2024.11.16

はぴテク相談室:顧客対応時にフィロソフィはどう活用されるか?

相談者

最近、うちの会社でも「経営理念を大事にしよう」って言われるんですけど、正直、目標数字を追うのに必死で、理念とか言ってる場合じゃないな…って思ってしまうんです。理念って、本当に現場で役に立つんですかね?

はぴテクさん
はぴテクさん

それ、すごくリアルな悩みですよね。数字のプレッシャーがあると、どうしても「理念は後回し」ってなりがちですよね。実は、そのモヤモヤにぴったりな研究があるんです。小型補聴器の専門店「X社」で、稲盛和夫さんの経営手法(アメーバ経営+フィロソフィ)がどう現場で使われているかを調べた事例研究なんですよ。

相談者

稲盛さんの経営手法ですか。聞いたことはありますが、「フィロソフィ」って具体的に何のことですか?

はぴテクさん
はぴテクさん

フィロソフィというのは、「人として正しいことをする」「お客さま第一で考える」といった、仕事の判断基準になる価値観や行動指針のことです。単なる飾りのスローガンではなく、日々の判断に使う「共通の物差し」のようなものですね。アメーバ経営は、チームを小さな単位に分けて目標管理をする仕組みなんですが、そこにこのフィロソフィがセットで機能している、というのがポイントです。

相談者

なるほど。でも目標数字を追う仕組みの中に「理念」を組み合わせるって、うまく両立できるんでしょうか。矛盾しませんか?

はぴテクさん
はぴテクさん

鋭い疑問ですね!実はこの研究が明らかにしたのは、まさにそこなんです。アメーバ経営には「数字を達成しなければ」という内側からのプレッシャーがあります。それに加えて、顧客から無理な要求をされるといった外側からのプレッシャーもある。この研究では、そういったプレッシャーにさらされたときに、フィロソフィが「行動の判断軸」として機能することが実際に観察されたんです。

相談者

顧客からのプレッシャーって、例えばどういう場面ですか?

はぴテクさん
はぴテクさん

補聴器の専門店なので、「もっと安くしてほしい」「すぐ直してほしい」といった要求への対応ですね。そこで売上優先で動くか、お客さんのことを本当に考えて動くかの分岐が生まれます。研究に参加した社員のEさんはこう話しています。「フィロソフィがないと、やっぱり売上がメインというか、利益追求になってしまう。でも経営理念がしっかりしていたので、売上至上主義ではなく、お客さま第一主義でいられた」と。

相談者

それって、現場の社員さんが自分でそう判断できる、ということですよね。すごいですね。でもそれって、特別な人じゃないとできないんじゃないですか?

はぴテクさん
はぴテクさん

そこも面白いポイントで、Eさんはさらにこうも言っています。「その考え方、ちょっと利己的じゃない?」とか「他のことを考えずに動いてるよね」って、職場で互いに言い合える場面が多かった、と。つまり、フィロソフィが「共通言語」になっていることで、個人の特別な能力に頼らずに、チームで判断を確認し合える仕組みになっているんですね。

相談者

「利己的じゃない?」って言い合えるのは、確かにすごい組織文化ですよね。うちではなかなかそうはいかないかも…。

はぴテクさん
はぴテクさん

そうですよね。ただこれは一社の事例研究なので、すべての会社でそのまま当てはまるとは言えません。X社ならではの文化や歴史も影響しているはずです。でも「共通言語として使える理念」があると、プレッシャーのある場面での判断が変わりうる、というのは参考になるヒントじゃないでしょうか。

相談者

そう考えると、理念って「飾り」じゃなくて、プレッシャーがかかる場面ほど活きてくるものなんですね。

はぴテクさん
はぴテクさん

まさにそういうことです!この研究のもう一つ大事なポイントは、これまでの研究では「目標達成のプレッシャー(内側)」に対してフィロソフィが役立つ、という研究は多かったんですが、「顧客対応(外側のプレッシャー)」にも機能することを実際の現場で確認した、という点なんです。理念の活躍の場が、社内だけじゃなく、お客さんとの接点にも広がっているということですね。

相談者

なんか、うちの会社の理念も、もう一度ちゃんと読んでみようかなという気持ちになってきました。職場でも使える言葉として捉え直してみます。

■ 今日のまとめ

  • フィロソフィ(価値観・行動指針)は、数字目標などの社内プレッシャーだけでなく、顧客対応という社外のプレッシャー場面でも判断の軸として機能することが、補聴器専門店X社の事例で示された。
  • 理念が「共通言語」になっていると、個人の判断だけに頼らず、チームで「それって利己的じゃない?」と確認し合える組織的な仕組みとして機能しうる。
  • 売上至上主義に流れず「お客さま第一」で動けた背景に、フィロソフィの存在があったと社員自身が語っており、理念が現場行動と結びついている様子が観察された。

■ 出典・注意事項

  • 出典:庵谷治男・近藤大輔「アメーバ経営導入組織におけるフィロソフィの活用―小型補聴器専門店X社における事例―」Management Accounting Review, Vol.4, No.1, https://www.jstage.jst.go.jp/article/mar/4/1/4_1/_pdf

  • 注意事項①:本研究は特定の一社(小型補聴器専門店X社)を対象とした事例研究であり、得られた知見がすべての組織に一般化できるとは限りません。

  • 注意事項②:観察された関連性は「フィロソフィを持つ組織でこうした行動がみられた」という事例の記述であり、フィロソフィの導入が特定の成果を因果的に引き起こすと断言するものではありません。

  • 注意事項③:社員の語りはインタビューや観察に基づくものであり、組織全体の状況を網羅的に反映しているとは限りません。

投稿者によるコメント・補足(1件)
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研究自体の紹介はこちら😊
顧客対応時にフィロソフィはどう活用されるか?
https://wellbeing-archive.pages.dev/posts/2024-11-16-1731719869/

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