度が高い。
https://wellbeing-archive.pages.dev/posts/2025-04-21-1745278908/