はぴテク相談室:謙虚な教師は生徒が学び、受け入れられていると感じられるよう手助けする
はぴテクさん、こんにちは。実は子どもの勉強のことで悩んでいて…。うちの子、授業で分からないことがあっても先生に質問できないみたいで、成績もなかなか上がらないんです。どうしたらいいでしょう?
それは心配ですよね。実はそれ、お子さんだけの問題じゃないんです。2024年に発表された研究で、「生徒は学校で分からないことを打ち明けるのをためらいがちで、それが学習の妨げになっている」ってはっきり書かれているんですよ。特に女の子に多い傾向があるとも。
あ、うちも女の子なんです!やっぱりそういう傾向があるんですね。でも、なんで質問できないんでしょう?
研究によると、「失敗したら恥ずかしい」「間違えたらどう思われるか」という気持ちが大きくブレーキになっているようなんです。でも面白いことに、その解決のカギが「先生側の態度」にある、という結果が出ているんですよ。
先生側の態度、ですか?子ども自身の問題じゃないんですか?
もちろん子ども自身の気持ちもありますが、この研究が注目したのは「知的謙虚さ」を先生が実際に見せること、いわゆる「モデリング」の効果なんです。先生が「私も全部は知らない」「私も間違えることがある」「あなたのやり方からも学びたい」と自然に表現すると、生徒が質問しやすくなって授業への興味も上がり、成績の向上とも関連が見られたんです。
え、先生が「分かりません」って言うんですか?それって先生として大丈夫なんですかね(笑)
(笑)そう感じますよね!でもこれ、むしろ逆効果どころかすごくプラスに働くみたいなんです。研究では3つの理由が見つかっていて、①先生に「受け入れてもらえている」と感じる、②クラスメートとのつながり感が増す、③「失敗=学習の邪魔」という思い込みが薄れる、この3つが重なることで学びやすくなるんだと考えられています。
なるほど!「受け入れてもらえている」という感覚が大事なんですね。でも、先生にそんなことをお願いするのは難しいですよね…。家でも何かできることはありますか?
いい視点です!研究者も「学校だけでなく家庭でも同じ原理が働く」と示唆しています。たとえば親御さんが「お母さんもこれよく分からないな〜」「前に間違えたことあったよ」「あなたの考え方、面白いね、私も気づかなかった」みたいに自然に話すと、お子さんが「分からなくていいんだ」「間違えても大丈夫なんだ」と感じやすくなるかもしれません。
確かに、私が「完璧な親」を演じようとしていたかも(苦笑)。でも、ただ「謙虚にしなさい」って子どもに言うのとは違うんですよね?
そこ、すごく重要なポイントなんです!研究で特にはっきり出ていたのが、「言葉で勧めるより、自分が実際にやって見せる方がずっと効果が高い」ということ。「謙虚にしなさい」と言うより、親や先生が自然に謙虚な姿を見せる方が、子どもに伝わりやすいというわけです。
「見せる」ことが大事なんですね。具体的にどんなことを言えばいいんでしょう?
研究では3つのパターンが紹介されています。まず①「自分がまだ知らないことを認める」→「この料理のこと、まだよく知らないから一緒に調べてみようか」。次に②「自分の間違いを素直に認める」→「さっきのこと、私が間違ってたと思う、ごめんね」。そして③「違う見方に興味を持つ」→「え、そういう考え方もあるんだね、面白い!」。こんな感じで日常会話の中に自然に混ぜるイメージです。
なんか、すごくシンプルなんですね。難しく考えすぎていたかも。もう少し肩の力を抜いて子どもと話せそうです!
それが一番です!この研究は、「正しいことを教える」よりも「どう接するか」が学びに大きく関わる可能性を示してくれています。完璧じゃない姿を見せることが、かえってお子さんの学ぶ意欲につながるかもしれませんよ。
■ 今日のまとめ
- 先生(や親)が「分からない」「間違えた」「あなたから学びたい」と自然に示す『知的謙虚さのモデリング』が、子どもの質問しやすさや学習意欲と関連することが研究で示されています。
- 効果の背景には、①先生・親に受け入れてもらえている感覚、②仲間とのつながり感、③失敗=悪いことという思い込みの低下、の3つが考えられています。
- 「謙虚にしなさい」と言葉で伝えるより、大人自身が謙虚な姿を実際に見せる(モデリングする)方が効果的とされており、家庭での日常会話でも応用できます。
■ 出典・注意事項
- 【出典】Porter, T., Leary, M. R., & Cimpian, A. (2024). Teachers' Intellectual Humility Benefits Adolescents' Interest and Learning. Developmental Psychology.(https://www.researchgate.net/publication/382557825)
- 【出典②】Greater Good Magazine (2024/12/19). The Top 10 Insights from the Science of a Meaningful Life in 2024.(https://greatergood.berkeley.edu/article/item/the_top_10_insights_from_the_science_of_a_meaningful_life_in_2024)
- 【注意①・相関と因果】研究5(高校生対象の縦断調査)では成績向上との関連が示されていますが、これは相関であり、知的謙虚さが直接・単独で成績を上げると断定できるものではありません。
- 【注意②・対象集団の限界】研究の対象は主にアメリカの高校生・大学生であり、日本の学校環境や家庭環境への適用には限界がある可能性があります。
- 【注意③・研究デザイン】パイロット研究・実験・縦断調査と複数の手法が用いられていますが、架空の教師を題材にした実験も含まれており、実際の教室場面とは条件が異なる部分もあります。
研究自体の紹介はこちら😊
謙虚な教師は生徒が学び、受け入れられていると感じられるよう手助けする
https://wellbeing-archive.pages.dev/posts/2025-01-05-1736039642/