はぴテク相談室:チームの創造性には、協力的な関係性が大事❗
最近、チームでアイデア出しをしているんですが、なかなかいいアイデアが生まれなくて困っています。メンバーに優秀な人はいるんですけど、なぜかチームとしての成果が上がらないんですよね…。
それは悩ましいですね。実は、その悩みにとても興味深い研究があるんです。2024年に発表されたある研究で、チームのブレインストーミング中に参加者の脳が「同期」することが確認されたんですよ。そして、その同期の強さがチームの創造性と関係していたんです。
脳が同期する?どういうことですか?なんだか不思議ですね。
イメージとしては、オーケストラの演奏に近いかもしれません。それぞれの楽器が合わさって初めて美しい音楽になるように、チームメンバーの脳の活動がリズムを合わせていく感じです。研究では「脳間カップリング」と呼ばれていて、一緒に創造的な活動をしているとき、特に意思決定や社会的なやり取りに関わる脳の部位で、この同期が起きていることがわかりました。
へえ!でも、うちのチームには優秀な人がいるのに、なぜうまくいかないんでしょう?個人の能力は関係ないんですか?
実はそこがこの研究の一番おもしろいところで、個人の創造性の高さは必ずしもチーム全体の創造性につながらなかった、という結果が出ているんです。つまり、「優秀な人を集めれば創造的なチームになる」とは言い切れないということですね。チームとして脳が同期しているかどうかの方が、創造性と関係していたんです。
じゃあ、その「脳の同期」を強めるには何が大事なんでしょうか?
研究では、チームの「協力的な関係性」がカギだとされています。協力的な環境では脳の同期が強まる傾向があったのに対して、競争的な環境では同期が弱まる傾向があったんです。メンバー同士が張り合っている状態だと、脳がうまく同調しにくくなってしまうみたいですね。
競争的というのは、具体的にどういう状況のことを指しているんですか?
たとえば、誰のアイデアが一番いいか評価されるような雰囲気や、自分のアイデアを守ろうと他の人の意見をうまく受け取れない状態などが、競争的な環境に当てはまります。逆に、お互いのアイデアを乗っかって発展させていけるような雰囲気が、協力的な環境といえるでしょうね。
うちのチームを振り返ると、みんな自分のアイデアにこだわる傾向があるかもしれません…。それが原因かもしれないですね。
その気づきは大きいですよ!研究では、脳の中でも「柔軟な発想」に関わる部分の同期が高まるとチームの創造性が上がる一方で、「他の人の行動をそのまままねる」ことに関わる部分の同期が強まると、むしろ創造性が下がる傾向も見られました。つまり、みんながひとつの意見に流されるのではなく、それぞれが柔軟に考えながら協力し合うのが大事みたいです。
なるほど、「協力」といっても、ただ同調するんじゃなくて、柔軟に考えながら協力することが大事なんですね。では、チームの雰囲気を協力的にするために、何か日常的にできることはありますか?
研究が直接提案しているわけではないので断言はできないのですが、研究の知見から考えると、アイデア出しのときに「批判なしでまず全部出しきる」ルールを設けたり、他の人のアイデアに「いいね、さらに…」と乗っかる文化を作ったりすることが、協力的な雰囲気づくりのヒントになるかもしれませんね。チームの心理的安全性を高めることが、脳の同期にもつながっている可能性があります。
「優秀な人を集めること」よりも「チームの関係性を整えること」の方が大事だという考え方、目からうろこでした!早速チームでの関わり方を見直してみます。ありがとうございました!
素敵な気づきですね!ただひとつ補足しておくと、この研究はあくまで脳の同期とチームの創造性の間に「関係性があった」ということを示したもので、「協力的な環境にすれば必ず創造性が上がる」と因果関係を断言したものではありません。チームの状況によっても違いはあると思いますので、ぜひ実際に試しながら、チームに合ったやり方を探してみてくださいね!
■ 今日のまとめ
- チームでブレインストーミングをすると参加者の脳が「同期」し、その同期の強さがチームの創造性と関係していることが示されました。
- 個人の創造性の高さは必ずしもチームの創造性につながらず、チームとしての関係性の質の方が重要である可能性が示唆されています。
- 協力的な環境では脳の同期が強まる傾向があり、競争的な環境では弱まる傾向がありました。また、ただ同調するのではなく「柔軟な発想で協力する」ことが創造性に関係していたと考えられます。
■ 出典・注意事項
- 出典:Brainstorming: Interbrain coupling in groups forms the basis of group creativity / Communications Biology, 2024年7月28日 / https://www.nature.com/articles/s42003-024-06614-7
- 注意事項①【相関と因果】:本研究は脳の同期とチームの創造性の間に関連があることを示していますが、「協力的な環境が脳の同期を通じて創造性を高める」という因果関係を証明したものではありません。
- 注意事項②【対象集団の限界】:研究は4人グループを対象とした実験室的な設定で行われており、現実の職場や多様なチーム構成にそのまま当てはまるとは限りません。
- 注意事項③【測定手法の制約】:脳活動の測定には機能的近赤外分光法(fNIRS)が使用されており、測定できる脳の部位や精度に一定の限界があります。
研究自体の紹介はこちら😊
チームの創造性には、協力的な関係性が大事❗
https://wellbeing-archive.pages.dev/posts/2024-07-28-1722209147/