はぴテク相談室:古い友人はつながりと幸福感の未開拓の源である
最近、昔の友達のことをふと思い出すんですよね。学生時代によく一緒に遊んでた子なんですけど、もう何年も連絡取ってなくて…。連絡してみたいとは思うんですけど、なんか気まずいかなとか、迷惑かなとか思って、なかなか動けなくて。こういう気持ちって、おかしいですかね?
全然おかしくないですよ!実はそれ、すごく多くの人が感じていることで、ちゃんと研究でも明らかになってるんです。サイモンフレーザー大学のアクニン先生たちが、アメリカ・イギリス・カナダの2500人以上を対象に調べた研究があるんですが、90%以上の人が「古い友人と疎遠になった経験がある」と答えているんですよ。
えっ、そんなに多いんですね。でも、みんな疎遠になってても、特に連絡しようとは思わないんですかね?
そこが面白いところで、「連絡を取り直したい」「相手も喜んでくれると思う」「連絡先も知ってる」、さらに「メッセージを書いて送る時間まで与えられた」という条件が全部そろっていても、実際に連絡を送ったのは3分の1未満だったんです。つまり、「やりたい」と思っていても、なかなか動けない人がとても多いということなんですよね。
それ、まさに私の状況です…。でもどうしてそんなに動けないんでしょう?
研究では、その大きな理由として「古い友人が、まるで見知らぬ人のように感じられてしまう」ことが挙げられています。長い時間が空くと、相手との距離感が知らない人と話すときと同じくらいの緊張感になってしまう、ということが分かったんです。だから「気まずいかも」「迷惑かも」という不安が出てくるのは、ごく自然なことなんですよ。
なるほど…知らない人に話しかけるのと同じ感覚になっちゃうんですね。それは確かに腰が重くなりますね。でも実際に連絡もらったら、友達はどう感じるんでしょう?
研究によると、メッセージを受け取った側はむしろ喜んでくれることが多いとされています。でも、連絡を取ろうか迷っている側は「相手が嫌がるんじゃないか」「気まずくなるんじゃないか」という不安を必要以上に大きく感じてしまう傾向があるんです。この「思い込みのズレ」が、連絡を妨げているひとつの要因みたいですね。
じゃあ、思い切って連絡してみた方がいいのかもしれないですね。でも、どうしたら一歩踏み出せるんでしょう…?
実はこの研究、連絡を取りやすくするためのワークも開発しているんです。ポイントは3ステップで、まず①今の友達や知り合いに短いメッセージを送る「ウォーミングアップ」を3分ほどやってみる。次に②「メッセージを送ることは相手への思いやりだし、自分の幸せにもつながる」と意味づけをする。そして③実際に古い友人にメッセージを送る、という流れです。
いきなり昔の友達に送るんじゃなくて、まず今の知り合いに送る練習をするんですね。それなら少しハードル下がる気がします!
そうなんです!このワークを使ったグループは、使わなかったグループに比べて、古い友人に連絡を取れた人の割合が大きく増えたことが研究で示されています。具体的には、ワークを使った人は半分以上が再度連絡を取れたのに対して、使わなかった人は3分の1以下だったんですよ。「練習してから本番」という順番が効いているみたいです。
研究で効果が確かめられてるんですね。「連絡するのは思いやりの行為」という意味づけも、背中を押してくれそうです。ちょっとやってみようかな。
ぜひ!社会的なつながりは幸福感と関係が深いことが多くの研究で示されているんですが、実は古い友人というのは、まだ十分に活かされていないつながりの源かもしれない、というのがこの研究のメッセージでもあります。「こんにちは、元気?」の一言でいいんです。ウォーミングアップから始めてみてくださいね。
なんか勇気が出てきました!思い込みで動けなくなってたんだなって気づけたのも大きいです。ありがとうございます。
■ 今日のまとめ
- 古い友人と疎遠になった経験は9割以上の人にあり、連絡を取りたいと思っていても実際に動けない人が多いことが研究で示されています。
- 連絡をためらう大きな原因は、古い友人が「見知らぬ人」のように感じられることで、不安を必要以上に大きく感じてしまう「思い込みのズレ」があることが分かっています。
- 「今の知人へのメッセージで練習→ポジティブな意味づけ→古い友人へ実践」という3ステップのワークが、古い友人への連絡を後押しする効果を示しています。
■ 出典・注意事項
- 【出典①】Aknin, L. B., & Sandstrom, G. M. (2024). People are surprisingly hesitant to reach out to old friends. Communications Psychology, 2, Article 75. https://www.nature.com/articles/s44271-024-00075-8
- 【出典②】Greater Good Magazine (2024/12/19). The Top 10 Insights from the Science of a Meaningful Life in 2024. https://greatergood.berkeley.edu/article/item/the_top_10_insights_from_the_science_of_a_meaningful_life_in_2024
- 【注意事項】本研究は調査・実験研究であり、「古い友人への連絡が幸福感を高める」という因果関係を直接証明したものではありません。社会的つながりと幸福感の関連は多くの研究で示されていますが、相関関係と因果関係は区別する必要があります。
- 【注意事項】研究の参加者は主にアメリカ・イギリス・カナダの成人であり、結果がすべての文化・年齢層に同様に当てはまるかどうかは限界があります。
- 【注意事項】ワークの効果(連絡を取れた割合の増加)は本研究の実験条件下での結果であり、日常のあらゆる場面で同じ効果が得られることを保証するものではありません。
研究自体の紹介はこちら😊
古い友人はつながりと幸福感の未開拓の源である
https://wellbeing-archive.pages.dev/posts/2024-12-30-1735544017/