2025.02.05

はぴテク相談室:心理的ウェルビーイングが価値の明確化で向上するのはなぜか

相談者

最近、なんとなく毎日がパッとしなくて…やりたいことも特になくて、ただ時間が流れていく感じがするんです。どうしたらいいんでしょうか。

はぴテクさん
はぴテクさん

それは辛いですね。「何のために動けばいいのかわからない」みたいな感覚でしょうか?実は最近、同志社大学の武藤崇先生らのグループが、まさにそういう状態に関係する研究を発表しているんです。少し聞いてみますか?

相談者

はい、ぜひ聞かせてください。

はぴテクさん
はぴテクさん

この研究で注目されているのが「価値の明確化」という考え方です。難しく聞こえるかもしれませんが、要するに「自分が人生で何を大切にしたいか」をはっきりさせること。それが心の健康(心理的ウェルビーイング)と強い関連があることが確認されたんです。相関係数が0.72と、かなり高い数字でした。

相談者

「自分が大切にしたいもの」か…。正直、よくわからないんですよね。好きなことも特にないし。

はぴテクさん
はぴテクさん

そうですよね、いきなり「大切なもの」と言われても戸惑いますよね。ここで言う「価値」って、「お金持ちになる」とか具体的な目標じゃなくて、「人とあたたかくつながりたい」とか「誠実でいたい」とか「成長し続けたい」みたいな、行動の方向性のことなんです。「こういう自分でありたい」という感覚に近いかもしれません。

相談者

なるほど。でも、それがわかったとして、それだけで気持ちが変わるものなんですか?

はぴテクさん
はぴテクさん

鋭い質問です!この研究で面白かったのが、価値を明確にするだけでは不十分だという点なんです。「価値の明確化」が心の健康につながる経路として、「ウェルビーイング促進行動」、つまり実際に行動を起こすことが間に入っていることがわかりました。価値がわかったら、それに沿った行動をすることが大事、ということですね。

相談者

行動、ですか。具体的にはどんな行動のことですか?

はぴテクさん
はぴテクさん

研究では4種類の行動が挙げられています。①誰かを助けたり感謝したりする「他者援助行動」、②やるべきことをやり遂げる「課題遂行行動」、③自分で選んで決める「自己決定行動」、④ちょっと怖くても挑んでみる「挑戦行動」です。大きなことじゃなくていいんですよ。「これが大事だな」と思えることに沿った小さな行動の積み重ねが、心の健康と関連しているようです。

相談者

なんか、「なんとなく毎日が流れている」という状態は、その行動が全然できていない感じですね…。

はぴテクさん
はぴテクさん

そう感じますか。でも逆に言うと、「自分が何を大切にしたいか」が少しでも見えてくると、行動のきっかけにもなりやすい、ということでもあるんです。この研究では価値の明確化→行動→心の健康、という流れが示されましたが、あくまで相関のデータなので「これをすれば必ず良くなる」と断言はできません。ただ、「自分を知ること」と「動くこと」がセットになっているのは、とても示唆深いと思います。

相談者

じゃあ、まず「自分が何を大切にしたいか」を考えてみることから始めてみるといいんでしょうか。

はぴテクさん
はぴテクさん

それがひとつの入り口になりそうですね。たとえば「最近、どんな瞬間に少し気持ちが上向いた?」とか「どんな自分でいられると気持ちよく過ごせる?」と自分に問いかけてみるのが取っかかりになるかもしれません。価値は「見つける」というより「少しずつ気づいていく」感じです。

相談者

焦らなくていいんですね。なんか少し楽になりました。ありがとうございます。

はぴテクさん
はぴテクさん

良かったです!「自分を知る」と「それに沿って動く」という2つが心の健康とつながっているというこの研究、ぜひ頭の片隅に置いておいてみてください。小さな気づきと小さな行動、それだけで十分なスタートになりますよ。

■ 今日のまとめ

  • 「自分が何を大切にしたいか(価値の明確化)」と心理的ウェルビーイングには強い関連があることが、同志社大学の研究で示されました(相関係数0.72)。
  • 価値を明確にするだけでなく、それに沿った行動(他者援助・課題遂行・自己決定・挑戦)を実際に起こすことが、心の健康とのつながりにおいて重要な役割を果たしていることが示唆されました。
  • 価値は「大きな答え」でなくてよく、「どんな自分でいたいか」という方向性を少しずつ自分に問いかけることが、行動と心の健康への入り口になりうります。

■ 出典・注意事項

  • 【出典】中西彩巴・鬼山竜太朗・鈴木友貴穂・武藤崇(2025)「心理的ウェルビーイングが価値の明確化で向上するのはなぜか」同志社大学紀要論文 https://doshisha.repo.nii.ac.jp/records/2000828

  • 【注意事項①】本研究は質問紙調査による相関・媒介分析であり、「価値の明確化が心理的ウェルビーイングを因果的に高める」と断定するものではありません。

  • 【注意事項②】対象は大学生であり、他の年代・集団への一般化には限界があります。

  • 【注意事項③】媒介分析の結果は「部分媒介」であり、ウェルビーイング促進行動以外の要因も心理的ウェルビーイングに影響している可能性があります。

投稿者によるコメント・補足(1件)
コメント 1

研究自体の紹介はこちら😊
心理的ウェルビーイングが価値の明確化で向上するのはなぜか
https://wellbeing-archive.pages.dev/posts/2025-02-05-1738792801/

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