2025.03.22

はぴテク相談室:親子関係の質は、成人期の主観的幸福度の向上を予測する(特に日本は世界一効く❗)

相談者

こんにちは、はぴテクさん。実は最近、自分の子どもの頃のことをよく思い出してしまって…。親との関係があまり良くなかったので、それが今の自分の幸福感に影響しているのかなって気になっています。

はぴテクさん
はぴテクさん

相談してくださってありがとうございます😊 実はそれ、ハーバード大学が主導した世界最大級の幸福度調査「Global Flourishing Study」というデータを使った研究で、ちょうど調べられているんです。21カ国と香港の合わせて約20万人のデータを分析した、かなり大規模な研究です。気になる内容だと思うので、一緒に見ていきましょう!

相談者

20万人!すごい規模ですね。で、実際に親子関係って、大人になってからの幸福感に関係していたんですか?

はぴテクさん
はぴテクさん

はい、関係していることが分かりました。子どもの頃の親との関係が良かったと振り返る人ほど、大人になってからの「幸福度(繁栄指数)」やメンタルヘルスが高い傾向があったんです。効果の大きさを示す数字(標準化効果量)が0.21と0.18で、これは社会科学の研究では「大きい効果」と見なされるレベルです。しかも、調査した22のすべての地域でこの傾向が確認されました。

相談者

へえ、どこの国でも共通しているんですね。ちなみに日本はどうだったんですか?

はぴテクさん
はぴテクさん

日本について、とても興味深い結果が出ていました!実は、所得が高い国ほど親子関係の質が低い傾向がある一方で、「幸福度への影響はより大きい」という逆転現象が見られたんです。日本は香港に次いで、親子関係が幸福度に与える影響が大きかった国として浮かび上がりました。つまり日本では、親子関係の質が幸福度にとって特に重要な役割を果たしている可能性が示されています。

相談者

日本では特に大事ということですか…。ちょっと複雑な気持ちです。この研究でいう「幸福度」って、何を測っているんですか?

はぴテクさん
はぴテクさん

この研究の幸福度は「flourishing(繁栄)指数」といって、単純な「幸せかどうか」だけじゃないんです。将来への希望、人間関係への満足度、感謝の気持ち、人生に価値を感じるか、目的意識、メンタルヘルス、身体的健康など、全部で19項目を合わせたスコアです。豊かな人生を多角的に捉えようとしている指標ですね。

相談者

なるほど、幸せって一言で言っても色々な側面があるんですね。ちなみに、親子関係の質ってどうやって測るんですか?

はぴテクさん
はぴテクさん

この研究では、「子どもの頃、お父さん・お母さんから愛されていると感じていたか」「関係は良かったか悪かったか」「家族の中で部外者のように感じたことがあったか」といった5つの質問で測っています。現在じゃなく、過去を振り返って答える形式です。ただし、これは本人の「回顧的な記憶」なので、当時の実際の関係をそのまま反映しているとは限らない点は注意が必要です。

相談者

親の宗教が関係しているとも聞きましたが、それはどういうことですか?

はぴテクさん
はぴテクさん

面白い発見でしたね。世界全体で見ると、親が宗教を信じている家庭の方が、親子関係の質が高い傾向があったんです(効果量0.09)。宗教的なコミュニティやその価値観が、子育ての質を支える何らかの役割を果たしている可能性が示されています。ただし、日本ではこの宗教の影響は比較的小さかったという結果も出ていますよ。あくまで相関の話なので、宗教があれば必ず親子関係が良くなるということではありません。

相談者

そうなんですね。ところで、お金持ちの国の方が幸福度が高いとか、そういう結果ではなかったんですか?

はぴテクさん
はぴテクさん

実はここが驚きのポイントで、GDPと幸福度には負の相関、つまりGDPが高い国ほど幸福度が低い傾向があったんです!ただし一方で、「自分が金銭的に安定していると感じるか」という主観的な感覚は、幸福度と正の相関がありました。国全体の豊かさより、個人が「安定している」と感じられるかどうかの方が大切、という示唆ですね。

相談者

もし子どもの頃の親子関係があまり良くなかった場合、大人になってからはどうしたらいいんでしょう…?

はぴテクさん
はぴテクさん

大切なことをお伝えしますね。この研究は「親子関係の質と幸福度に関連がある」という相関を示したものであって、「親子関係が悪かったから幸福になれない」と決まっているわけでは全くありません😊 幸福度を高める要因は、人間関係・目的意識・感謝の習慣・コミュニティへの参加など、他にも無数に分かっています。親子関係はあくまで幸福度に関連する要素のひとつに過ぎないので、それ以外の方向からアプローチすることで十分に幸福度を高めていける可能性があります。

相談者

そう聞いて、少し気持ちが楽になりました。ありがとうございます。今日学んだことを整理してもらえますか?

はぴテクさん
はぴテクさん

もちろんです😊 今日のポイントをまとめますね。①子どもの頃の親子関係の質は、大人になってからの幸福度やメンタルヘルスと正の相関がある、というのが世界22地域で確認されました。②日本は特にこの関連が強い傾向が見られました。③ただし、これはあくまで統計的な相関であり、「親子関係が全てを決める」わけではなく、幸福度を高める方法は他にもたくさんあります。自分のペースで、自分に合った幸せの作り方を探していきましょう!

■ 今日のまとめ

  • 子どもの頃の親子関係の質は、大人になってからの幸福度(繁栄指数)やメンタルヘルスと正の相関があることが、約20万人・22地域のデータで確認された
  • 日本は高所得国の中でも特に親子関係が幸福度に関連する傾向が強く、親子関係の質が持つ意味合いが大きい可能性がある
  • ただしこれは相関研究であり、親子関係が幸福度を「決定する」わけではない。幸福度を高める方法は他にも多数あるため、親子関係以外のアプローチも有効

■ 出典・注意事項

  • Jonathan Rothwell et al., 'Parent-child relationship quality predicts higher subjective well-being in adulthood across a diverse group of countries', Communications Psychology, 2024年11月, https://www.nature.com/articles/s44271-024-00161-x

  • データはGlobal Flourishing Study(ハーバード大学主導)による21カ国・1地域・202,898人の代表サンプル

  • 【注意】本研究は横断的・回顧的なデータに基づく相関研究であり、親子関係が幸福度を「引き起こす」という因果関係を直接証明するものではありません

  • 【注意】親子関係の質は本人の回顧的な記憶で測定されており、当時の実際の関係を完全に反映しているとは限りません

  • 【注意】国ごとの比較結果(日本の影響の大きさ等)は相対的な傾向であり、個人レベルに直接当てはめることには限界があります

投稿者によるコメント・補足(1件)
コメント 1

研究自体の紹介はこちら😊
親子関係の質は、成人期の主観的幸福度の向上を予測する(特に日本は世界一効く❗)
https://wellbeing-archive.pages.dev/posts/2025-03-22-1742685182/

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