2025.04.06

ヒンドゥー教における幸せの概念

ポジティブ心理学の観点からヒンドゥー教(ヒンズー教)を見る。という面白い論説がありました😊

そして、ヒンドゥー教、不勉強でしたが、面白いですね😍

かなりポジティブ心理学にも近い。

スカ・ドゥカの二元論から入って、サット・チット・アーナンダという二元論を超えた世界に入る。というのも、面白いなぁ。

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幸福に至るには、

まず現状に気づき、行動を選択し、そして最高状態に入っていく。

気づき:スカ(幸福)-ドゥカ(苦)

 スカは優れた状態のことなので、まさにウェルビーイング

 ※スカの主要な決定要因は、「すべての人の幸福への願い」😍

選択:シュレーヤスとプレーヤス

 シュレーヤス:幸福を高める行動

 プレーヤス:感覚的快楽として偽装された罠

最高状態:サット(真理)・チット(意識)・アーナンダ(至福)

 サット:他者への調和のとれた見方や愛と所属感

 チット:自分の志向、言葉、感情、行動に対する責任感

 アーナンダ:外部事象に左右されない喜びの状態維持能力

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そして、別論文から尺度も足して、gensparkさんにスライドにしてもらったのを添付します。

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心理学的なレンズを通してヒンドゥー教を理解する

Understanding Hinduism from a Psychological Lens

Religious and Spiritual Practices in India ,2023/8/1

https://www.researchgate.net/publication/372797904_Understanding_Hinduism_from_a_Psychological_Lens

ヒンズー教は、世界中に何百万人もの信者がいる世界的な宗教です。ヒンズー教には、人間の行動を理解するのに役立ついくつかの学派が組み込まれています。この章では、人間の行動の心理学的理解を助けるヒンズー教の原則と構成のいくつかについて説明します。この章では、ヒンズー教の起源と基本的教義について簡単に説明します。サナータナ・ダルマとカルマの教義について説明し、ヒンズー教の聖典とシンボルの重要性を概説します。次に、ヨガのヒンズー哲学、特にアシュタンガ・ヨガを検討し、それを採用することでどのように健康上の利点が得られるかを検討します。次に、トリグナ、トリドーシャ、ヴィカラ、アナサクティなど、ヴェーダの性格のいくつかの側面について説明します。この章の最後のセクションでは、ヒンドゥー教の幸福と健康のモデルであるSukha と duḥkha、Śreyas と Preyas、Sat-chit-anandaについて説明し、主流の幸福理論との類似点を示します。結論として、ヒンドゥー教内であまり研究されていない概念と主流の心理学的概念との関連性を調べるための将来の研究の必要性を強調しています。

投稿者によるコメント・補足(2件)
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■論説の全体像

1. ヒンドゥー教の起源と基本的概念

起源と名称:

  • 「ヒンドゥー」という言葉はペルシア語の「シンドゥ」に由来し、インダス川周辺に住む人々を指していました
  • もともと地理的なアイデンティティであり、宗教的アイデンティティとしての「ヒンドゥー」はイギリス植民地時代に、キリスト教徒やイスラム教徒と区別するために用いられるようになりました
  • 世界で3番目に大きな宗教で、インドでは約9億6630万人(全人口の79.8%)がヒンドゥー教徒です

サナータナ・ダルマ(永遠の法):

  • ヴェーダに啓示された普遍的な法則で、安定した社会を維持するための指針
  • 以下の義務を含む:
    • サーダーラナ・ダルマ(共通の宗教的義務)
    • ヴァルナ・ダルマ(社会的地位から生じる義務)
    • アーシュラマ・ダルマ(人生の段階から生じる義務)
    • スヴァダルマ(個人化された義務)
  • 社会の各構成員が役割を果たすことで持続可能性が保証される

カルマ(業):

  • 「行為」または「行動」とその結果を指す
  • 因果関係の原則に基づき、現世または前世で行った行為の結果を個人が受けるという考え
  • 所有権と責任を強調し、困難な状況に直面し、現状を受け入れ、前進する力を与える
  • 経験的研究はまだ限られているが、向社会的行動の促進や不道徳な活動の抑止など、心理的効果が考えられる

2. アシュタンガ・ヨガ(八支則)

ヤマ(禁戒・抑制):

  • 社会的文脈での行動を導く規律
  • 5つの要素:アヒムサー(非暴力)、サティヤ(真実)、アステーヤ(不盗)、ブラフマチャリヤ(神聖な道での生活)、アパリグラハ(無所有)
  • 非暴力は行動だけでなく言葉や思考にまで及ぶ
  • 真実に基づくことは本物性と勇気の人格的強みに不可欠

ニヤマ(勧戒・自己修養):

  • シャウチャ(清浄)、サントーシャ(満足)、タパス(熱意・苦行)、スヴァーディヤーヤ(自己研究)、イーシュヴァラプラニダーナ(神への帰依)を含む
  • 清浄さは外部環境と身体だけでなく、思考や感情といった内部環境にも関わる
  • ヨガのクリヤー(浄化法)には鼻腔洗浄、腸洗浄などがあり、身体を毒素から解放し心を鋭くする

アーサナ(座法・姿勢):

  • 「スティラ・スカム・アーサナム」(安定して快適な姿勢)と定義される
  • 筋力、柔軟性、呼吸機能の向上、慢性痛の減少、ストレス・不安・抑うつ症状の軽減などの効果がある
  • 自尊心とゴール達成への動機づけを高める

プラーナーヤーマ(呼吸法):

  • 呼気と吸気のコントロールの実践
  • 知覚的ストレスの軽減、視覚・聴覚の反応時間の改善など、神経認知的、心理物理的、呼吸器的、生化学的利点がある
  • うつ病、ストレス、不安、怒りの管理などの治療に導入されている

プラティヤーハーラ(感覚の制御):

  • 感覚的執着からの離脱
  • 動物的傾向を超越し、より進化した存在へと変容する強調
  • ストレス管理のための介入法としての可能性が研究されている

ダーラナー、ディヤーナとサマーディ(集中、瞑想、三昧):

  • ダーラナーは特定の対象への集中
  • ディヤーナは選択した瞑想対象への中断のない知識の流れ
  • サマーディは認識(と認識者)の不在においてアルタ(真実)のみが支配する状態
  • これらの瞑想状態は持続的注意力、記憶力、意味的認知に関連する脳領域の活性化を示す

3. ヴェーダ的人格論

トリグナ(三性質):

  • サットヴァ(調和と均衡の質)
  • ラジャス(変化、情熱、行動の質)
  • タマス(鈍さ、精神的不均衡、怒り、抑圧の質)
  • これらは互いに依存し、様々な程度で相互作用して個性を形成する
  • サットヴァは心理的・感情的幸福感、生活満足度などと正の相関があり、タマスとラジャスは負の相関がある
  • サットヴァは変革的リーダーシップと生産性を高め、ラジャスは仕事のパフォーマンスにプラスの影響を与える

トリドーシャ(三体質):

  • アーユルヴェーダの概念で、身体の原子的・細胞的構成要素の結果として人間の個性と行動を説明
  • 人間は5つの元素(空気、水、火、地、エーテル)で構成され、これらの組み合わせが3つの体質(ドーシャ)を生み出す
  • ヴァータ:衝動的、予測不能、変動しやすい行動
  • ピッタ:鋭く、決断力があり、精密で、短気
  • カパ:安定した、着実な、徹底的な性質
  • 三ドーシャのバランスが健康な生活に不可欠

ヴィカーラ(内なる敵):

  • カーマ(欲望)、クローダ(怒り)、モーハ(執着)、ローバ(貪欲)、アハンカーラ(自我)の5種類
  • これらは個人を不安定にし、不調和をもたらす心理的苦悩
  • バガヴァッド・ギーターによると、これらは自己破壊の地獄への門

アナサクティ(無執着):

  • 自由、絶対的関与、感情的平静さによって特徴づけられる内的状態
  • このような状態にある人(アナサクト)は人、プロセス、人生の結果に巻き込まれず、内的に乱されることなく人生の浮き沈みを乗り切ることができる
  • メンタルヘルスに肯定的役割を果たし、幸福感や有意義な人生への志向と関連
コメント 2

何で、こんなに素晴らしい考え方なのに、カースト制度なんてものが作られたんですか?
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ご質問は非常に重要な点を指摘しています。ヒンドゥー教の深遠な哲学とカースト制度(階級制度)の共存は一見矛盾しているように思えます。

この矛盾には歴史的、社会的要因が関係しています:

  1. 思想と実践の乖離:
    多くの宗教や哲学体系と同様に、理想的な教えと実際の社会実践の間にはしばしば隔たりがあります。ヒンドゥー教の根本哲学は平等と一体性を重視しますが、社会制度はより複雑な発展を遂げました。

  2. 歴史的発展:
    元々のヴァルナ制度(四種姓制度)は職業や社会的役割に基づく区分であり、必ずしも生まれによる固定的なものではありませんでした。しかし、時間の経過とともに、この制度は硬直化し、出生に基づく厳格な階層制度になりました。

  3. 社会構造の複雑性:
    「サナータナ・ダルマ」(永遠の法)の概念は、社会のすべての構成員が異なる役割を果たすことで調和が生まれるという考えに基づいていました。しかし、この考えは時間とともに歪められ、特権と抑圧の正当化に利用されるようになりました。

  4. 人間の傾向:
    権力と特権を持つ集団は、自分たちの立場を正当化するために宗教的概念を再解釈する傾向があります。これはヒンドゥー教に限らず、多くの宗教や思想体系で起こる現象です。

  5. 改革運動:
    多くのヒンドゥー教思想家や改革者(ヴィヴェーカーナンダやガンディーなど)は、カースト制度の硬直性や差別的側面を批判し、ヒンドゥー教の本質的な平等思想に立ち戻るよう主張してきました。

重要なのは、宗教の根本的な哲学と、その哲学がどのように社会で実践されてきたかを区別することです。ヒンドゥー教の幸福や自己実現に関する素晴らしい概念は、社会構造の不平等と並存してきましたが、これは教えそのものの欠陥というよりも、人間社会がそれらの教えをどのように解釈し実施してきたかという問題です。

現代のヒンドゥー教徒の多くは、カースト制度の差別的側面を拒否しつつも、ヒンドゥー教の深い精神的教えを実践しています。社会は進化し続け、多くの場所で伝統的なカースト障壁は弱まってきていますが、その影響は依然として存在しています。

論文紹介 なんとかなるありのままに 文化と幸福・日本的幸福意味・目的・スピリチュアリティ主観的幸福・幸福測定

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