2025.02.28

幸せと生産性は相関する。そして、時間がたつにつれて、さらに生産性が高まっていく😍

オランダのエラスムス大学のファン・イージェン先生らの最新研究。

エラスムス大学ということで、幸福学のゴッドファーザー、故ルート・フェーンホーフェン先生も共著です😊

幸福と生産性の相関についての研究を整理した論文😊

生産性が○%向上するとかでなく、それぞれ相関を見ているので、ハードルはあるかもですが、めっちゃ面白いです。

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●幸福と生産性は相関する😊

 →幸福度と上司による評価の相関は平均して0.30

 →幸福度と、時間をおいてからの上司による評価の相関は平均して0.38

  (上司の評価と、時間をおいてからの幸福度の相関は平均0.24)

 ※上司からの評価では、特に目標達成、仕事の効率、チームワークが幸せだと高まる。

 ⇒"生産性→幸せ"よりも"幸せ→生産性"の影響の方が大きい

●感情的幸せと認知的幸せだと、感情的幸せの方が生産性に効く

 →上司からの評価は、感情的も認知的も同じくらい効く

 →自己評価では、感情的の方が効く

感情的幸せ:ポジティブ感情・ネガティブ感情

認知的幸せ:キャントリルの梯子など

●効果は職種によっても異なる

→管理職は、幸せが特に効く(相関約0.4)

→対人サービス従事者も、わりと効く(相関約0.32)

→学者・研究者は、あまり効かない・・・(相関0.03・・・ちょっと調査している論文も少ないので、参考までに。)

→公共部門も特に幸せが効く(相関約0.26)

●時間経過と共に、さらに生産性が高まっていく

幸せと生産性の相関は

幸福度を測った時点:0.33、1年後:0.35、2年後:0.40、3年後:0.45

と、年月がたつほどに効果が増加していた!

→幸福な状態が続くことで、ウェルビーイングの向上、活動性の増加、社会的スキルの改善などが蓄積され、それが長期的に見るとより大きな生産性の向上につながる

とのこと😊

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データの大元は、↓です😊世界の幸福研究を集めて頂いているサイト。

故ルート・フェーンホーフェン先生の大作。

■参考_世界幸福データベース

https://worlddatabaseofhappiness.eur.nl/

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■まとめ

この学術論文は、幸福と職場の生産性の関係についての包括的な研究合成を提示しています。著者のYizhen Fang、Ruut Veenhoven、Martijn J. Burgerは、World Database of Happinessのデータを使用して、27か国にわたる33の研究から得られた197の相関関係の知見を分析しました。

主な発見には以下が含まれます:

  1. 幸福と職場での生産性の間には強い正の関係があるという証拠が示されています

  2. この相関関係は、認知的要素(人生目標の達成に対する満足度)と比較して、幸福の感情的要素(労働者が感情的にどれだけ良い状態であるか)において特に強いです

  3. この関係は職業やセクターによって異なり、管理職、ディレクター、社会サービス従事者の間で最も強く、民間部門よりも公共部門の方が強い傾向があります

  4. 幸福と生産性の間のポジティブな関係は短期間で終わるものではなく、時間の経過とともに持続します

  5. 幸福が生産性に及ぼす因果関係の可能性を示す証拠がありますが、さらなる実験的研究が必要です

著者らは、これらの発見がビジネス慣行や公共政策に重要な影響を持つと指摘し、従業員の幸福度への投資はコストではなく投資と見なすことができるとしています。これにより、生産性と幸福が互いに強化し合う「幸福経済」への移行を支援する可能性があります。

この研究の方法論は、客観的な生産性指標と主観的な評価の両方を分析し、World Database of Happinessから得たデータを標準化された形式で詳細な表とともに提示するというものでした。

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幸福と生産性:オンライン調査結果アーカイブを使用した研究統合

Happiness and productivity: a research synthesis using an online findings archive

Management Review Quarterly,2025/2/20

https://link.springer.com/article/10.1007/s11301-025-00492-x

「幸せで生産性の高い労働者」というテーゼ(HPW)は、労働者の幸福が生産性にプラスの影響を与えるというものである。本研究では、世界幸福データベースに収集された労働者の幸福と生産性の関係に関する研究結果を検証する。客観的および主観的な生産性指標の両方を考慮した。合計で、27の国と地域にわたる197の相関関係を示した33の研究を利用した。以下の質問が取り上げられた。(1)幸福は生産性と正の相関関係にあるか?(2)幸福と生産性の正の相関関係は、部門や職業によって異なるか?(3)幸福のどの要素が生産性の高い職場に最も関連しているか:労働者がほとんどの時間でどれだけ気分が良いか(情緒的要素)または労働者が人生から望むものを得られると感じている度合い(認知的または評価的要素)?(4)幸福が仕事の生産性に及ぼす因果関係はどの程度まで言えるか?全体的に、研究結果は幸福と生産性の正の関係を示す証拠を提供している。

職場での幸福と生産性の関係は職業や部門によって異なり、幸福の感情的要素(労働者がほとんどの時間でどれだけ気分が良いか)に関しては特に強いようです。感情的要素と認知的要素の相対的な重要性を調べるには、より多くの比較研究が必要です。幸福が生産性に与える因果効果は存在する可能性が高いですが、実証的な証拠は乏しいです。

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■研究の背景

「幸福な生産的労働者」仮説の起源

この研究の前提となるのは、「幸福な生産的労働者」仮説(HPW仮説)です。この仮説は、労働者の幸福度が彼らの生産性に正の影響を与えるという考え方です。この仮説は20世紀前半の人間関係(HR)運動から生まれたもので、特にHersey(1932年)の研究「Worker's Emotions in Shop and Home: A Study of Individual Workers from the Psychological and Physiological Standpoint(工場と家庭における労働者の感情:心理学的・生理学的観点からの個人労働者の研究)」が起源とされています。

仕事満足度に関する研究の発展

従来の研究では「仕事満足度」に焦点が当てられてきました。Weiss(2002年)によれば、仕事満足度は「自分の仕事や仕事の状況について行う評価的判断」として定義されます。Fisher(2010年)によると、一般的な文献ではこれは「職場での幸福」とも呼ばれています。

2023年4月時点では、Google Scholarで「仕事満足度」を検索すると370万件もの結果が得られるほど、この分野の研究は豊富です。これらの研究は、仕事満足度の決定要因や測定方法に焦点を当てています。

仕事満足度から幸福研究へのシフト

HPW仮説は元々、感情的経験に焦点を当てた研究から始まりましたが、1950年代には心理学における「認知革命」(Miller, 2003年)の一環として、感情的経験から認知的評価へと重点が移行しました。

2000年代以降、「幸福研究」(Veenhoven, 2017年)が人気を集め、認知的評価と感情的経験の両方を包含するようになりました。従来の労働者の幸福と生産性に関する研究が主に職場での認知的な幸福評価に焦点を当てていたのに対し、幸福研究は「人生満足度」「満足感」「感情のヘドニックレベル(快楽の度合い)」などの文脈に依存しない幸福指標に焦点を当てています。

仕事満足度ではなく人生満足度に注目する理由

著者らは、仕事満足度よりも全般的な幸福度(人生満足度)に注目する理由をいくつか挙げています:

  1. 仕事満足度の影響が限定的: Argyle(1989年)、Iafaldano & Muchinsky(1985年)、Vroom(1964年)などの研究によれば、仕事満足度の職場生産性への影響は変動的で控えめであることが示されています。Fisher(2003年)は、なぜ多くの学者がまだ仕事満足度と生産性の間に強い関係があると信じているのかを考察しています。

  2. 「トップダウン効果」の存在: Headey et al.(1991年)やWeziak-Bialowolska et al.(2020年)の研究によれば、全般的な幸福度の評価が仕事満足度の評価に影響を与える「トップダウン効果」は、その逆の「ボトムアップ効果」より有意に強いことが示されています。つまり、仕事満足度が生産性に与える効果は、主に幸福度が生産性に与える効果によって推進されている可能性があります。

  3. 感情的要素の重要性: Cropanzano & Wright(1999年, 2001年)やZelenski et al.(2008年)の研究では、感情的要素が職場パフォーマンスに大きな影響を与えることが観察されています。ポジティブ心理学における最近の研究でも、感情的要素の相対的重要性が強調されています(Boehm & Lyubomirsky, 2008年)。

幸福と生産性の関係に関する証拠

幸福が生産性を高める可能性のあるメカニズムとして、著者らは以下を挙げています:

  1. 健康の向上: Veenhoven(2008年)による30の縦断研究の合成によれば、幸福は特に病気を予防することで身体的健康を促進します。健康な人々は不幸な人々よりも多くのタスクでより良いパフォーマンスを発揮します。

  2. 活動性の向上: 気分が良いことは「前進信号」として機能する一方、気分が悪いことは活動を抑制します。World Database of Happinessには現在(2024年8月)、幸福と活動の間に正の関係を報告する53の知見が含まれています。

  3. 社会性の向上: Agrawal et al.(2024年)による15の追跡研究の合成によれば、幸福は社会的接触を促進し、社会的絆を強化します。

  4. 人生領域への満足度: 人生全体への満足度は人生の各領域への満足度に影響します。この「トップダウン効果」の相対的強さは領域によって異なります。

これらのメカニズムはFredrickson(2004年)の「拡張・構築理論」と一致しています。この理論によれば、ポジティブな感情は行動レパートリーを広げるとされています。気分が良いと、人々はより好奇心旺盛になり、イノベーションや新しい社会的接触に対してオープンになり、フィードバックやトレーニングに対して受容的になります。

これらの既存研究を踏まえ、著者らの研究は、従来の仕事満足度に焦点を当てた研究から一歩進め、幸福の感情的要素や認知的要素が職場の生産性にどのように関連しているかを包括的に分析したものです。

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週末に是非😁

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