2025.04.21

民主主義国家は、善意な人が多く、幸福度が高い。

というノーステキサス大学のニューマン先生らによる最新の研究😊

国の民主主義度と、性格の善良性(人間への信頼、人間性、道徳観)と、性格の悪性(ダークトライアド:マキャベリズム・サイコパシー・ナルシシズム)

の関係性を見たよ。

すると、

民主主義度が高いほど、国民の善良性が高く、悪性が低く、幸福度が高かった。

そうです。

(善良性→幸福度の影響はかなり大きかった😍)

ーー

ちなみに、民主主義度は、↓あたりが高いと、高い。

・基本的な政治的自由と市民的自由が尊重されている

・政治文化が民主的な価値観を支持している

・民主的統治の機能に重大な問題がない

・司法が独立し、裁判が公正に行われる

・メディアが独立している

・開かれた政治的競争と市民社会を持っている

ーー

なお、民主主義度は、↓の4レベルに分けられています。

独裁制:中国、ロシアなど

独裁制と民主主義のハイブリッド:トルコ、メキシコなど

不完全な民主主義:日本、アメリカ、フランス、インドなど

完全な民主主義:ノルウェー、スウェーデン、デンマーク、ニュージーランド、カナダなど。

日本は、

政治参加の低さ(投票率や市民の政治活動への参加が低い)

政治文化の低さ(一党独占、政治的多様性の低さ)

ジェンダー平等の遅れ(政治における女性の少なさ)

メディアの独立性に関する懸念(記者クラブ)

などによって、不完全な民主主義となっておりました。

アメリカも、元々は完全な民主主義だったのですが、2016に不完全な民主主義に変更。

政治の分極化や、市民の信頼低下、政治資金の影響力の大きさなどが理由だそうです。

ーーー 

民主主義国家の国民は、善意の性格が多く、悪意の性格が少なく、幸福度が高い。

Citizens in democratic countries have more benevolent traits, fewer malevolent traits, and greater well-being

2025/4/17,scientific reports

Craig S. Neumann、Scott Barry Kaufman、Leanne ten Brinke

https://www.nature.com/articles/s41598-025-97001-7

研究によると、国の民主主義の度合いはその国民の特定の特徴と相関関係にあることが示唆されている。疑問は、異なるタイプの政府(例:独裁制対民主制)が特定の性格傾向や国民の幸福と関連しているかどうかである。我々はこの問題に、75か国から20万人以上のサンプルを用いて取り組んだ。構造方程式モデリングと強力な測定不変性アプローチを使用して、国の政府タイプ(独裁制、ハイブリッド、欠陥のある民主主義、完全な民主主義)と、国民の社会的に嫌悪的な(悪意のある)特性と親和的な(善意のある)特性の報告との関連性をテストした。政府が独裁制から完全な民主主義まで変化するにつれて、悪意のある特性は低下し、善意のある特性は上昇した。さらに、確立された定量的民主主義指標は、サンプル全体で善意のある特性が高く悪意のある特性が低いことを予測したが、善意のある特性のみが幸福と強く関連していた。調査結果は、政府と性格特性の関連性、そして民主主義の実践が国民の幸福にどのような影響を与えるかを明らかにしている。

民主主義国の市民は善意特性が高く悪意特性が低い 75ヵ国20万人を対象とした大規模研究からの知見 民主主義の度合いが高い国ほど、市民の善意的特性は高く、悪意的特性は低い傾向にあり、その市民の幸福度も高いことが示された大規模機械 原著者: Craig S. Neumann, Scott Barry Kaufman, Leanne ten Brinke 掲載: Scientific Reports (2025) ※Nature誌「Scientific Reports」掲載研究の内容をもとに作成 研究の背景と目的 研究の背景 世界的な民主主義の変化 ・過去10年間にわたって世界的に民主主義が衰退傾向 ・権威主義的な政府・リーダーの台頭と関連 ・民主主義の後退に市民の特性が重要な役割を果たす可能性 従来の研究では: ・政治家のパーソナリティ特性に注目した研究が多いが、市民の特性の重要性も指摘される ・市民の価値観や選挙的志向性が民主主義の正当性に影響 ・政府タイプと市民の特性の関連を体系的に調査する必要性 研究の焦点:善意的特性と悪意的特性 善意的特性(benevolent traits) ・人間性(Humanism) ・人間への信頼(Faith in humanity) ・カント的選擇觀(Kantianism) ・共感や思いやりと関連 悪意的特性(malevolent traits) ・マキャベリアニズム ・サイコパス傾向 ・自己愛(ナルシシズム) ・共感の欠如や反社会的行動と関連 研究目的 ・国家の民主主義の度合いと市民の善意的・悪意的特性の関連を検証 ・75ヵ国の20万人以上という大規模サンプルで検証 ・構造方程式モデリングを用いた厳密な分析方法の適用 ・市民の性格特性と幸福度の関連についても検証 2/12 研究方法 研究対象 247,981 参加者総数 75 対象国 参加者の属性 ・性別:女性47.3% ・年齢:18歳~80歳以上(18-29歳が35.6%) ・教育レベル:大学卒39.6%、大学院修士21.6% ・収入:35,000ドル未満40.6% データ収集方法 2019年~2020年にウェブサイトを通じて匿名アンケートを実施 ・オンラインプラットフォームを使用(GuidedTrack.com) ・参加者は自主的にウェブサイトを訪問し回答 ・回答時間は平均3~5分 測定指標 パーソナリティ特性の測定 善意的特性の測定 Light Triad Scale (LTS) ・人間への信頼 ・人間性 ・カント的道徳観 悪意的特性の測定 Dirty Dozen (DD) ・マキャベリズム ・サイコパシー ・ナルシシズム 幸福度の測定 ・生活満足度(「あなたの生活全般にどの程度満足していますか?」) ・仕事満足度(「あなたの現在の仕事にどの程度満足していますか?」) ・いずれも7段階評価 分析方法 ・構造方程式モデリング(SEM):パーソナリティ特性の構造分析 ・多群間比較モデル:異なる段階タイプでの測定不変性検証 ・民主主義指標: - エコノミスト・インテリジェンス・ユニット(EIU)指標 - フリーダム・ハウス(FH)指標 3/12 政府タイプの分類 エコノミスト・インテリジェンス・ユニット(EIU) EIUの2021年民主主義指標に基づく4つの政府タイプ 専制的政府(Autocratic) 政治的自由の制限や選挙の不正が顕著 3,318人の参加者 混合型政府(Hybrid) 選挙に不備あり、政府の機能に問題 3,422人の参加者 不完全な民主主義(Flawed) 自由で公正な選挙があるが、民主的側面に弱点 127,150人の参加者 完全な民主主義(Full) 市民的自由と政治文化が確立される 88,053人の参加者 EIU指標の評価項目: ・選挙プロセスと多元主義 ・政府の機能 ・政治参加 ・政治文化 ・市民的自由 フリーダム・ハウス(FH) FHの2021年民主主義指標に基づく3つの政府タイプ 非自由国(Not Free) 基本的政治と市民的自由に厳しい制約 部分的自由国(Partly Free) 限定的な政治的権利と市民的自由 自由国(Free) 政治的権利と市民的自由が保障 FH指標の評価項目: ・政治的権利プロセス、政治的多元主義など) ・市民的自由(表現・信仰の自由、結社の権利など) 研究手法における重要点 ・両指標を用いて分析することで結果の頑健性を確認 ・多群間の測定不完全性を確認し、政府タイプ間の比較の妥当性を検証 ・各国の民主主義度を参加者の居住国に紐づけて分析 4/12 研究結果:モデル分析 2因子モデルの構造 人間への信頼 0.80 人間性 0.2 カント的選択観 0.48 善意的特性 r = -0.39 0.97キャベリアニズム -0.83 -0.83 サイコパシー 0.87ナルシシズム -0.83記(サイコパシー選択観) モデル適合度: CFI=0.90, RMSEA=0.06 特性の構造に関する主な発見 善意的特性の構成要素 人間への信頼 他者の苦楽さを信じる傾向 人間性 人間の尊厳と価値を重視 カント的選択観 人を目的として扱い、手段としてのみ扱わない 悪意的特性の構成要素 マキャベリアニズム 操作的・戦略的傾向 サイコパシー 冷淡さ・共感の欠如 ナルシシズム 自己賞賛・自己中心性 重要ポイント ・これらの特性は選択的なもであり、カテゴリカルな区分ではない ・個人は両方の特性を様々な程度で有する合わせている ・傷ついたモデル適合度は、この2因子構造の妥当性を支持する ・多国間の測定不変性が確認され、文化間比較が可能 5/12 主な研究結果:政府タイプと市民の特性の関連 政府の種類と市民の特性の関係 フリーダム・ハウス指標による検証 善意的特性 悪意的特性 善意的特性 悪意的特性 +0.22 +0.45 +0.56 +0.30 +0.62 0 0 -0.20 -0.42 -0.59 -0.23 -0.50 0 0 政府 政府 民主主義* 民主主義* (Not Free) (Partly Free) (Free) 図:EIU分類による政府タイプ別の市民の特性值(専制的政治をロした相対値) 図:フリーダム・ハウス分類による政府タイプ別の市民の特性値 主な見見 結果の解釈 • 専制的政府から完全な民主主義へ移行するについて、善意的特性が上昇 ・2つの異なる民主主義指標(EIU sFH)を用いても結果は一貫 • 同時に、悪意的特性は低下 • 政府タイプの違いによる特性の違いは中~大規模度の効果量を示す • 全ての比較において統計的に有意差(p < 0.001) • 専制的/非自由国と完全な民主主義/自由国を比較すると、市民の特性にC0.5 • これらの関係は共変(年齢、性別、収入、教育レベル)を統制しても維持 ~0.6単位の差 • この結果は複数の頑健性チェックを通じて確認された 重要ポイント ご関係は相関関係を示すものであり、因果関係を直接的に示すのではない。統計的に有意であり、効果量が高いので、政府と市民の特性間の影響の方向性については双方向的である可能性もある。 6
投稿者によるコメント・補足(1件)
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本研究のウェルビーイング小話はこちら😊
はぴテク相談室:民主主義国家は、善意な人が多く、幸福度が高い。
https://wellbeing-archive.pages.dev/posts/2025-04-21-1745278909/

論文紹介 ありがとう 主観的幸福・幸福測定文化と幸福・日本的幸福感謝・親切・向社会性

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